死国 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.28
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本棚登録 : 901
感想 : 93
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041932025

作品紹介・あらすじ

二十年ぶりに、故郷である高知の矢狗村を訪れた比奈子は、幼馴染みの莎代が十八年前に事故死していたことを知った。その上、莎代里を黄泉の国から呼び戻すべく、母親の照子が禁断の"逆打ち"を行なっていたのを知り、愕然とする。四国八十八ヶ所の霊場を死者の歳の数だけ逆に巡ると、死者が甦えるというのだ-。そんな中、初恋の人・文也と再会し、恋におちる比奈子。だが周囲で不可思議な現象が続発して…。古代伝承を基に、日本人の土俗的感性を喚起する傑作伝奇ロマン。

感想・レビュー・書評

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  • 角川ホラー文庫強化月間。またホラーじゃないし。

    多分この作家(故人なのね)の代表作。死の国への禁断の扉を開いてしまって…という、神話や西洋ファンタジー風の作品。

    ただ、始まってから8割くらいは何も起こりません。ひたすら起伏のない展開で、純文学のよう。時々挟み込まれる「男」「シゲ」の視点で何か展開をしたいようで、ほとんど話は進まない。

    そういうスタイルも有るよなあと思っていたのだが、一番のクライマックスでは単にメチャクチャになっただけだった。どうやら、語彙力が足りていないようだ。

    全体に、だれをキーに話を展開させたいのかが曖昧で、キーとなりうる人物は隠居していたり入院していたりほとんど姿を見せなかったりと、配置の悪さばかり目につく。

    本筋の死者の国も、ファンタジー作品やゲームなどで出てくるような陳腐なものだし、それと絡めたい神話や言い伝えについては、語れる人物が一人しかいない。半村良の文章のほうが魅力的だ。

    岩井志麻子「ぼっけえ、きょうてえ」のはやった時期で、高知弁が新鮮だったのかね。今となっては、退屈な作品としか思えないわけで。

    余談。
    「鈍色(にびいろ)の空」という表現、女性作家の常套句だけど、これが出てくるだけで「語彙力がないのかな」と疑ってしまう。中二病ワードの一種なのかと思いますが。

  • こっち系のホラーはあまり怖くない。そうなっちゃうのか!はっきりしとけよこの面食いがぁ!って結局色濃く残るのがそこ。

  • 二十年ぶりに、故郷である高知の矢狗村を訪れた比奈子は、幼馴染みの莎代が十八年前に事故死していたことを知った。その上、莎代里を黄泉の国から呼び戻すべく、母親の照子が禁断の“逆打ち”を行なっていたのを知り、愕然とする。四国八十八ヶ所の霊場を死者の歳の数だけ逆に巡ると、死者が甦えるというのだ―。そんな中、初恋の人・文也と再会し、恋におちる比奈子。だが周囲で不可思議な現象が続発して…。古代伝承を基に、日本人の土俗的感性を喚起する傑作伝奇ロマン。 (amazonより抜粋)

  • 四国は死の国−。英語圏での13という数字が死神をあらわすものと同様に、日本では4という数が死につながる。そして四国という国の特異性。
    死人がよみがえる、四国は死の国。いくつもの暗喩に四国に関わる他作品が思い出された。
    四国という舞台の中で、本来ならば当たり前であるべき男女間の人間関係が影を落とす。

  • ホラーブームの頃に書かれたとはいえ、このタイトルと内容のせいで四国とお遍路のイメージがとても悪くなってしまった。
    ドロドロとした土着信仰はホラーにぴったりだろうけれど、東京との対比や田舎のコミュニティ等いろいろ後味悪すぎて…。
    死の国なんて言われて…四国の人、嫌だろうな。

  • 設定はよかった。情景の表現もよい。だけ。
    すごくもったいないのにあまりにひどい。
    どこかのアニメで影響を受けたんだろうな、でもその映像を自己満足で完結してしまったためにこんな小説になりました、みたいにw
    文中に出てきた四国の古代歴史?の本の方を読みたかった。
    うん、設定がよかっただけにもうひどい、笑えるくらいに酷いw
    ラスト数ページで何度も寝落ちを食らうのも珍しいwww

  • 都会から帰省してきた主人公が感じた四国の景色や方言に、終始癒やされながら読みました。
    どうなってしまうのか気になってどんどん読み進めてしまった。最後はちょっと個人的にはショックな展開で、なぜ、、、という気持ちでした>.< いつかお遍路行きたいです。

  • 坂東眞砂子の初期の長編。
    これをもって今をときめく坂東のホラーワールドが広がった先駈けとなった作品である。
    四国を“死国”に置き換え、石鎚山につながる土俗信仰をうまく絡み合わせて、壮大な物語へと展開させていく力はさすがというべきか。また、“吐息のような光を放つ蛍”なんていう表現は、思わず「うまいなぁ」と感じてしまう。

  • 日本を代表する巡礼である「四国八十八ヶ所巡り」に、呪術的要素を加えた、怪奇ロマン系のホラー小説です。日本の風習や、しきたりといった土俗的な部分に惹かれてホラーを好きになった私としては、世界観に入り込みやすかったです。

  • 小中学生の頃に深い恐怖に陥れられた映画「リング」。その続編の「リング2」と同時上映された作品が、この「死国」だった。「リング」、「リング2」は強烈な恐怖として記憶に残っているのだが、この「死国」は栗山千明の美しい黒髪と切れ目の妖艶さの印象が強く、内容を漠然としか記憶していなかったので、原作を当たることにした。

    本作は、「四国=死国(黄泉の国に最も近い場所)」の古代伝承(解釈)を基にしたホラー小説。
    高知県の矢狗村という田舎が舞台の中心。村の口寄せ巫女である照子は、亡くなった娘(莎代里)を甦らせるべく「逆打ち(=四国八十八ヶ所の霊場を死者の歳の数だけ逆に巡る)」を行う。その最中、主人公である比奈子は小学生時代に過ごしたこの村に東京から帰郷する。東京での愛人関係に悩まされる生活から離れ、静かな故郷に帰郷し、仲の良かった莎代里と再会することで心機一転を図ろうとするが、そこで知らされる莎代里の死。意気消沈する比奈子の前に初恋の相手である文也が現れ、恋に落ちる。東京での愛人関係に終止符を打ち、文也との恋を成就させたいと願うが、比奈子らの周囲で不可思議な現象が起こり、死んだはずの莎代里の気配が纏わりつく。そして今――――死者が甦る。

    「死者を甦らせること」≒「隠されたものを暴くこと」として描かれていたように感じた。前者は神を汚す冒涜的行為、後者は不用意に行ってはならない行為(「知らなければ良かった莎代里の比奈子への感情」、「愛人を見捨てた過去を思い出してしまう村の老婆」、「意識が無いと思っていた患者に対して行っていた行為を患者自身によって暴かれる看護士」など)、どちらも(程度の差はあれ)”禁忌”として。
    (作中の言葉を借りると、)生きている人は、程度はどうあれ、誰もが「亀の甲羅」を被っている(=自身を隠すことで身を守っている)。それを不用意に暴くこと、それは静かに眠る死者を起こすが如く、危険な行いなのだ。

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著者プロフィール

高知県生まれ。奈良女子大学卒業後、イタリアで建築と美術を学ぶ。ライター、童話作家を経て、1996年『桜雨』で島清恋愛文学賞、同年『山妣』で直木賞、2002年『曼荼羅道』で柴田連三郎賞を受賞。著書に『死国』『狗神』『蟲』『桃色浄土』『傀儡』『ブギウギ』など多数。

「2013年 『ブギウギ 敗戦後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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