蟲 第1回日本ホラー小説大賞佳作作品 (角川ホラー文庫)

  • 角川書店 (1994年4月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (305ページ) / ISBN・EAN: 9784041932018

みんなの感想まとめ

心理的な恐怖と人間関係の微妙な変化を描いた作品は、特に女性の心の葛藤を巧みに映し出しています。登場人物たちが直面する様々な心理状態や、彼らの関係性の変化は、日常の中で見失いがちな小さな幸せを再認識させ...

感想・レビュー・書評

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  • 虫、を背景において女性が陥りやすい心理状態を上手く映してるなぁ。という印象。人もその関係性も、その時の状態で色々と変化していくものだし、ごく自然な事でもあるのに、そこに猜疑が生まれてしまう。でもそんな変化なんてちっぽけなもので、大切な人が変わらず、健康に、生きていてくれる。そして、共に日々を営んでいく。そういう些細な幸せを見失ってしまうのが人間であり、特に女性は私も含めて、欲張りになっていく部分が大きくなってしまうのだろうな、と。

    とはいえ、虫注意。

  • 第1回ホラー小説大賞の佳作作品。
パートナーにひたすら察すことを求める主人公の独白がくどい。ひと昔前の女性の悪しきステレオタイプそのものじゃないかとイライラしながら読んでいたら、どうもそれがサイコホラー的装置であることが示唆され感心、が待てよそうするとこれまでの心霊ホラー的展開と民俗学的展開は一体どうなるんだろうと思いきやあらビックリ、どっちにも振り切らないまま全17章+エピローグ/プロローグが終わってしまった。
他作品を引き合いに出すのもなんだけど、近い着想の貴志祐介先生の『天使の囀り』って完成度高かったなと思う。

  • 久々に怖いものを読んだ。この本のイメージや描写が大変恐ろしい。イメージを誘発する力が並ではないのだ。すぐそこにありそう、とでも言えばいいだろうか。自分は本当に大丈夫かと疑いたくなった。
    合間に挿入される国際事変、その不穏さと登場人物たちの遭遇する怪異、これが絡み合って絶妙で独特な世界を生み出している。中盤を越えたあたりから結末が知りたくてどうしようもなくなった。展開もさることながら見事な結末が脳裏に焼き付く。

  • 気持ち悪い虫がメインのホラー小説かと思ったが虫は一要素に過ぎないお話だった。
    前半の主人公の人物像や周りとの人間関係の描写がくどい。
    後半になって"次第に虫に追い込まれていく切羽詰まった主人公"を書きたいのだと理解したが、その要素もそこまで感じ取れず、恐らく山場であろうホラーの場面も短い。

  • 20240917
    虫ではなく蟲
    心理的精神的なホラー
    優しい無関心

  • 気持ち悪い(褒め言葉)
    すごく面白かったけど終わり方が難しかったなぁと

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/TW00114899

  • 体内に心に巣食う常世蟲に人間は勝てない。あれだけ心地好さそうな眠気に誘われて勝てるはずがない...
    わたしだったら勝てない。
    蟲に食われるなら純一のように自覚なしで食われたい...話の中には純一の仕事中の様子は最初しかでてこないから無気力になっていく自分を感じていたかもしれないけど...そんな純一視点も読んでみたい。

    最後は救世主かと思われたカヤまでも常世蟲に食われてしまって...どうにもならず
    めぐみは常世神を産み落とし火をつけられるというダイナミックかつバイオレンスな虫送りに...

  • 【サクサクサクサクサクサクサク】

    蟲は蝕む。気持ち悪い。僕の手のひらにもベッドにも蟲は生きている。この世界は蟲が生きている世界だ。忘れてはいけないよ。

  • ホラーとしても伝奇物としてもちと弱いかな。死国が全体的にとても面白かったので。

  • 先日55歳の若さで亡くなつた坂東眞砂子さん。所謂ホラア小説はあまり読まないこともあつて、彼女の小説は未読でありました。
    今回、一丁読んでみませうと本屋に向ひ、代表作が何なのか分からぬので「第1回日本ホラー小説大賞佳作作品」と高らかに謳ふ『蟲』を選んでみました。

    ...本屋に勤めてゐた頃、著名人が亡くなるとその著書を買ひに求める客のことが理解できませんでした。一方の書店も「追悼フェア」なるものを催して、死者をネタに商売をする。何となくイヤでしたね。
    ところが、現在は自分が同じ行動をしてゐるなあ。これはどういふことですかな。

    タイトルは虫ではなくて蟲。三つも虫が重なると、うぞうぞとその辺を這ひずり回るイメエヂが強くなつて、まあいかにもホラー小説に相応しい。同じ字を三つ重ねる漢字は何かと迫力がありますな。「轟」とか。
    さういへば、以前佐賀県で「焱の博覧会」なるイヴェントがありましたね。その時は「あれ、ホノオつてこんな漢字だつたつけ。火が三つもあるぞ」と面喰ひました。やはり「炎」よりも「焱」の方が凄みがある。

    本題とは関係ないことを長々と失礼。
    主人公はめぐみさんといふ主婦。出産を控へてゐます。ある時、夫が出張先の工事現場で拾つた、不思議な石の器を持ち帰りました。
    それを家に置いた日から、めぐみに奇ッ怪な現象が次々と起こります。最初は気のせいだと思つてゐたが...

    導入部は中中良い。これはちよつと面白さうだ。と期待して読み続けるのですが(以下略)。
    視覚的なグロさに訴へる「ホラア」が巾を利かせてゐるのではないかといふ、常日頃わたくしが思つてゐる傾向が本書にも散見されます。
    無論さういふのが好みの人も多いのでせうが、やはり、例へばつのだじろう氏の漫画のやうに、ストオリイ自体が怖いものは背中からゾワワーとして好きなのであります。うむ。

    ぢや、また。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-154.html

  • これがホラー小説大賞佳作とは思えない文章力。自分は本当に巧いと思った。
    男と女という性を強く意識させられる、繊細で丁寧にかつねっとりと描かれた心情や思考は著者独特の領域。妄想ではないかという疑いをうっすらと持たせられながらも進行していく描きっぷりは「ローズマリーの赤ちゃん」を連想した。振り返ると、大きな流れはホラーのお手本のような展開だけれど、主人公と夫との関係が見事に小説として面白くて、そこが読みどころかな。

    作中にたびたび挿入される海外の戦争のニュースは、何となく意図がわかるようなわからないような。主人公の強迫観念的な恐怖と、社会という外部の終末的な(けれど現実感のともわない)恐怖が重なり合っている?

    あと、「かまいたちの夜2」の「底虫村編」と使用しているモチーフがほとんど同じで、もしかしてかまいたちはこちらの影響を受けているのかと思った(笑)

  • やっぱり二度目の本だった。
    内容は著者特有のジメジメした日本の感じがあり、
    更にオカルトなのか、
    精神的に病んでいっているのかわからなく
    なるないよう。

    精神的にやむって確かにその人の世界にどっぷり浸かってしまって
    周りが見えなくなっているてんでは、オカルトと同じだなと感じた。

  • どこが怖がりポイントなのかはわからず。

  • 『蟲』そのものより、主人公の妬みやすい性格や精神的な病み具合のが非常に気になりました。
    それが狙いなの?!

  • ゲロゲロでした。面白かったけどお薦めしません!!

  • タイトルに覚えがあるから読んだような気がするけれど。

  • 「蟲・・・・・・・・・・・・・・・」
    田中啓文著「蝿の王」に似てる。

  • うーん…苦笑

  • 図書館から借りました

     ホラー。
     蟲は別に、悪いもんでもないのでは??
     流産させたのは確かに悪いが。

     主人公めぐみ。妊娠中の主婦。仕事をやめたばかりで、やや鬱屈している。夫の帰りは遅く、つい酒を飲んでしまう。
     そして、夫はある日を境に変わってしまう。
     皮肉屋で、愛しているなんて言ったこともないのに。武力には武力でとか言っていたのが。
     ころりと変わって。
     優しい人になってしまう。

     ・・・別にいいんでは?? 優しくなったのだから。
     心をたべていく蟲、「常世蟲」。
     めぐみはそれを払おうとするが……。

     これのすごいところは、「めぐみの一人称」なのに、そのめぐみまでもが、常世蟲に食われているところなのです。自覚なく、友人に「優しくなった」と言われて、愕然とし、焦るめぐみ。
     この人は私を愛しているのだから、いいじゃないかと、蟲のいる夫を許容する領域にまでいきます。
     薄ら寒い「幸福感」。
     何一つ解決しないまま。

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著者プロフィール

高知県生まれ。奈良女子大学卒業後、イタリアで建築と美術を学ぶ。ライター、童話作家を経て、1996年『桜雨』で島清恋愛文学賞、同年『山妣』で直木賞、2002年『曼荼羅道』で柴田連三郎賞を受賞。著書に『死国』『狗神』『蟲』『桃色浄土』『傀儡』『ブギウギ』など多数。

「2013年 『ブギウギ 敗戦後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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