素顔のままで (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 73
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041966013

感想・レビュー・書評

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  • 25歳の二人の女性が主人公。図書館で働く「お嬢様タイプ」の優美子と、ダンサーを目指す「不良少女」のカンナがひょんなことから出会い、同居することに。
    テレビドラマでリアルタイムで観ていた。当時私は小学生だったはずなんだけど、夢中になって両親と観ていた。米米クラブのあの主題歌が流れるだけでワクワクした。文字で改めて読み返して、記憶が蘇って来た。
    安田成美と中森明菜がホントに素晴らしかった!
    二人にはちゃんと夢がある。優美子には絵本作家、カンナにはダンサー。それぞれの向上心も丁寧に描かれている。
    対照的な性格の女性なんだけど、かけがえのない親友になっていく過程も、とても自然で。
    この物語の魅力は、間違いなく二人のアンバランスでもあり、抜群なバランスのコンビネーションである。
    言い合いするシーンも魅力的だし、同じ男性を好きなってしまう淡い恋の模様も、子供ながら当時切なく感じていた。
    また、東幹久がカッコ良くて。それ以来、何故かずっと三枚目キャラを演じて入るんだけど、このドラマでは間違いなく二枚目である。
    後半、東幹久演じる一也が、優美子の絵本の才能に嫉妬してしまう場面があるんだけど、何だかそこがリアリティあるフツウの男を巧く描いているようで、印象に残る。

    またドラマも見返してみようかな。
    ラストが切ないんだけどね。これ、絶対見たら泣くな。

  • 過去の心の傷から何かに一生懸命になることを忘れていた優美子と、
    ミュージカル女優を目指しながらも芽の出ないカンナの出逢い。
    性格も育ちも仕事も正反対の2人の、友情や恋愛の物語。

    私はTVを観ないので北川さんの脚本も小説版でしか読まないけれど
    北川さんの書く物語は、小説として読んでも面白い。
    大好きな作家さん(脚本家さん)の一人。

    ドラマでの配役を一応メモしておくと↓
      優美子:安田成美 / カンナ:中森明菜
      一也:東幹久 / 卓郎:的場浩司 / 市村:鶴見辰吾
    人物(恋愛)関係は……大雑把にはこんな感じかな?↓
      卓郎 → カンナ → 一也 ←→ 優美子 ← 市村
     
    この小説で私が特に面白い(興味深い)と思ったのは、
    一也と優美子が両想いになって話が終わり、ではないこと。
    そこで終わればハッピーエンドで分かりやすい、けれどよくある話。
    でも本当は、想い合う2人が結婚しても、全てがうまくいくわけではない。
    それが何だかすごくリアルだった。
     
    前半(というか5分の4位)の、恋愛の絡みもすごく面白い。
    それぞれの立場の気持ちがよく分かるし、分かるからこそ切なく苦しい。
    そこに更に「夢」と「現実」の中で迷う気持ちも絡んで、
    私自身も考えさせられる面があった。
     
    この作品の終わり方は……ハッピーエンド、なのかな。
    悲しい気持ちもある。けれど、これが現実なのであれば
    それぞれの想いを通せたこのラストは一つの幸せの形だと思う。 

    (2010.05読了&記録)

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――

    (メモ:数年前に購入。何度も読みました。)

  • このドラマ見たいなあ。剛くん見てたんだよね。面白かったです。

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著者プロフィール

シナリオライター。早大卒。作品に「愛していると言ってくれ」「ロングバケーション」「ビューティフルライフ」「最後の恋」「たったひとつの恋」「半分、青い。」など。

「2023年 『夕暮れに、手をつなぐ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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