葛橋 (角川文庫)

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著者 : 坂東真砂子
  • 角川書店 (2001年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041932056

葛橋 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 徳島県は祖谷渓にあるかずら橋を2度ほど訪れたことがあり、書店で本作を見かけたときにそれを思い出して購入。しかし本作はそんなノスタルジックな気分をかき消すような、少し陰鬱な気分になる中編三作が納められた作品。

    「一本樒」「恵比寿」は地方での安寧な暮らしぶりが、外界の異物ーー坂上と鯨の糞ーーによって歪まされてしまう様子が描かれている…んですかね。どちらも地方の主婦が主人公で、“香気”が意味有りげに登場するところが共通しているように思います。

    「一本樒」は昼ドラや二時間サスペンス的な印象。ストーリーの面白さよりは、樒の香気が“美しいもの”から不気味な印象に変わってしまうところが不思議と強く記憶に残っています。

    「恵比寿」はダークなおとぎ話というイメージ。欲に翻弄されて願いはかなうけどその代償に… こちらは樒の香気と同じく、恵比寿様の笑顔が不気味に感じられる、薄ら寒い気分になるお話でした。

    「葛橋」は妻を亡くした男性が主人公。ここで登場する葛橋は徳島のそれではないようですが、作りは同じく蔦のみで編み上げられた橋。イザナギ・イザナミの話と関係があるのは創作なのか分かりませんが、それを知ると葛橋の存在そのものが少し不気味に感じられてきます。

    いずれの作品も人物描写がしっかりしていて、久々に人の顔が分かる小説を読んだ気がします。ただ後味はあまり良くなく、うなだれてしまうような読後感。いつかまた葛橋を訪れる際は、本作を思い出してよりいっそうのスリルを味わうことが出来そう…

  • 読んだのはハードカバーで。

  • 表題作を含む中篇小説が3本収められています。
    ミステリーでもホラーでもないけれど、人間の心の奥深くに潜んでいる説明のできない“不思議さ”のような部分がどの話の中にも書き込まれています。

  • じっとりと嫌な感じの(誉め言葉)、なんといえばいいのか……情念に満ちた小説です。ホラー、というには少し違う気がするけど。生々しい恐怖に満ちています。
    お気に入りは「一本樒」。「悪しき実」という響きからして恐ろしいです。亡霊も怖いけれど、ありきたりながら、生きている人間、生きて「いた」人間ってのが怖いですね。

  • 中編3作。
    どれも秀作。さらりと読めるので長編作品よりいいかもしれない。
    後味の悪さはさすが。

  • ・一本樒
    ・恵比須
    ・葛橋

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