静かな黄昏の国 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 78
感想 : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041959053

作品紹介・あらすじ

終身介護施設の営業マンの言葉にのり、自然に囲まれた家に向かう老夫婦。しかしその施設に入所したものは、三年以内に自然死を迎えるという――(表題作)。時代を先取りした戦慄の作品集。

感想・レビュー・書評

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  • どれもやや違ったテイストで引出しの多さを感じる。
    あーーーーぞわぞわした(。>﹏<。)
    代表作とホワイトクリスマスが好きかな。

  • 不思議で、静かで、最後にはゾッとさせられるという話が8つ。

    唯一「小羊」は続きが予感できる話
    M24はその後どうなったのだろう…
    終わりを迎えたのか、それとも新しい未来に生きているのか…

  • 不気味な話が多く、呼んでいると若干(本来の意味で)気分が悪くなる。特にリトル・マーメードと表題作は食事前後は避けるのがよいかも。SFだと思うのだが、イヤミス要素もあると思われる。
    全体として退廃的な雰囲気だが、小羊だけはなんとなく期待の持てるラスト。後は後味よくないが、世界観は美しく、他の作品もよみたくなる。

  • 2014 1/23

  • 篠田節子は、前から未読の本を見つける毎にゲットしている好きな作家のひとりです。

    今回は短編集。
    前から少しホラー系の小説も書いておりましたが、今回も少しホラー系です。
    それぞれ、ぞっとするストーリーです。

    合計8編入っているのですが、みんな面白い!

    『リトルマーメード』じゃ、食べるときの少しエログロな描写や衝撃のラスト。
    『陽炎』じゃ、夢の中に入っていくような演奏シーン。
    『一番抵当』じゃ、オトコの身勝手さとそれを支えていた奥さんの怖さ。
    『エレジー』じゃ、音楽に憑りつかれた男の狂気。
    『棘』じゃ、身勝手なオトコの狂気。
    『小羊』じゃ、何かが狂った社会。
    『ホワイトクリスマス』じゃ、自信家のオトコがだんだんと壊れていく姿。
    『静かな黄昏の国』じゃ、完全に壊れた社会とそこで壊れていく人々。

    どれもこれも一級品の短編でした。
    短編のエッセンスがぎゅっと詰まってて、非常に良かったです。
    お薦めです。

  • 老人施設のお話は本当にありそうで怖くなった。篠田さんの文体って静かで美しくて惚れ惚れします。

  • 一歩踏み外せばホラーになりそうな、黄昏の雰囲気の短編集。

  • 近未来実際に起こりそうな、そんなじわじわとした怖さを感じる短編集。表題作あたりは「世にも奇妙な物語」あたりで映像化したら面白いんじゃないかな。

  • 奇妙な世界に引き込まれて一瞬で徐々にとりこになっていく。

  • 8つの物語が入った短編集。ダメな人やダメになっていく人が、本当にダメになっちゃうようなお話がいくつか。SFの要素が入ったホラーというような風情を多くの物語の中に感じました。自分は、今の環境から妙にリアルに場面が頭に浮かんでしまった表題作「静かな黄昏の国」が一番好きです。

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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