朱色の研究 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 2311
レビュー : 222
  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041913048

感想・レビュー・書評

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  • ドラマを忘れたころに読了。

    ドイルの緋色の研究を意識した題名のせいか、友人に勧めようとすると「朱色?緋色でしょ。何言ってんの」とかさんざん言われたのは嫌な思い出…(笑)


    夕焼け、日本人にとって故郷や心の落ち着く場所を意識させるものですが、今回は「夕焼け恐怖症」ともいうべき女子大生が登場。夕焼け=朱色ということで、朱色を見ることさえNG。ひょっとすると心が安らがない様子を表していたのか…。そう考えると、最後のセリフは彼女がやっと安らぎを手に入れることを暗示していたような気もするのですが



    …なぜカットされた^^;

  • 夕暮れの切なさを感じさせる、
    全体的に夕日色に染まった作品。

    トリックや犯人についてはそんなに驚きはなかったけど、
    色彩の美しさがとても印象的だった。

    殺人の動機も切なく純粋。
    シリーズの中でもだいぶお気に入りの作品です。

  • 作家アリス&火村先生シリーズ第8弾。情景が美しくて切なくて、ただのミステリーではない大好きな本。電車の中で、アリスと火村先生の生徒が2人で話をする場面が好き。

    • りいこさん
      探偵は巫女となりって場面ですね。私も強く感銘を受けました。ぼろぼろになるほど読みこまれたとの事、私も久しぶりにまた読み返したくなりました。
      探偵は巫女となりって場面ですね。私も強く感銘を受けました。ぼろぼろになるほど読みこまれたとの事、私も久しぶりにまた読み返したくなりました。
      2012/06/13
    • jardin de luneさん
      シリーズ自体大好きですが、この本は格別ぼろぼろです(笑)何度読んでも飽きません。
      シリーズ自体大好きですが、この本は格別ぼろぼろです(笑)何度読んでも飽きません。
      2012/06/14
  • おそらく、今までに読んだミステリのなかで一番好きな作品だと思う。なにが好きかといえば、トリックでも全体のストーリーでもない。私の心をとらえたのはひとえに、犯人の動機だ。なぜ、その犯人が最初の殺人に至ったのかというその動機に尽きる。彼は、彼女に愛されていた。そして、彼女は彼を必ず手に入れるといった。彼はそれを恐怖した。彼にはほかに好きな女性がいた。それでも、そう断言した彼女に惹かれていく自分がいた。それに彼は畏怖を覚えた。そして、彼は彼女を殺した。この動機こそ、この作品を愛する理由だ。また、途中、日想観を思い起こさせる補陀落渡海などの夕焼け信仰への解釈が差しはさまれ、それが犯人を殺人へと駆り立てた状況を演出しているという部分も興味深かった。全編を通し夕焼け、夕焼け色がキーワードとなっている。すべてを朱く染める夕焼けはたしかに畏怖を煽り、神秘を感じさせる。

    • jardin de luneさん
      私もこの本は大好きです。どれくらい好きかと言うと、持っている本の中で一番ぼろぼろです。どうしよう新しく買おうか、とおもいつつもそのぼろぼろさ...
      私もこの本は大好きです。どれくらい好きかと言うと、持っている本の中で一番ぼろぼろです。どうしよう新しく買おうか、とおもいつつもそのぼろぼろさ加減が愛おしくてしかたありません。
      有栖川有栖の、ミステリとしては本格なのに、さらに情景がとても丁寧に描かれるところが大好きです。
      2012/06/12
  • どうしてさっさとレビューを書かなかったんだろうと思ったけれど、たしか長い感想を書き終わったあとすぐに消してしまってショックすぎてほったらかしにしてたんだった。
    ミステリとしてもかなり好きな内容だった。ドラマの前に読み切ろうと頑張った記憶が。噂の新婚ごっこもあっさりしつつ面白かった。二人の掛け合いが絶妙。こんな親友ほしい。
    生徒の秘密の告白から、事件は動き出し、二年前、五年前のふたつの事件がつながっていく。そこに隠された恋と呼ぶには幼いような感情が、それでも存在を否定されなかったことはアリスの存在が大きかったのかなぁ。
    火星の話、素敵な未来だ。

  • 初版本で読んだ記憶があったが、最近見たら表紙が変わっていて面食らった
    新装版はなんかサイケ…

  • 火村ゼミの学生が火村に持ち掛けた相談―2年前の殺人事件から始まる謎。
    そのゼミ生、貴島朱美をはじめとしたメイン人物の深く内面が描かれ、話が進むにつれて強く惹かれていく。
    最後の場面も明るい中にもどこか寂しさを感じさせ、本を閉じたとき、しばらく読後感をかみしめたい気持ちになる名作長編。
    火村が犯罪を研究する謎の一端に触れる、「夢」について言及される場面も。また、後半、火村とアリスの「それは、いいんだ」「うん、それはええ」とのテンポよい思考のキャッチボールが心地よい。
    「優れた本格物には、不思議と悲しみの感覚が漂っている」(解説)―まさにそんな気分を味あわせてくれる。

    主な現場:オランジェ夕陽丘、周参見の別荘
    警察サイド:大阪府警船曳班、鮫山警部補、森下刑事
    時期:11月20日~

  • 火村先生のゼミに所属するある学生が、火村に迷宮入りになりかかっている2年前の殺人事件を解いてくれと依頼する。
    その依頼を受け動き出した火村とアリス。
    更に不可解な殺人が巻き起こる。


    朱一面に染まった風景が大変印象的。
    「世界の終わりみたいだ」と形容される程禍々しい夕焼けの場面。
    他にも、この長編には朱色だらけ。
    様々な所で朱色が効果的に使われている。


    トリックや犯人を導き出す過程はとても論理的で納得しやすい。
    だけどもその動機は感情的で、私には共感ができない。
    できないけれども、切なくて悲しいと思う。
    自分の心の一番神聖な部分を侵されそうになるのはとても辛いんだろう。


    トリックを解いて犯人をたたき落とす火村と、その動機を理解して共感するアリス。
    その構造がとても巧みだった。
    そして様々にちりばめられた伏線。
    些細な部分の引用も小さな伏線で、そういう意味で使ったのか!とびっくりする。

  • こんな理由で人を殺したりすることあるんかな?と思いますが
    最後の犯人とアリスとの会話シーンが好き

  • 有栖川ミステリは、ロジックを駆使する本格派でありながら、いつも、仄かに切ない。人間模様かロジックか、の二択を常に迫られるミステリというジャンルを、ほんの少し自由にする。そんな著者の筆致がよく現れた、情緒ある一編。

著者プロフィール

有栖川 有栖(ありすがわ ありす)
1959年、大阪市東住吉区生まれの小説家・推理作家。有栖川有栖・創作塾の塾長。
同志社大学法学部法律学科卒業後に書店へ就職。それまでも学生時代から新人賞や雑誌への投稿を繰り返していたが、1989年江戸川乱歩賞に投稿した『月光ゲーム Yの悲劇 '88』が東京創元社編集長の目に止まり、大幅に改稿した上で刊行し、単行本デビューとなった。1994年、書店を退職して作家専業となる。1996年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)受賞。1999年から綾辻行人と共作でテレビ番組『安楽椅子探偵』シリーズ原作を担当する。
2003年、第56回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞した『マレー鉄道の謎』、2007年発表作で「本格ミステリ・ベスト10」で第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」で第3位、「黄金の本格ミステリー」に選出と高く評価された『女王国の城』など、多くの作品がミステリ賞で高く評価されている。
2000年11月より2005年6月まで、本格ミステリ作家クラブ初代会長を務める。

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