タンポポの雪が降ってた (角川文庫)

著者 :
制作 : 浅野 隆広 
  • 角川書店
3.09
  • (2)
  • (4)
  • (11)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 43
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041911075

作品紹介・あらすじ

あのときも、こんなふうにして、タンポポの雪が降っていた…。甘美な恋の思い出と、裏切りの痛みをたどりなおす、グレイハウンドの旅を描いた表題作「タンポポの雪が降ってた」をはじめ、誰もが胸にいだく、せつない想い出の数々。変わらないと思っていた幸せの脆さ。ふとした感傷が、時をへだてて突きつける人生の哀しみ。再会と、ほろ苦い別れ。日常を抜けだした先で見た夢の終わり…。時を悼み、心の詩を奏でる珠玉の七篇。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 父親に囚われた3人の男の「海を撃つ日」と兄弟の絆が味わい深い「不良の樹」が好き

  • とても若さを感じる短編集です。若さと言っても溌剌とした若々しさではなく、若さゆえの未熟さ・せつなさ・孤独感・そして希望を感じました。

    一番気に入ったのは表題の「タンポポの雪が降ってた」のラストかなぁ。

    ただ、

    「時速百キロ以上で走るバスと、たぶん同じぐらいのスピードで走っているにちがいない列車がすれ違うのに、四分も五分もの時間がかかるなんて、いったいどのぐらい多くの貨車を引き連れているのだろうか。」

    という文は、理系としてちょっと気になります。

    仮に、主人公が乗っているバスが時速百キロだとすると、時速二百キロの差となります。

    時速二百キロということは、60分で200kmですから、1分で3.3kmです。4分なら13.3kmの列車となるわけです。

    1両の貨車の長さはどんなに長いと言っても40mでしょう。
    ということは、13.3km*1000/40=333台

    機関車1両を含む26両連結の車列が、5編成連結でも130台なので、333台はないでしょう。

  • 始めての作家さんで短編。
    この作家さんの初期の作品はハードボイルド系と知ったのは読了後の解説を読んでで知りました。
    かなり心に来るしっとり、しんみりが多かったので。
    しかし、カタカナが多いのと海外が舞台ってので、わかるかもって思うところもあります。

    作品の中では「空と大地」が好きです。
    女性が一生懸命に夢に向かうが、社会は上手く夢に繋がってくれない。
    歳を重ねるうちに成長と寂しさを経験する、主人公に女性ならではとも思える気持ちが感じられました。

  • ◎◎ 要約 ◎◎
     切ない思い出を綴った作品。変わらないと思っていた幸せのもろさ、日常を抜け出した先で見た夢の終わり、など、興味を惹くテーマ設定。

    ◎◎ 感想 ◎◎
     のんびりと話が進むため、すべて読みきることができず。キャラクターの個性があまり読み取れず、思い入れて読めない作品だった。

  • 本棚にあった本。再読。もうちょいドラマを求めてたのかも。短編。[09/02/02]

  • 短編集。
    「不良の樹」はズシッときた。
    他のものは、なんだか・・・。

  • どことなく切ないストーリーが魅力だと思います。
    そして短編集と言う事で違う味のある話が読めるのも魅力ではないでしょうか。

  • 久々に、「面白い」と思える文章を書く作家さんに出逢えました。
    全部の書き方が、出し惜しみしてて悔しいくらい長編が気になる。
    個人的に、[世界は冬に終わる]という話が1番好き。
    『世界は冬に終わる そんな気がしていました』のフレーズが大好き。
    [タンポポの雪が降ってた]
    昔の短い恋が終わった春、タンポポの綿毛がまるで雪のように舞っていたー…。懐かしい人からの手紙で、あぁ、確かにあの恋の終わりはタンポポの雪が降っていたのだと感傷にふけた。
    [大空と大地]
    失恋した自分を慰めてくれたのは、趣味で行った旅行先の空ではなく、いつもと同じ東京の空だった。
    [世界は冬に終わる]
    田舎から都会に出てきた郵便局員が、同じ郵便局で働いていた異国の人と、1枚の年賀状から人名を救う話(こう書くとなんかなぁ…)。
    都会を夢見て、そして挫折した女性。その女性が出した、転居先不明かなにかで戻ってきた年賀状には、去年も確かにこう書いてあった。[世界は冬に終わる。 そんな気がしていました。]と。
    『年の始まりってやつは、ひとりでいる人間には残酷なんだ。あん時、(略)ほんとはどうしていいかわからねえほどに、寂しかったのさ。故郷へ帰りたい。なつかしい人たちの顔を見たい。雪景色のシンジュクをながめていると、たまらなくそう思えてならなかった。
    だから、理由じゃなく、あの人の孤独がわかったんだ。』
    命は救われた、けれど心まで救われたのかはわからない。
    けれど、不思議と温かい話だった。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

1963年横浜生まれ。91年「ハミングで二番まで」で小説推理新人賞を受賞しデビュー。99年『幻の女』で第52回日本推理作家協会賞を受賞。四六判の近著に、『心に雹の降りしきる』(双葉社)、『虚国』(小学館)、『熱愛』(PHP研究所)。

「2015年 『女警察署長 K・S・P』 で使われていた紹介文から引用しています。」

タンポポの雪が降ってた (角川文庫)のその他の作品

香納諒一の作品

ツイートする