狗神 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.49
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本棚登録 : 679
レビュー : 71
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041932032

作品紹介・あらすじ

美希の一族は村民から「狗神筋」と忌み嫌われながらも、平穏な日々が続くはずだった。一陣の風の様に現れた青年・晃が来なければ……そして血の悲劇が始まり、村民を漆黒の闇と悪夢が襲う。

感想・レビュー・書評

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  • 田舎の閉鎖的な、しかし美しい自然の情景が浮かんでくる。救われない話だけど自分的には好み。

  • 土俗的な風習や田舎の閉鎖性、憑き物、呪いという
    ある種の和製ホラーの方向性を位置づけた記念碑的作品
    なのだなあということを確認しながら読むような感じだった。

    物語の舞台となる村落の描写を読むたびに
    隣人・村人との不思議な距離感と村全体の閉鎖性と緊密性に覆われた
    小野不由美『屍鬼』の舞台である外場村の雰囲気との酷似を感じたし
    憑き物筋と呪いによる死は三津田信三の刀城言耶シリーズに
    通じるものがあった。

    影響を受けていないのかもしれないが、
    なんとなくそういった後に作られた作品群に
    影響を与えた傑作なのだろうなという思いを持った。

    「血」と「土」を強烈に感じさせる傑作伝奇ホラーでした。

  • 横溝作品のどろっとした部分を抜き出してモチーフにしたような作品。
    憑き物筋という家系に一生を翻弄される女性の諦観や情念がわかりやすく・でも情感たっぷりに描かれていて面白かった。
    最後まで血筋に振り回され、ついに幸せを手にすることができなかった主人公・美希の無念さに涙。

    「死国」に比べると大風呂敷を広げないし視点が主人公に固定されてるので話を集中して追えて、こっちの方がのめりこめたな。

  • 「人間の心とは、なんと変容するものだろうか。」
    かつて穏やかだった人々が、狗神騒ぎによって坊之宮家に、恐れと憎しみの目を向けていく…。
    たとえ災厄が、狗神筋によって引き起こされたものであったとしても、美希には幸せになってほしかった。

  • 高知県山間部の牧歌的な風景と裏腹な忌むべき因習・差別、閉鎖的なムラ社会が醸成するドロドロとした人間関係。

    ミステリー的な伏線回収、村を覆う悪夢の真相も含め、好みの作風だった。

  • 引き込まれるような表現であっという間に読み終わってしまった。
    地方の古い因習や、近親相姦を扱ったディープな話ではあるが、美しい文体によりおどろおどろしさよりも妖しげな魅力を感じる傑作。

  • 善光寺も高知も何度か行ってるので情景が思い浮かべること出来た。
    美希さんが不幸でかわいそうすぎる。悲しい話だなぁ。

  • まあミステリというかホラー。夏だからってこともあって読んだけど、スーパーナチュラル系だから、そこまで肝は冷やされず。相変わらず、そっち系の感度は鈍いです、わたし。やっぱサイコ系ホラーの方が怖いと思うんです、どうしても。ただ本作は、人間の怖さも同時に描き出していて、村八分(ちょっとニュアンス違うけど)の悲劇みたいな部分もあります。と書きながら思ったけど、どっちかというとそっちがメインか(苦笑)。狗神はあくまで味付けで、魔がさした人の怖さが寧ろ中心かも。小野不由美「屍鬼」の圧縮版。そんな印象でした。

  • 読んでいる時、丁度気分が下がり気味の時だったので美希の気持ちがわかる部分もある気がした。美希の悲しみと苦しみを読んで何度も目が潤んだ。こんな苦労をする人はいるものなのだろうか。昂路の言うとおり晃が狗神に化けたのは錯覚で、生まれる子供も鵺だというのも思い込みだったのかもしれない。何食わぬ顔で読んでいた私は最後の昂路の考えで、確かにそうかもしれないとスッとした。
    美希が交わる人がどれも近親相姦なのは、行き過ぎてるような気がして晃まで来ると面白いと思ってた気持ちが消えてしまった。面白いんだけど、もったいない気がして。そして、昂路が坊之宮の墓参りに来た時、あの終わり方は無理矢理感が否めないのだが。

  • 再読。序章の善光寺のお戒壇廻りは実際行ったことがあるし、怖さと物悲しさが相まって期待が高まるのになぁ。一歩を踏み出せばもっと違う生き方ができるかもしれないのに、年齢と過去の傷を言い訳に後ろ向きで他人を羨む美希にイライラ。先祖だって子孫のこんな姿見てたらイライラしちゃうよ。
    自分じゃどうしようもできない血筋のせいで憎まれるのはかわいそうだったけど、最後はやっぱり自分本位過ぎた罰でもあるんだろう。
    坊之宮一族の忘れ形見=蘇った先祖が廻り巡って村に復讐する続きがあれば、その方が面白そうだ。

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著者プロフィール

高知県生まれ。奈良女子大学卒業後、イタリアで建築と美術を学ぶ。ライター、童話作家を経て、1996年『桜雨』で島清恋愛文学賞、同年『山妣』で直木賞、2002年『曼荼羅道』で柴田連三郎賞を受賞。著書に『死国』『狗神』『蟲』『桃色浄土』『傀儡』『ブギウギ』など多数。

「2013年 『ブギウギ 敗戦後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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