蟲 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 346
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041932018

作品紹介・あらすじ

めぐみは平凡な主婦として隠やかな日々を送っていた。ある夜、夫が古い石の器を持って帰宅。富士川のほとりで捨ったというその器には「常世虫」と彫られていた。その時から彼女は奇怪な夢や超常現象に悩まされ始める。そしてある日、夫の体から巨大な緑色の虫が這い出るのを目撃してしまった。深まる謎は、古代の俗信仰「常世神」へと遡ってゆく…。日本人の心の底に眠る恐怖を鮮烈なイメージで呼び起こす秀作。高橋克彦氏日く「私にとって忘れられない品作」。第1回日本ホラー小説大賞佳作作品。

感想・レビュー・書評

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  • 気持ち悪い(褒め言葉)
    すごく面白かったけど終わり方が難しかったなぁと

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/TW00114899

  • 体内に心に巣食う常世蟲に人間は勝てない。あれだけ心地好さそうな眠気に誘われて勝てるはずがない...
    わたしだったら勝てない。
    蟲に食われるなら純一のように自覚なしで食われたい...話の中には純一の仕事中の様子は最初しかでてこないから無気力になっていく自分を感じていたかもしれないけど...そんな純一視点も読んでみたい。

    最後は救世主かと思われたカヤまでも常世蟲に食われてしまって...どうにもならず
    めぐみは常世神を産み落とし火をつけられるというダイナミックかつバイオレンスな虫送りに...

  • 【サクサクサクサクサクサクサク】

    蟲は蝕む。気持ち悪い。僕の手のひらにもベッドにも蟲は生きている。この世界は蟲が生きている世界だ。忘れてはいけないよ。

  • ホラーとしても伝奇物としてもちと弱いかな。死国が全体的にとても面白かったので。

  • 先日55歳の若さで亡くなつた坂東眞砂子さん。所謂ホラア小説はあまり読まないこともあつて、彼女の小説は未読でありました。
    今回、一丁読んでみませうと本屋に向ひ、代表作が何なのか分からぬので「第1回日本ホラー小説大賞佳作作品」と高らかに謳ふ『蟲』を選んでみました。

    ...本屋に勤めてゐた頃、著名人が亡くなるとその著書を買ひに求める客のことが理解できませんでした。一方の書店も「追悼フェア」なるものを催して、死者をネタに商売をする。何となくイヤでしたね。
    ところが、現在は自分が同じ行動をしてゐるなあ。これはどういふことですかな。

    タイトルは虫ではなくて蟲。三つも虫が重なると、うぞうぞとその辺を這ひずり回るイメエヂが強くなつて、まあいかにもホラー小説に相応しい。同じ字を三つ重ねる漢字は何かと迫力がありますな。「轟」とか。
    さういへば、以前佐賀県で「焱の博覧会」なるイヴェントがありましたね。その時は「あれ、ホノオつてこんな漢字だつたつけ。火が三つもあるぞ」と面喰ひました。やはり「炎」よりも「焱」の方が凄みがある。

    本題とは関係ないことを長々と失礼。
    主人公はめぐみさんといふ主婦。出産を控へてゐます。ある時、夫が出張先の工事現場で拾つた、不思議な石の器を持ち帰りました。
    それを家に置いた日から、めぐみに奇ッ怪な現象が次々と起こります。最初は気のせいだと思つてゐたが...

    導入部は中中良い。これはちよつと面白さうだ。と期待して読み続けるのですが(以下略)。
    視覚的なグロさに訴へる「ホラア」が巾を利かせてゐるのではないかといふ、常日頃わたくしが思つてゐる傾向が本書にも散見されます。
    無論さういふのが好みの人も多いのでせうが、やはり、例へばつのだじろう氏の漫画のやうに、ストオリイ自体が怖いものは背中からゾワワーとして好きなのであります。うむ。

    ぢや、また。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-154.html

  • これがホラー小説大賞佳作とは思えない文章力。自分は本当に巧いと思った。
    男と女という性を強く意識させられる、繊細で丁寧にかつねっとりと描かれた心情や思考は著者独特の領域。妄想ではないかという疑いをうっすらと持たせられながらも進行していく描きっぷりは「ローズマリーの赤ちゃん」を連想した。振り返ると、大きな流れはホラーのお手本のような展開だけれど、主人公と夫との関係が見事に小説として面白くて、そこが読みどころかな。

    作中にたびたび挿入される海外の戦争のニュースは、何となく意図がわかるようなわからないような。主人公の強迫観念的な恐怖と、社会という外部の終末的な(けれど現実感のともわない)恐怖が重なり合っている?

    あと、「かまいたちの夜2」の「底虫村編」と使用しているモチーフがほとんど同じで、もしかしてかまいたちはこちらの影響を受けているのかと思った(笑)

  • やっぱり二度目の本だった。
    内容は著者特有のジメジメした日本の感じがあり、
    更にオカルトなのか、
    精神的に病んでいっているのかわからなく
    なるないよう。

    精神的にやむって確かにその人の世界にどっぷり浸かってしまって
    周りが見えなくなっているてんでは、オカルトと同じだなと感じた。

  • どこが怖がりポイントなのかはわからず。

  • 『蟲』そのものより、主人公の妬みやすい性格や精神的な病み具合のが非常に気になりました。
    それが狙いなの?!

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著者プロフィール

高知県生まれ。奈良女子大学卒業後、イタリアで建築と美術を学ぶ。ライター、童話作家を経て、1996年『桜雨』で島清恋愛文学賞、同年『山妣』で直木賞、2002年『曼荼羅道』で柴田連三郎賞を受賞。著書に『死国』『狗神』『蟲』『桃色浄土』『傀儡』『ブギウギ』など多数。

「2013年 『ブギウギ 敗戦後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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