太平洋戦争 日本の敗因2 ガダルカナル 学ばざる軍隊 (角川文庫)

制作 : NHK取材班 
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041954133

作品紹介・あらすじ

日本兵三万一〇〇〇人余のうち、撤収できた兵わずか一万人余。この島は、なぜ《日本兵の墓場》になったのか。精神主義がもたらした数々の悲劇と、「敵を知らず己を知らなかった」日本軍の解剖を試みる。

感想・レビュー・書評

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  •  太平洋戦争を検証したNHK傑作テレビドキュメント・シリーズを文庫化したもの。第2巻の本書は、日本軍の火力軽視という点を描写する。

     なるほど、火力軽視は技術力・生産力で劣後していた日本としてはやむをえない面があると弁解できるかもしれない。

     しかし、本書が抉り出すのは、むしろ①日本軍の情報軽視、②軍隊あるいは軍人、もしくは上官を無謬なものと看做す悪癖、と考えられる内容だ。これはどう見ても弁解できないだろう。
     「学ばざる軍隊」の副題がこの悪癖を雄弁に評している。

     1995年刊行。

  • 感想は最終巻に記載。

  • ガダルカナル学ばざる軍隊

  • 学ばざる軍隊は、学ばざる組織となって、今でも日本に残っている。
    過去を検証し、作文で済ますのではなく、具体的な対策につなげていかないと、どんな組織も生き残ることはできない。

    それにしても、ここに出てくる3名の日本陸軍のエリート参謀は、まるでフィクションに登場する無能なエリート軍人の典型ではないか。逆か。彼らをなぞって典型的なエリート軍人像が作られたのか。

  • 4041954134  270p 1995・5・25 初版

  • (2007.07.11読了)(2006.07.02購入)
    「太平洋戦争 日本の敗因〈2〉」
    ひとつの大きな戦闘が終わるたびに検討会を開いて、今後に生かそうとするアメリカ軍。戦闘に破れて、失敗の原因を指摘するレポートが書かれても、マル秘の印が押され、決して後の戦闘に生かされることのない日本軍。
    戦国時代の武将でさえ知っていた孫子の言葉、「彼(かれ)を知り己(おのれ)を知れば、百戦して殆(あや)うからず」。日本軍は、アメリカ軍の状況をよく知らず、日本軍内の連携もうまく取れていなかった。「敵を知らず、己を知らなかった」日本軍の話です。
    緒戦の勝利におごり、不敗神話だけを頼りにずるずると戦い続けた。最初勝ってすぐ和平に持ち込むつもりだったのだから、行き当たりばったりにならざるを得なかったのかもしれない。

    ●ガダルカナルの戦い(3頁)
    1942年8月の米軍上陸をきっかけに始まったガダルカナルの戦いは、翌43年2月の日本軍の撤退まで半年間に及んだが、この間、日本軍が注ぎ込んだ3万1千余人の兵士のうち撤退できたのは1万人余に過ぎない。しかも戦闘で死亡したのは5,6千人といわれ、あとは、栄養失調、マラリア、アメーバ赤痢などで倒れていった。
    突撃のたびに米軍から跳ね返された日本兵は、武器・弾薬・食料の補給がないまま、ジャングルに覆われた山中をさ迷い歩き、消耗を重ねていった。
    そうした兵士たちの姿は、ニューギニア、インパール、ビルマ、レイテ島などの戦闘で、繰り返し繰り返し現れる。
    ●日本人のイメージ(45頁)
    日本人の9割は視力が低く眼鏡をかけている。その原因は漢字にある、辞書を引いたり本を読んだりするたびに眼がどんどん悪くなるからだ。米は、脱穀するときにビタミンが失われるため、日本人はビタミン不足に陥っている、そのため兵士もパイロットも鳥目や色盲ばかりそろっていて、ろくに任務が果たせない。
    「日本兵の眼鏡を割れ、さもなければ飛行機にマッチで火をつけろ」とアメリカ軍では教えていました。日本軍の飛行機は紙や木でできているから。
    (日本軍と戦ううちに、イメージは修正されていったのでしょうが、当初はこんなイメージだった。)
    ●日本陸軍の認識(60頁)
    陸軍の関心は、大陸にあり、アメリカにはあまり関心がなく、「日米戦争は陸軍の一部を出せば、もうあとは全部海軍が担当するものだ」と考えていた。
    (海上の戦いは、海軍でしょうが、島へ上陸して戦うのは、陸軍でしょう。)
    ●日米の戦い方(213頁)
    日本軍は昔から「弾の一発は国民の血の一滴」などといって、弾を無駄にしないように敵が見えたときだけ大事に狙って撃ったんです。ところがアメリカは一分間に1200発も弾幕を作るように撃って、そのうちどれか当たるだろうという考えなんですね。それも夜襲の場合は一晩中撃ってくるんです。
    (中国で戦っていたときは、がむしゃらに突撃していけば、敵は逃げた。ところがアメリカ軍相手には、いくらがむしゃらに突撃しても、圧倒的な火力の前にはどうにもならなかった。食料は、アメリカに勝ったら相手の食料をいただく作戦だったので勝てなかったから食糧不足で死んでいった。補給しようにも、一番近いラバウル基地から1000キロ離れていた。)
    (2007年7月24日・記)
    ☆関連図書(既読)
    「失敗の本質」戸部良一・寺本義也・他著、中公文庫、1991.08.10
    「太平洋戦争の失敗10のポイント」保阪正康著、PHP文庫、1999.12.15
    「日米開戦 勝算なし」NHK取材班著、角川文庫、1995.05.25

    (「BOOK」データベースより)amazon
    ガダルカナル島は、「日本兵の墓場」となった。一木支隊は、数十倍の火砲、二倍の兵力の米軍に、夜間白兵突撃を試みて、全滅した。犯すべからざる『歩兵操典』、「素質劣等なる敵にたいする、必勝の信念の勝利」という精神主義であった。ガダルカナル島の日本兵三万一千余人の内、撤収できた兵一万人余。戦死者五、六千人、大半が栄養失調、マラリヤ、アメーバ赤痢などで倒れていった。

  • ・「日本兵にとって武器とういものは、
    重機関銃から戦車まで勝利を得る手段ではなく、単なるアクセサリーにすぎない。・・・武器はあくまで歩兵の銃剣突撃の補助にしかすぎないのだ」
    ・なぜ参謀レベルまでが虚構を本気にし、語るのか

    ・精神主義、そこしか長所がないことを知ると、更にそこにすがる。

  • 「敗北したという現実の事態を認めなければ、その原因がどこにあったのかについてまともな追及は行われない。そして敗北の原因を把握しそれに対処できなければ、また同じように失敗を繰り返すほかない。」<br>読んでいる最中、日本軍の傲慢さや現状認識の欠如に嫌気がしたし、敵の攻撃や、飢餓、赤痢で苦しむ日本兵の話に胸が痛くなって、読むのをやめたくなった。しかし、実在の歴史がここにあって、これを読み、学び、二度と悲劇が起きないよう肝に銘じるのが子孫としてのわれわれの役目であると思い、最後まで読んだ。

  • ガダルカナル島は、「日本兵の墓場」となった。一木支隊は、数十倍の火砲、二倍の兵力の米軍に夜間白兵突撃を試みて全滅した。精神主義の・・・ガダルカナル島の日本兵3万1千余人のうち、撤収できた兵1万余人。戦死者5、6千人。大半が栄養失調、マラリア、アメーバ赤痢などで倒れていった。

  • ガ島戦の入門書に最適かも。<br />詳しい感想は<a href="http://zero.s79.xrea.com/zero/archives/2005/05/_2_1.php">こちら</a>

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