- Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041916049
感想・レビュー・書評
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駆け出しのミステリー作家・仁科美里のもとに、読書からのファンレターが二通届けられた。片方の差出人は、中学を卒業してから音信不通だった友人・柚子。そしてもう一通は、「愛読者」と名乗る謎の男からの不気味な手紙…。この二通の手紙をきっかけに、美里の生活は大きく変わっていく。美里に近づいてきた柚子の真意は、そして「愛読者」の正体は?驚愕のラストへ向けて読者を誘う、傑作サスペンス・ホラー!
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内容
駆け出しのミステリー作家・仁科美里のもとに、読者からのファンレターが二通届けられた。片方の差出人は、中学を卒業してから音信不通だった友人・柚子。そしてもう一通は、「愛読者」と名乗る謎の男からの不気味な手紙…。この二通の手紙をきっかけに、美里の生活は大きく変わっていく。美里に近づいてきた柚子の真意は、そして「愛読者」の正体は?驚愕のラストへ向けて読者を誘う、傑作サスペンス・ホラー。 -
ホラーというよりもミステリーですかね。
短編小説で文学賞を受賞し、ようやく作家の一歩を踏み出した主人公の女性が、ちょっとしたエッセイを書いたところ、2通のファンレターが舞い込む。1通は中学の先輩、もう一通は嫌がらせ…?
吉村達也の書きそうなストーカー小説。破綻もなくそこそこまとまっており、非常に読みやすいので、角川ホラーにしてはまあいいほうなんじゃないの?と言うのは前半。
後半は世界が全然広がらないし、主人公は悲劇のヒロインを演じ続けて逃げたり努力もしないので、ほぼ作業的に読み続ける話となる。つまり、出オチの小説ということだ。
誰だか、「男性作家は女性描くときに、聖女・母性・娼婦の3パターンしか描けない」と書いた人がいるが、それなら女性作家は「父・ヒーロー・ストーカー」しか描けない。いずれにせよ、実生活で父母とうまく行ってなかった人にとって、母性と父が描けないわけで、例に漏れず「父」が出てこない。その結果、広がりも深みもない薄っぺらい人間関係になってしまった。
また、最後に付け足しされる「前世の記憶」って必要か?それだけで読後に気持ちの悪さ(ホラーという意味ではなく、辻褄が合わない意味)が残って減点。 -
「愛読者」と名乗る相手からのファンレター、と
もう一通のファンレター。
小説家がその見えない相手におびえる理由は?
そして、その相手が動き出すとしたら。
事実は小説よりも奇なりとは言う物の、そんなことが怒るはずがないと思っている主人公に次々起こる出来事。
つながった! と思った事実が実は少し軸がずれているのかも知れない、と気付いたとき、訪れる恐怖とは。
なんで読んじゃったんだろ。こわかったわぁ。 -
新津きよみさんは狂った女(ただし、社会生活はきちんと送っている)を書くのが上手い。しかし本書で最も面白かったのは、作家である主人公の昔の同級生が、主人公の書いた小説の登場人物を自分だと思い込み、逆恨みするところ。この手の自意識過剰な人間はとても多いのでリアリティがあるなぁと思いながら読んでしまった。
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作家に対する「愛読者」の狂気というアイデアは面白いと思うが、作為的すぎる展開がどうもいまいち。説明的すぎるエピローグにも肩すかしをくらった。
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ミステリー作家の主人公に届いた2通の手紙・・。
さらっと読みやすいホラー。
どっちかというとサイコサスペンスかな。
面白くて一気読みでした。
でもラストがちょっと微妙・・かな。 -
/?day=20070520
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仁科里美としてようやく1冊本を出し、ミステリー作家としてデビューした坂井美佐。しかし雑誌のエッセイで、作家になったきっかけを"中学生の頃に出会った先輩の影響。彼女は恩人"だと書いたばっかりに・・・。届いたファンレターはまさにその先輩からのもの。実はそこまで恩人とは思っていなかった美佐は気がすすまなかったが、せっかく手紙をくれたのだしと会ってみてびっくり。彼女は里美の作品をびっしり校正したものを持ってきただけではなく、すでに専属モニターきどりであった。
昔の後輩と自分の亡くした子供や妹を重ねて執着する柚子の狂気(気持ち悪さ)はよく出ていたと思うのだが、この美佐の中途半端な態度がとにかくイライラしてしまって、ホラーというのはかすんでしまったなぁ。あと、作中に出てきた名前が自分と同じというだけで(漢字も名字も違い、しかも官能小説でフィクション、別に売れている作品でもない)、そこまで恨みをつらねる昔の同級生というのが全く理解できず。こじつけすぎだろう、それは。最後の生まれ変わりうんぬんの話も、怖さの後押しにはならなかったなぁ。