旅涯ての地〈上〉 (角川文庫)

著者 :
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感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041932063

作品紹介・あらすじ

13世紀、イタリア。元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷した時、一行の中に宋人と倭人の血を引く奴隷がいた。名は夏桂。密貿易に失敗した彼は奴隷に身を堕とし、マルコたちに買い取られたのだった。その運命は、偶然手にした一枚のイコンによって大きく変転する。イコンは当時、邪教と呼ばれたキリスト教・異端カタリ派の所有するものであり、それはキリストの「聖杯」でもあったのだ。そして夏桂は謎の女伝道師マッダレーナに導かれ、信者たちの隠れ住む"山の彼方"へと旅立つが…。荘厳な歴史ロマン大作。

感想・レビュー・書評

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  • 13世紀、イタリア。元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷したとき、一行の中に宋人(チャイナ)と倭人(ジパング)の血を引く奴隷がいた。名は夏桂(カケイ)。彼が手に入れた一枚のイコン(神を描いた板絵)が、やがてカタリ派と呼ばれる異端信仰の村に大きな波紋を投げかけ、一つの村が、揺るぎないはずの信仰が音を立てて崩壊していくのだった……。

    「傑作」の一言です。
    綿密な心理描写はもちろんのこと、坂東さん独特の「空気を描く」手法が存分に発揮された作品です。
    読むうちに13世紀のイタリアにタイムスリップしてしまったかのような錯覚に何度も襲われました。

    信仰とは何か。
    生き抜くとはどういうことか。
    何度もハッとするような言葉に出会えます。

    ちなみに私の中では、主人公の夏桂=ジェット・リーでした。
    あの寂しげで、いつも何か物言いたそうな雰囲気が…

  • 初めて読んだ時、いままでなかったぐらいに衝撃的で
    深く印象に残った。今でも、たまに夢に出てくるほど…

  • 俺、この人のやったこと、それについての考え方、絶対に許せないし、納得できないんだよね。でも、別の作家の本読んだときに、この作品の方が面白いという声を聞いて、気になった。
    一体この人がどんな作品を書くのか?てことも含めて。
    で、読んでみて、、、、、ヤラレタナァ・・・。今年読んだ中では一番かも。。。
    うーん。。。おかしいなぁ・・・・・。途中からは『罪と罰』『赤と黒』なんかと比較したりもしてたけど、ぜんぜんこの作品のが共感できるんだよなぁ。
    なんか悔しいけれど、この作品はかなり
    いい・・・。

  • 小生もベネツィアでゴンドラなぞに乗ってはきたが、確かにベネツィアの運河は臭かった。

  • 私は坂眞砂のホラー小説が大好きだから、歴史ロマン大作ということで、なかなか読むきにならなかったのだが・・・。父を宋人(中国)、母を倭人にもつ主人公・夏桂の数奇な運命の物語。マルコ・ポーロ一族の奴隷になり西の涯てへ。これってミステリ?なんて言わないで〜。人間、そのものがミステリ〜っていうことで・・・。

  • 【本の内容】
    <上>
    13世紀、イタリア。

    元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷した時、一行の中に宋人と倭人の血を引く奴隷がいた。

    名は夏桂。

    密貿易に失敗した彼は奴隷に身を堕とし、マルコたちに買い取られたのだった。

    その運命は、偶然手にした一枚のイコンによって大きく変転する。

    イコンは当時、邪教と呼ばれたキリスト教・異端カタリ派の所有するものであり、それはキリストの「聖杯」でもあったのだ。

    そして夏桂は謎の女伝道師マッダレーナに導かれ、信者たちの隠れ住む“山の彼方”へと旅立つが…。

    荘厳な歴史ロマン大作。

    <下>
    “山の彼方”に辿り着いたマッダレーナと夏桂は司教ベルナルドを訪れ、イコンを差し出した。

    その中には、『マリアによる福音書』が隠されていた。

    これこそ、カタリ派が探し求めていたものだった。

    イエスの真の言葉がヘブライ語で書き記されているこの書が、ローマ教会の手に渡り、闇に葬りさられる前に、司教はラテン語への翻訳を急がせた。

    しかし、その衝撃的な内容を知った司教は倒れ、大子ジュリアーノまでが、異端審問官への密告で火刑に処される。

    夏桂がもたらしたイコンが、一つの村を、揺るぎないはずの信仰を、崩壊させてゆく…。

    荘厳な歴史ロマン大作。

    [ 目次 ]
    <上>


    <下>


    [ POP ]
    最近会社でいろんな事をしているせいか、外に出ていない。

    もちろん旅行なんて行ってない。

    その寂しさを少しは紛らわせてくれたのかなと思う。

    マルコ・ポーロなんかがいる時代の、西の涯ての国に来てしまったなと、素直に感じてしまった。

    オモシロイのが、当時の人々が居ると思っていた悪霊、悪魔、神様なんかが、当たり前のように出て来ちゃう所。

    平気で手がある魚が捕れたり、バジリスクなんて化け物もいるし、しかも結構さらりと書いてたりもする。

    そんな風に様々な生活様式、宗教、人種なんかをごっちゃごちゃと鍋で煮て、飲まされた感じがした。

    しかも後味も不思議と良かった気がしている。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 登場人物の名前が似たり寄ったりで覚えるのに一苦労(>_<)ベネチアの風景描写が良かったo(^-^o)(o^-^)o

  • 上下巻、読了。

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著者プロフィール

高知県生まれ。奈良女子大学卒業後、イタリアで建築と美術を学ぶ。ライター、童話作家を経て、1996年『桜雨』で島清恋愛文学賞、同年『山妣』で直木賞、2002年『曼荼羅道』で柴田連三郎賞を受賞。著書に『死国』『狗神』『蟲』『桃色浄土』『傀儡』『ブギウギ』など多数。

「2013年 『ブギウギ 敗戦後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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