ダリの繭 (角川文庫)

著者 : 有栖川有栖
  • KADOKAWA (1993年12月31日発売)
3.46
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  • レビュー :204
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041913017

作品紹介・あらすじ

幻想を愛し、奇行で知られたシュール、リアリズムの巨人-サルバドール・ダリ。宝飾デザインも手掛けた、この天才の心酔者で知られる宝石チェーン社長が神戸の別邸で殺された。現代の繭とも言うべきフロートカプセルの中で発見されたその死体は、彼のトレードマークであったダリ髭がない。そして他にも多くの不可解な点が…。事件解決に立ち上った推理作家・有栖川有栖と犯罪社会学者・火村英生が難解なダイイングメッセージに挑む。ミステリー界の旗手が綴る究極のパズラー。

ダリの繭 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 台風で図書館にも行けず、手元にある本を再読中。
    有栖川有栖は好きです。特に火村英生シリーズの、男性二人の仲の良さ・・・あーれーは面白い。

    だって三十路の男性ふたりが、片方の誕生日にフランス料理店でディナーですよ。そのあと路上でラーメン食べてから、マンションで朝まで飲み続けるのを「素晴らしき今宵の予定」ですよ。
    っかー!!!
    何故アテられた気分にならなきゃいけないんだorz

  • 作家アリスシリーズ2作目。
    火村の33回目の誕生日を祝してフランス料理店で食事をしていた有栖たちは、宝石チェーンのオーナー社長・堂条秀一が若い女性を伴って来店したところを見かける。
    後日堂条は、彼が繭と呼んでいたフロートカプセルの中で遺体となって発見された。
    画家ダリに心酔していた彼が似せていたトレードマークの髭を剃られ、現場には堂条の下着しか残されていない。
    有栖のもとに警察から問い合わせの電話が入る。
    大学時代の知人で、友人の結婚式で顔を合わせたばかりの吉住のアリバイを確認するためだった。
    事件推定時間に友人・吉住には明確なアリバイがない。
    しかも、吉住は堂条の弟で事件現場となった山荘にもたびたび出入りしていたという。
    もともとの犯行計画。
    どんなことをしても手に入れたいもの、他人には譲れないものがあったとしても、人はそう簡単に犯罪に手を染めるとは思えない。
    やはり計画を思いついた時点で、歪んだ感情は狂気に支配されていたのだろう。
    自分の態度がはっきりしなかったからと謝っていた・・・彼らにとっての女神。
    本当に何の計算もなかったのか。
    二人の男の間で、強い意図はなかったとしても、彼女にも事件の責任の一端がある。
    そう思うのは女だからだろうか。
    鳥羽のみやげ物屋にあった手作りの女神像。
    ひとつひとつが手作りのため、よく見れば違いははっきりとわかる。
    計画そのものが杜撰なこともあり、「殺す」という目的だけに目が行き、完璧な計画だと思っていたのは犯人だけだった。
    すべてが思い通りになると、傲慢にも思い込んでいた男の最期を火村はどう受け止めたのだろう。
    誰かを自分だけのものにしたい。
    誰にも渡したくない。
    それは愛ではなくて執着だ。
    正当防衛が認められればいいと思ってしまった。
    過剰防衛だとしても、情状が酌量されればと考えてしまった。

  • この度再読。当時読んだときの印象が鮮烈なダリの絵の装丁版で再購入。

    細部は読み返すまで覚えてなかったのにダリ氏の繭であるフロートカプセルへの憧れと、ラストシーンの切なさだけは印象的でずっと残ってたなあ。

    この作品は「繭」ってのがキーワードになっていて繰り返し登場する。
    被害者の、火村先生の、アリスのそれぞれの「繭」。
    「朱色の研究」でも思ったけど著者はメインのモチーフを作品に取り込むのがすごく上手いよね。

    そしてあえてつっこんでおきたいのは、のっけから二人でフランス料理で記念日を祝い、伝説の新婚ごっこを繰り広げる火村先生アリスコンビの夫婦っぷり。公式がすさまじい。笑
    (2016.2.22)

  • この作品は好き。嫌いなところや文句をつけたいところがちょっと見当たらない、というなかなか稀有な作品。
    解明されてしまえば単純な謎なのだが、丁寧に作られ、書かれていて、最後まで楽しめる。主役コンビがただの善人ではなく、奥行きや陰翳を持った存在として描かれているのもいい。
    欲を言えば、筒井康隆『ロートレック荘事件』のように、ダリ作品の図版が挿入されていたら最高だったんだけど。

    冒頭の文章を読んですぐ、ディーン・R・クーンツ『ミッドナイト』、貴志祐介『十三番目の人格』を連想したが、本格的なアイソレーション・タンクではなくフロート・カプセルだった。そういうのもあるんだな。

  • ビーンズ文庫版が出る前に再読。いやぁ、新婚ごっこに当てられます(笑)

  • 有栖川有栖の本って、こんなんだっけ。作家の有栖川と、犯罪者火村が殺人事件を解決するっていう。このシリーズ、読んだ事ある気もするけど、記憶が定かじゃない・・・
    内容は、まあ、ふんふんって感じで、登場人物が多くて分かりづらいなーくらいだったけど、発行が1993年でびっくり。もう25年も前の作品!?でも、フロートカプセルとか、今あっても全然不思議じゃない。

  • ミステリーだけど、謎解きより人物たちの感情の流れ重視。
    といっても、謎解きも十分楽しめる。

  • ダリを崇拝する宝石チェーン店の社長が、神戸の別邸で殺された。現代の繭とも言うべきフロートカプセルの中で発見されたその死体には、彼のトレードマークであったダリ髭がなかった。他にも不可解な点が多く……。

    読みどころはアリスと火村の新婚ごっこかな?事件が少しずつ解きほぐされていくのが気持ちよかった。それぞれにとっての繭。でもどうしても鷲尾さんが好きになれなくてラストもふーんって感じだったし社長がそこまでするほどか?って感じだったのでやっぱり動機とかはどうでもいい文化なんだな。

  • 想像していた以上に面白かった。謎解きとしては、それほどびっくりするようなトリックや仕掛けがあるわけでもないのだが、主人公たちの会話の中で何度か登場する「繭」についての議論は、少し文学的で考えさせられる内容で興味深かった。

  • 火村英生×有栖川有栖シリーズ2作目です。2016年1月期に斉藤工×窪田正孝でテレビドラマ化された際、第4話で放送されてます。前作より踏み込んで描かれる2人の関係と、有栖の過去も堪能出来ます。論理的に事件を解決する火村の観察眼は見事な物ですが、関係者のアリバイが・・・それ有りなの?と言う感じで私はいただけませんでした。ダリの説明やオタクの説明。退屈な部分もありましたが、長編物はやっぱり面白いです。

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