ジュリエットの悲鳴 (角川文庫)

  • 角川書店 (2001年8月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041913055

作品紹介・あらすじ

人気絶頂のロックシンガーの一曲に、女性の悲鳴が混じっているという不気味な噂。その悲鳴には切ない恋の物語が隠されていた。表題作のほか、日常の周辺に潜む暗闇、人間の危うさを描く名作を所収。

みんなの感想まとめ

多様な短編が収められたこの作品は、さまざまなテーマを通じて人間の感情や暗い側面を巧みに描き出しています。特に、表題作では人気ロックシンガーの一曲に隠された女性の悲鳴が、切ない恋の物語を浮かび上がらせ、...

感想・レビュー・書評

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  • 文庫版で再読。
    世にも奇妙な物語的な幻想的な話もあり、犯人側からの倒叙モノあり。シリーズものは含まない短編集。
    どの話も素敵。
    特に好きなのは「落とし穴」と「夜汽車は走る」、そして表題作かな。
    ショートショートの「幸運の女神」も好き。

    表題作はコンサートの描写が素敵で、是非ともまたこういうシーンのあるお話を読ませていただきたい。ロミオが主人公を部屋に招いてまで語ったのは、消えないジュリエットへの後ろめたさを誰かに吐き出したかったからなのかな。
    最後のロミオの悲鳴が切ない。

  • 2022/11/2読了(再読)
    初読は、おそらく2001年。有栖川有栖のノンシリーズものの短篇集を読んだのは、これが初めてだったのではないか?

  • 有栖川有栖の短篇ミステリ小説集『ジュリエットの悲鳴』を読みました。
    有栖川有栖の作品は昨年6月に読んだ『暗い宿』以来ですね。

    -----story-------------
    読者諸君へ、12の挑戦状! 
    めくるめく謎と恐怖とブラックユーモア……有栖川有栖がおくる、異色にして華麗なるミステリ短編集! 
    人気絶頂のロックシンガーの一曲に、女性の悲鳴が混じっているという不気味な噂が…・。
    その悲鳴には切ない恋の物語が隠されていた。
    表題作の他、日常の周辺に潜む暗闇、人間の危うさを描く名作を所収。
    新本格ミステリの旗手、有栖川有栖の短編、ショートショート12作品を集め、スタンダードなアリバイ・トリックからギャグ・ミステリまで、バラエティに富んだ短編とショートショート十二作品を収録し、有栖川有栖の魅力の全貌を伝える傑作ミステリ集。
    -----------------------

    1990年(平成2年)から1998年(平成10年)に発表された短篇、ショートショートのうち単行本未収録で、シリーズ・キャラクターが登場しないものばかり12篇を収録した作品です。

     ■落とし穴
     ■裏切る眼
     ■Intermission1:遠い出張
     ■危険な席
     ■パテオ
     ■Intermission2:多々良探偵の失策
     ■登竜門が多すぎる
     ■Intermission3:世紀のアリバイ
     ■タイタンの殺人
     ■Intermission4:幸運の女神
     ■夜汽車は走る
     ■ジュリエットの悲鳴
     ■あとがき
     ■文庫版あとがき
     ■解説 福井健太

    めくるめく謎と恐怖とブラックユーモア…… スタンダードなアリバイ・トリックからギャグ・ミステリまで、バラエティに富んだ短篇とショートショートが収録されていました… そんな中で最も印象に残ったのは、ミステリ作家を主人公に、ミステリネタのギャグが詰め込まれた爆笑モノの『登竜門が多すぎる』かな、、、

    ホントに笑えましたねー 特にミステリネーミング機「名付け親(ゴッドファーザー)」に出てくる不適タイトルは爆笑でしたね… 同じく作家を主人公にした作品として天啓を待つ小説家のイメージをシニカルに描いた『パテオ』も収録されており、自虐ネタ?として愉しめました。

    あとは、

    意外な落とし穴により、殺人犯の計画が破綻するプロセスを描いた倒叙ミステリでブラックユーモア的な『落とし穴』、

    列車内での毒殺トリックを扱い、作家の妻が夫に対して「爪が甘い、と言っていた審査員の先生もいたわ」というゾクっとするひと言で幕を閉じる『危険な席』、

    夜汽車に揺られながら語り手が回想する断片的なストーリーから浮かび上がる語り手の半生… 謎と解明を独特の雰囲気で愉しめる『夜汽車は走る』、

    の3篇が印象に残ったかな… 日常の周辺に潜む暗闇、人間の危うさを描く愉快で奇妙、美しくも危険な12篇を愉しめました。

  • いろんなパターンの短編が入っていて、最後まで飽きなかった

    有栖川有栖の文章は、個人的にすごく読みやすいと思う

  • お恥ずかしながらこの人の作品はシリーズ物ばかり読んでいて、この作品を読んだ切っ掛けが「幻坂」や「赤い月、廃駅の上に」などのシリーズ物以外を読んで「こういう小説も面白い!」と思ったからだったり。 個人的には「夜汽車は走る」と「ジュリエットの悲鳴」が好み。両作品とも登場人物の悲哀や感情の起伏が上手い具合に描写されているところが好き。ミステリ的な感じとしてクスッときたのは「世紀のアリバイ」かな。

  • 普段読んでいるシリーズとは全く違い、正直面喰いました。でも読んでいるうちにこの不思議な短編ひとつひとつに引きずり込まれ、いくつかは余韻を楽しんで初めから読み直したものも。推理小説というより綺麗なオチのついたショートショートと思え、この作家さんのすごさを感じました。たまにはこういうのもよいです。ただ、私の好みはやっぱりシリーズの方かな…。

  • 2019/4/21

  • 小説

  • ショートショートを含む十二編が収録されたノンシリーズの短編集。
    有栖川さんらしいロジカルな推理は控えめなので、そちらを期待された方は肩透かしかもしれません。
    ですが、シリーズものでは味わえない雰囲気を持つ作品もあり、バラエティに富んだ内容が楽しめる一冊だと思います。
    印象に残った作品は「パテオ」、「登竜門が多すぎる」、「ジュリエットの悲鳴」の三編。
    特にパロディ要素満載の「登竜門が多すぎる」には大いに笑わせていただきました。
    あとがきで触れられていた本格的なロック・ミステリは私も是非読んでみたいです。

  • ノンシリーズの短編集。

    落とし穴


    裏切る眼


    遠い出張


    危険な席


    パテオ


    多々良探偵の失策


    登竜門が多すぎる


    世紀のアリバイ


    タイタンの殺人


    幸運の女神


    夜汽車は走る


    ジュリエットの悲鳴

  • 著者の鮮やかな論理が光る本格が大好きな身としては少し物足りない。「危険な席」は好きなタイプだった。

  • 『落とし穴』
    キセル乗車が折り合いの悪い同期・鬼頭にバレ、圧力がかかる苗川。休日出勤でアリバイを作り鬼頭を殺害する。犯行現場近くで大学時代の友人・大堀を見かける。大堀を追う男たち。大堀の職業の秘密。

    『裏切る目』
    三年前に死んだ従兄弟・和俊の妻・千里の誘いで別荘にやって来た京助。階段から転げ落ちた和俊の死。京助の持ってきた緑色のスライムを見た千里の反応。色盲の京助。色盲に隠された秘密。

    『遠い出張』
    出張中に飲みすぎて道路に寝転んだ男。目が覚めると死んだはずの前社長が目の前に。

    『危険な席』
    出張からグリーン車で帰宅した朋彦。ひとつ前の電車の同じ座席で殺された男。妻の加津子が自分を殺すために仕掛けた罠ではないかと疑う朋彦。

    『パテオ』
    スランプ中の作家・虻田。出版パーティーで仲の良い作家たちと二次会に出掛ける。パーティーのあったホテルのバーで交わされる会話。小説ねアイディアを授けるパテオの夢。ホテルに泊まった虻田が見たパテオの夢。

    『多々良探偵の失策』
    密会現場を押さえるために送られてきたファックス。ファックスに書かれた場所の秘密。

    『登竜門が多すぎる』
    ある新人賞に応募しようと準備する作家を目指す野呂茂夫の元を訪れた目羅と名乗る男。推理小説を書く上で役に立ちそうなソフトを茂夫に紹介する。

    『世紀のアリバイ』
    金貸しのピート・カッシングの殺害事件。クーパー刑事は金を借りていたウィルバーとオービルの兄弟に目をつける。兄弟が発明した物とは。

    『タイタンの殺人』
    タイタンで起きた殺人事件。被害者はエイリアンと取引を行うロービンソン。警備室に助けを求めた直後に射殺された被害者。直後に消えた照明。容疑者はグレイ型、鳥人間型、タコ型のエイリアン。

    『幸運の女神』
    海外からある女性と会話をする男。重大な決断の手助けを求める。男の正体は。

    『夜汽車は走る』
    夜汽車にのる男。汽車にのり見知らぬ駅に行った幼い頃の思い出。思い出を否定する母親。謎を解いた友人の井出。大学時代に知り合った翔子との結婚。井出と翔子の関係。男の殺人計画。夜汽車でのおもい。

    『ジュリエットの悲鳴』
    人気バンドのボーカル・ロミオにインタビューする君原由岐絵。彼の楽曲の中から聞こえる悲鳴。「ジュリエットの悲鳴」と呼ばれる悲鳴。ロミオの過去の恋愛。ロミオとジュリエットはどちらが慌て者か?

  • 「落とし穴」
    アリバイ作りで外出たら、あらまあテレビカメラに写っちゃいましたよ(ドラマの撮影)、という落とし穴。
    現実でもありそうなシチュエーション。

    「裏切る眼」

    「遠い出張」

    「危険な席」

    「パテオ」

    「多々良探偵の失策」

    「登竜門が多すぎる」
    「世紀のアリバイ」
    「タイタンの殺人」
    「幸運の女神」
    「夜汽車は走る」
    「ジュリエットの悲鳴」

  • 人気絶頂のロックバンドの歌に忍び込む、謎めいた女の悲鳴。ヴォーカリストが語りはじめる悲劇の真相とは……。(『ジュリエットの悲鳴』)
    夜、列車に揺られる男の脳裏をよぎる、夜汽車をめぐる過去の情景。我に返ったとき、男は自らにじわじわと迫る危機に気づく……。(『夜汽車は走る』)
    スタンダードなアリバイ・トリックからギャグ・ミステリまで、バラエティに富んだ短編とショートショート十二作品を収録し、有栖川有栖の魅力の全貌を伝える傑作ミステリ集!

  •  短編集。「落とし穴」「裏切る眼」「遠い出張」「危険な席」「パテオ」「多々良探偵の失策」「登竜門が多すぎる」「世紀のアリバイ」「タイタンの殺人」「幸運の女神」「夜汽車は走る」「ジュリエットの悲鳴」の十二作品を収録。推理小説に限らず、幻想小説のような作品やSSなど種類が豊富な短編集でした。

     著者の作品は、主にシリーズものが好きで読んでいたのだけれど、ここ最近はノン・シリーズを開拓中。そんな中で、シリーズものを書いている著者とはだいぶ異なるイメージの作品が多く納められている作品で、こういう物語も書けるのか、と思いました。
     挑戦状が差し込まれているものの、SF世界になっている「タイタンの殺人」だったり、表題作「ジュリエットの悲鳴」は幻想小説らしい内容のものだったり、「登竜門が多すぎる」のコメディ作品だったり。
     特に「登竜門が多すぎる」は普段の著作品から感じ取れない内容ばかりで、これにはだいぶやられました。電車の中で読んでいたので、笑いをこらえるのが必死でした。だいぶ冒頭から怪しいなー、と思ってたのですが、後半ぐらいに登場する「夏樹静子の足の裏」で完全にもってかれました。これはその一つですけどね!
     普段の著者とは異なる世界を見れた楽しい作品でした。

  • (要再読)

  • ノンシリーズの短編集。
    有栖川さんの本は短編も十分楽しめるので、個人的にとても相性がいいのだろう。
    この本はバラエティー豊かで、どれも面白い。
    登竜門が多すぎるが、個人的ベスト。
    ソフトのところで思わず声を出して笑ってしまった。久しぶりの経験だった。
    あとは短編にも読者への挑戦状が入っていて不意打ちをくらってもう一回読み返したものも(笑)

  • なぜかよくわからないけど、すごくお気に入りな短編集。
    切なく物哀しいお話が多かったような…久しぶりに再読したいなあ。

  • 12篇の短編集、うち4篇は「Intermission」というくらい短い。著者の作品はシリーズものを中心に読んでいるので、シリーズ・キャラクターが絡むと書けないものを書いたという本書はなんだか違う人の作品を読むようで不思議な感じ。表題作狙いで書いたという「ジュリエットの悲鳴」は、「書名としてカッコイイんじゃないか」とあとがきに書かれていて微笑ましいが、内容もカッコよかった。

  • 短編とショートショート集。
    ミステリ、サスペンス、ギャグ、SFなどバラエティに富んでいて飽きなかった。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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