死国 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041932025

作品紹介・あらすじ

二十年ぶりに、故郷である高知の矢狗村を訪れた比奈子は、幼馴染みの莎代が十八年前に事故死していたことを知った。その上、莎代里を黄泉の国から呼び戻すべく、母親の照子が禁断の"逆打ち"を行なっていたのを知り、愕然とする。四国八十八ヶ所の霊場を死者の歳の数だけ逆に巡ると、死者が甦えるというのだ-。そんな中、初恋の人・文也と再会し、恋におちる比奈子。だが周囲で不可思議な現象が続発して…。古代伝承を基に、日本人の土俗的感性を喚起する傑作伝奇ロマン。

感想・レビュー・書評

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  • 角川ホラー文庫強化月間。またホラーじゃないし。

    多分この作家(故人なのね)の代表作。死の国への禁断の扉を開いてしまって…という、神話や西洋ファンタジー風の作品。

    ただ、始まってから8割くらいは何も起こりません。ひたすら起伏のない展開で、純文学のよう。時々挟み込まれる「男」「シゲ」の視点で何か展開をしたいようで、ほとんど話は進まない。

    そういうスタイルも有るよなあと思っていたのだが、一番のクライマックスでは単にメチャクチャになっただけだった。どうやら、語彙力が足りていないようだ。

    全体に、だれをキーに話を展開させたいのかが曖昧で、キーとなりうる人物は隠居していたり入院していたりほとんど姿を見せなかったりと、配置の悪さばかり目につく。

    本筋の死者の国も、ファンタジー作品やゲームなどで出てくるような陳腐なものだし、それと絡めたい神話や言い伝えについては、語れる人物が一人しかいない。半村良の文章のほうが魅力的だ。

    岩井志麻子「ぼっけえ、きょうてえ」のはやった時期で、高知弁が新鮮だったのかね。今となっては、退屈な作品としか思えないわけで。

    余談。
    「鈍色(にびいろ)の空」という表現、女性作家の常套句だけど、これが出てくるだけで「語彙力がないのかな」と疑ってしまう。中二病ワードの一種なのかと思いますが。

  • こっち系のホラーはあまり怖くない。そうなっちゃうのか!はっきりしとけよこの面食いがぁ!って結局色濃く残るのがそこ。

  • 二十年ぶりに、故郷である高知の矢狗村を訪れた比奈子は、幼馴染みの莎代が十八年前に事故死していたことを知った。その上、莎代里を黄泉の国から呼び戻すべく、母親の照子が禁断の“逆打ち”を行なっていたのを知り、愕然とする。四国八十八ヶ所の霊場を死者の歳の数だけ逆に巡ると、死者が甦えるというのだ―。そんな中、初恋の人・文也と再会し、恋におちる比奈子。だが周囲で不可思議な現象が続発して…。古代伝承を基に、日本人の土俗的感性を喚起する傑作伝奇ロマン。 (amazonより抜粋)

  • 四国は死の国−。英語圏での13という数字が死神をあらわすものと同様に、日本では4という数が死につながる。そして四国という国の特異性。
    死人がよみがえる、四国は死の国。いくつもの暗喩に四国に関わる他作品が思い出された。
    四国という舞台の中で、本来ならば当たり前であるべき男女間の人間関係が影を落とす。

  • 個人的にはものすごく好きなジャンル。
    四国八十八ヶ所の巡礼?をモチーフにして
    古代伝承をふんだんに練り込んだホラー…でいいのかな?
    民間伝承-宗教-信仰については個人個人で様々な解釈があるから、どうこう言うつもりはないけど、フィクションとはいえこのような形でこれまでの歴史が変遷されてきているのも事実。
    読み物として十分満足できるし、ちょっとした揶揄っぽくも感じる。

    ま、ロマンって謳ってるのででその描写もあるけど、その部分だけがちょっと浮いてるように感じた。

  • 古代伝承を基に、日本人の土俗的感性を喚起する傑作伝記ロマン。
    率直な感想としては…四国の人は気分が悪かったのではなかろうか、ということ。
    ホラーの印象が強かったが、読んでみると意外にも恋愛要素が多い。
    そこはほんのりに留めて、もっと怖がらせ追いつめてからラストを迎える、そういう流れの方が好きだな。

  • 読ませるんだけど面白くない。登場人物がこの行動をするのにもっと説明が必要なように思う。あ、こう動いてるけど他に理由あるんだよね、と深読み(邪推)しながら読み進めるとホントにそのままだったりして。あと、郷土史家が残した資料で怪異を説明しようとするのは乱暴すぎると感じた

  • 怖い怖い読み物化と思えばそれほどでもなかった。いや、決して悪いという訳ではないですよ。

  • 四国八十八ヶ所を逆回りで巡礼すると
    死んだ娘が甦る
    死者と生者が入り混じった世界にあるのは
    永遠のモラトリアムである
    大人の自由は欲しいけれども、責任負うのはまっぴらごめん
    死国とはそういう願いの国である
    その到来が許されないのは、結局のところ生者の嫉妬かもしれないし
    頑迷さによるものかもしれない
    漠然としたホラー小説だ
    おそらく、バブル時代を人間性の死と捉える視点はあるだろう
    しかし死者の世が実在する世界観で、なぜ生と死が等価となりえないのか
    納得のいく説明はない
    ただはっきりしているのは
    生に執着する死者が、生者にとっての悪霊でしかないということだけだ

  • 四国の八十八ケ所巡りがモチーフになったホラー。八拾八ケ所を逆回りする(逆打ち)と死者が蘇るという。随分前に映画で見たはずだけど内容が抜け落ちてて、改めて原作を読んでみました。
    四国をめぐる古事記の解釈は作者さん独自の物も交じっているのでしょうか。日本は四国から始まったという解釈はとても興味深かったです。
    閉鎖的な田舎の村と、そこに住む異能の血を引く美しい娘。
    舞台はもうこれだけで整っていると言っても過言じゃない。

    舞台の矢狗村出身で、都会に出て成功した比奈子。同じく都会に出たが家庭に恵まれなかった文也。
    都会から閉鎖的な村に戻ってきて恋に落ちるこの二人のパートと、ずっと田舎暮らしのシゲばあちゃん、一人で謎のお遍路旅を続ける男のパートが順々に進み、最後に一つに繋がります。
    とくに最後まで、謎のお遍路の男が何をしているのか分からず、ハラハラしながら読み進めました。

    最後は文也まで死に、怪異の中心である莎代里も復活の兆候を見せて終わるという後味の悪さ。しかし王道。
    最高の舞台設定で王道の展開を貫く、筋の通ったホラーだと思いました。

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