ブルーもしくはブルー (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 402
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041970027

作品紹介・あらすじ

広告代理店勤務のスマートな男と結婚し、東京で暮らす佐々木蒼子。六回目の結婚記念日は年下の恋人と旅行中…そんな蒼子が自分のそっくり「蒼子B」と出くわした。彼女は過去の記憶をすっかり共有し、昔の恋人河見と結婚して、真面目な主婦生活を送っていた。全く性格の違う蒼子Aと蒼子B。ある日、二人は入れ替わることを決意した。誰もが夢見る「もうひとつの人生」の苦悩と歓びを描いた切なくいとおしい恋愛ファンタジー。万華鏡のような美しい小説。

感想・レビュー・書評

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  • あなたは”自分の分身”と出会ったことがありますか?

    何を言ってるんだ、意味不明?というそんなあなた!

    では、あなたは『ドッペルゲンガー』という言葉をご存知ですか?また、そんな『ドッペルゲンガー』と出会ったことがありますか?

    さて、どうでしょう。私は最近あるテレビドラマで『ドッペルゲンガー』という言葉を知りました。それは、『前に本で読んだんだけど……分身っていうのかなあ。ひとりの人間から影みたいにもうひとりの人間が分かれて、どこか別の場所に生きてるってことがあるんだって』というまさかの”自分とそっくりな姿をした分身”が現れる現象のことです。まあ、そんな伝説か迷信のようなことをいきなり言われても…とも思うこの現象ですが、あの芥川龍之介が小説「歯車」の中で自身の分身があちこちで知人に目撃される話を残し、他にも多くの作家さんが小説に取り上げるなど、古くから多くの人々の関心をとらえてやまない現象でもあるようです。

    さて、そんな現象を正面から取り上げたこの作品。それは、選ばなかった道の先に続いていた人生を見る物語、選ばなかった道の先を歩いている自分自身の姿をそこに見る物語です。

    『片手で口許を覆い、時々唸り声を漏らしている』隣の連れを見て『私には、男性を見る目がないらしい。乱気流の中を行く飛行機で、私は唐突に気が付いた』と思うのは主人公の佐々木蒼子(ささき そうこ)。その時『天井のスピーカーから「機長のお知らせがございます」とアナウンス』があり、関東に接近する台風の影響により福岡空港へ着陸することになった搭乗機。『おいおい待ってくれよ。俺、明日から仕事なんだよ』と言う連れに『大したことではないのに。この人はなにをおろおろしているんだろう。どうしてもっと、どっしり構えていられないのだろう』と不満に思い『不倫相手も選び間違えた』と考える蒼子。『あと一時間で福岡へ着く』、『そこには懐かしく、苦い思い出があった』と思う蒼子は『ちょっと観光してから帰ろうと思』うと彼に告げます。『そんなあ。蒼子さん、ひどいよ』と不満げな連れ。『私はかつて、この人が好きだった』というその連れの牧原とは『四年前に知り合った。バイトで入ったデパートの婦人服売り場に牧原はいた』という始まり。『私が結婚していることは牧原も最初から知っていたし、それをどうこうとはふたりとも言わなかった』という二人の関係。しかし『可愛いと思っていた年下の男が、甘ったれで卑屈な男に見えてき』たという蒼子が『サイパン旅行の前に私から切り出した』別れ話。『俺、しばらくは待ってるからさ。気が向いたら、また電話でもしてよ』と新幹線が発車してひとりになった蒼子はホテルにチェックインした後、博多の街へと食事に出かけます。『この街のどこかにかつて結婚も考えた恋人が住んでいるのだ。河見俊一という名前の、ごつくて大きな男』と七年前を思い出す蒼子。『小さな料理屋で』板前をしていた河見との出会い、そして交際のスタート。一方で『お節介な上司が、自分の大学の後輩だと紹介』した佐々木との交際も同時期に始まったという当時の蒼子。『二股をかけているという罪悪感は、思ったよりも重く私にのしかかった』というその時代。しかし河見の父親が倒れ、故郷の博多へと帰った河見。ついていくことを拒否した蒼子。そして、『それからの彼のことはよく知らない』とあの時代を思い返していた時、『私は目を見開いた。河見だった。間違いない。あれは河見だ』という再開の瞬間が不意に訪れます。しかし、蒼子に気づいていない河見は女性連れ。思わず後をつける蒼子。そして二人が分かれた後、河見に近づこうとする蒼子に『何かご用意ですか?』と連れの女性が声をかけてきました。しかし、途中で口をつぐんだ彼女。一方の蒼子も口がきけなくなる事態。『あなた、誰…?』、『あなたこそ、誰なのよ?』と二人を襲う衝撃。それは『私は、私と同じ顔をした女を、愕然と見つめた』という信じがたい光景。そんな『目の前にいる人間は、私とまるで同じだった』という衝撃的な佐々木蒼子と河見蒼子の出会いが、二人の人生を大きく動かしていきます。

    『結婚相手の選択を間違い、離婚する理由もきっかけも摑めない。情熱を注げる仕事もなければ、逃避行してしまえるような不倫相手もいない』と自分の人生に不満ばかりを抱える主人公の佐々木蒼子。そんな蒼子がかつて一時期結婚まで考えた河見俊一を博多の街で偶然に見かけたことからそんな蒼子の人生が大きく動き出していく様を見るこの作品。そんなこの作品は『ドッペルゲンガー』を扱ったファンタジーでもあります。『ドッペルゲンガー』の知識は人によっても分かれると思います。”自分とそっくりな姿をした分身”と説明されるこの現象。この作品でも佐々木蒼子(蒼子A)が博多の街で偶然に出会った河見蒼子(蒼子B)は、『似ているのではない。何から何までおなじなのだ』と、外見、そして過去の一時期までの記憶も全て同じでまさしく”分身”といった面持ちです。『ひとりの人間から影みたいにもうひとりの人間が分かれて、どこか別の場所に生きてるってことがある』とされるこの現象は『すごく難しい選択があった時に現れる』ともされています。そんな言ってみれば、”私と私の出会い”が描かれるこの作品は、その現象事態への興味深さと、どうなるのか全く想像もつかない結末への展開に、まさしくページをめくる手が止まらない!という読書の醍醐味をこれでもか!と味わわせてくれる非常に読み応えのある作品だと思います。

    そんなこの作品では、『ドッペルゲンガー』という興味深い現象を背景に、蒼子がAとBに分かれる前、蒼子が二股をかけていた恋愛のそれからが蒼子A、蒼子Bに分かれた後のそれぞれの人生として見ることができるのが大きなポイントとなっています。あなたは今までの人生の中で何らかの二者択一の選択をしたことがあるでしょうか?複数受かった大学の一方を選んだあの時、複数内定をもらった会社から今の会社を選んだあの時と、人は何かしらの選択を重ねて今を生きています。そんな今が幸せなら、あの時選択しなかった道の先に何があったかなど考えることはないでしょう。でも、今に幸せを感じていないとしたら、今に幸せを感じられなくなってしまっていたとしたら、ふと、あの時選ばなかった道の先に何があったのだろうか?そんな風に考えることがあるように思います。この作品で登場する『ドッペルゲンガー』との出会いは、まさしく、そんなあなたが選ばなかった道の先には何があったのか?を知ることのできる貴重な機会とも言えます。

    そして、この作品では、そんな貴重な機会として、自分と”分身”のそれぞれが進んだ先にあった結婚生活の”結果”が描かれていきます。そんな”結果”は『もうひとつの人生、それも正しい人生が、別の場所で営まれているのだ。私は選び間違えた。きれいな見かけに騙されて、私は欠陥車を選んでしまった』と感じている蒼子Aが味わった”結果”。そして『この河見との生活は、東京で暮らす蒼子から押しつけられたものであるとも言えるのではないか。二台ある自転車のぴかぴかの方をあちらの人が先に乗って行ってしまったので、自分は仕方なく残された錆だらけの自転車に乗って人生を走っているのではないだろうか』と考える”分身”の蒼子Bが味わった”結果”というように、いずれもその”結果”には満足していないばかりか、”隣の芝生は青い”というように、選ばなかった道の先を羨む気持ちが生まれてきます。蒼子Aだけでなく、”分身”の蒼子Bでさえもその結婚生活に大いなる不満を持っているというこの現実。その現実を踏まえ、蒼子Aからの『一カ月だけでいいから、私達、入れ替わって暮らしてみない?』という提案が物語を進めていくことになるのはある意味必然とも言えるものだと思います。

    そんな出会うはずのなかった自分の”分身”と出会ったことで一変していく蒼子の人生を見るこの作品では、『人はふたつの人生を生きることはできない。けれど、どういう訳か私にだけそのチャンスが与えられたのだ』と、この現象との出会いを”チャンス”と捉える蒼子の考え方に焦点が当たっていきます。それは、『退屈で孤独だった毎日が、どういう方向であれ転がり始めたのだ』という運命の悪戯とも言える展開です。そんなこの物語は上記した通りページをめくる手が止まらない!という読書の醍醐味を味わわせてくれる非常に興味深い展開を辿ります。ネタバレになるのでこれ以上の詳細に触れることはできませんが、『ドッペルゲンガー』というものは、あくまでファンタジー世界の産物であることに違いはないと思います。しかし、そんなファンタジー世界から、自分というものを第三者的に見つめ、そんな自分が行う無数の選択の先に何があるのか、何が見えてくるのかというとても興味深い考え方をこの作品は見せてくれたように思います。『退屈で孤独で平穏な毎日。そこへ戻るにはどうしたらいいのだろう』と考え出す蒼子が最後に見ることになる結末。それは『嘘つきでわがままで冷酷な人間。それが私だ。彼女は私そのものではないか』という自分自身を深く知る、本当の自分に出会う物語でもあったのだと思いました。そう、選ぶ人が同じである限り、選ぶ人が変わらない限り、選ばなかった道の先に広がるのはどこまでいってもその人に待つ人生を飛躍的に変えるようなものではないという現実。人生に不満を持つ人は、そんな自分自身が変わらない限り、どんな道を選んでもそこにあるのは不満ばかりの人生という現実。『ドッペルゲンガー』を描いたこの作品、それはファンタジーの舞台設定を借りた、人が自分自身を深く見つめる物語なんだと思いました。

    『人はふたつの人生を生きることはできない』という当たり前の現実。しかし、そんなふたつ目の人生の先にどんな物語が描かれたのか?とふと思う時があります。自分が生きたかもしれないもうひとつの人生の先にある物語。そして、そんなもうひとつの物語の世界に一カ月間入り込んだとしたら、そこに何が見えるのか、そこで何を感じるのか?そんな興味深い展開が描かれるこの作品。衝撃的な展開のその結末に、自分の”分身”はどこまでいっても自分なんだという当たり前のことを思い知らされるこの作品。自分とはどんな人間かを思い知ることになるその結末に、なんとも言えない感情に包まれるのを感じた、そんな絶品でした。

  • ◯超面白かった。小難しいことを考えながら読めるような精神状態ではなかったので、はてどれくらい頭に入るのか。。。と思いながら読んでいても、あっという間に読み込ませてくれた。サスペンスなストーリー展開は本当に面白い。

    ◯冒頭、男性としてはなんとも身につまされるというか、自分の恋愛でもこのようなことを相手に
    思われていたのかと思い辛くなる。なんと横道に逸れたことかと我ながら呆れる。
    ◯解説では、この作者のテーマは愛であると論じられていたが、情けない男性の代表としては、なんとも男性の居場所のない愛の小説であるなぁと思わされる。エゴとエゴが正面からぶつかり合って、どこまでもお互いが溶け合うことのない悲しい愛だとも思った。

  • なかなかの衝撃作でした。

    高給とりの夫と結婚して6年の蒼子。
    夫とはさめきった夫婦関係で、年下の恋人もいたが、恋人にはすでに別れを告げていた。
    満たされない思いを抱え、旅行の帰途、台風で福岡に途中着陸することになった蒼子は、博多の街をぶらぶらしていて、自分そっくりの女性と出会う。
    彼女は蒼子と名乗り、自分と同じ記憶を有し、昔別れた恋人と結婚して別の人生を歩んでいた。
    二人の蒼子は、1か月だけ、生活を交換することを決め、実行に移す。
    それぞれの交換生活は順調に動き出したが・・・。

    一度きりの人生。後戻りのできない人生。

    「もしあのとき、ああしていれば」「もしあのときあの道を選んでいれば」…
    一度は考えちゃったことありますよね。
    私もときどき考えます。いやなことや、うまくいかなくて悩んでるときなんてなおさら。
    この話では、プロポーズをされて振ってしまった元恋人と結婚していたもうひとりの自分と出会う。
    でも、単純に「隣の芝は青いよネ」と元さやに戻るわけでも、交換生活楽しいネ、と交換したまま終わるわけでもなく、山本文緒なスパイスがいっぱいかかった一品。
    過去にしがみついたり、今の自分を否定するだけじゃ、結局何も手に入らないし、何も変わらない。
    「もしかしたら自分が手に入れていたかもしれない幸福」なんていうのは幻想で、自分が自分である限り、行き着くところは似たような場所なのだろう。そう、自分がまず変わるしかないんだろうな。
    鏡の法則みたいな、ちょっと違うけど、この本読んで思ったのはそんな感じ。

    ホラーという怖さではないが、蒼子が本体を乗っ取られ、もう一人の蒼子を殺そうと狂気に走り出す場面はぞくっとする。
    ただ、欲深くて愛されたがりで、自分の居場所探しに必死な、誰もがなりうるそんな姿。

    最後のもうひとりの蒼子の問いかけが深いなと思った。
    「どうすれば、満たされるんだと思う?」
    なんだか身につまされる。

  • 広告代理店勤務のスマートな男と結婚した佐々木蒼子。
    けれど夫婦仲はあっという間に冷え切り、互いによそで恋人をつくるようになってしまった。
    そんな折に蒼子は自分とそっくりの女〈蒼子B〉と遭遇する。
    ドッペルゲンガーそのものの彼女は、かつて自分が佐々木と迷った末に捨てた男と結婚し、真面目で幸福な主婦生活を送っていた。
    まったくちがう性格ながらも、過去の記憶をも共有する二人はすっかり意気投合する。
    慎ましいながら夫に求められ愛されている蒼子B。
    しがらみもなく悠々自適に都会で暮らす蒼子A。
    互いの真逆の生活にあこがれた二人は、一ヶ月間の入れ替わりを決意する。

    というストーリー。
    どたばたラブコメみたいな印象で読みましたが見事に裏切られました。
    スリリングなサスペンス展開で、寝るのも忘れ一気読み。
    「もしあのとき別の道を選んでいたら」という、誰もが思い描いてしまうだらしなく甘やかな妄想に真正面から挑んだ小説でした。
    結局、どちらを選んでも自分は自分なんだ。
    何を持っていても何を失ったとしても、行き着くところは変わらない。
    現実をつきつけられました。あぁ怖かった…。

  • 「あの時、ああしていれば……」と
    過去の選択を後悔したり、
    別の人生を思い描くことが誰にでもあると思う。

    もう一方の選択をしたドッペルゲンガーに会って
    選ばなかった人生を体験できるとしたら……
    創作ならではのありえない設定だからこそ
    人間の本性が浮き彫りになるような、
    とても考えさせられる作品だった。

    とんでもない企てを計画して
    非日常に飛び込む前のワクワク感からの
    どんでん返し、狂気、絶望、怒り、
    そして驚きの結末……
    ジェットコースターのようなストーリー展開に
    思わず一気読みしてしまいたくなる。

    “余るほどの自由があれば
    心の拠り所が欲しくなり、
    強く愛されればそれは束縛に感じる。”

    どっちを選んだ蒼子も
    もう一方の蒼子を羨んでしまう所や、
    どっちの蒼子の人生も
    最後までままならない所なんかは
    「そんなもんだよなぁ」と心地よい諦念を抱かせ、
    ドッペルゲンガーのいない
    現実世界を生きる読者にとっては
    救いのようにも感じられた。

  • 広告代理店勤務のスマートな男性と結婚し、東京で暮らす佐々木蒼子。六回目の結婚記念日は年下の不倫相手と旅行中…そんな蒼子が自分そっくりの〈蒼子B〉と出くわした。
    〈蒼子B〉は蒼子と過去の記憶をすっかり共有し、蒼子の昔の恋人である河見と結婚して、真面目な主婦生活を送っていた。
    〈蒼子B〉は別人なのかドッペルゲンガーなのかそれとも別の何かなのか。
    そんな中ある日2人は、1ヶ月だけ入れ替わって生活してみることを決意した。

    10年くらい前にこれのドラマ化したのがちょっと流行ってたなぁ、と思い出しつつ読んでみた。
    ある意味ホラー、ある意味ミステリ、そしてある意味教訓のあるラブストーリー。色んな要素があって、そして何より先が気になって一気に読んだ。

    人間誰しも、あの時の選択が違っていたらどんな人生になっていたのだろう?と考えることがあるはずで、この物語の蒼子は、結婚するときに相手に迷い、そして結婚後、選ばなかった方の相手を選べば良かったと後悔していて、そんな時目の前に現れた自分そっくりな〈蒼子B〉が、自分が選ばなかった方の相手と結婚して生活していることを知る。
    そして蒼子は〈蒼子B〉に生活を交換してみることを提案するのだけど、その生活が2人の立場をだんだんと変えていく。
    選ばなかった人生に対する憧憬を抱える人も多いだろうけれど、それは選ばなかったから輝いて見えるのかもしれない。結果を知り得ないからこそ。
    隣の芝生は青い、ってよく言うけれど、その芝生を自分のものにしてみたら、そんなに青くもないことに気づくのかもしれない。

    読み方や感性によって感じることも変わりそうな気がするけど、私は怖かった。欲望というのは際限がなく、自分の望みを叶えるためなら誰かが犠牲になっても構わないと思ってしまうこともあるということが。そういう恐ろしさが、自分の中にも眠っていることを否定出来ない。

    万事うまく進んで、何もかもが自分の思う通りになる人生なんて存在しない、ということかな。どんな道を選択したとしても。

  • ないものねだりなのだろうかと、蒼子は思った。余るほどの自由があれば心の拠り所が欲しくなり、強く愛されればそれは束縛に感じる。

    誰かの役にたつこと。誰かに喜んでもらうこと。それは、自分に喜びとなって返ってくる。親切が親切となって返ってくるように。

    「自由になれたはずだった。だけどね、本当に自由になったとたん、私、死ぬほどつらかったの」

  • あの時に違う選択をしていたら…
    蒼子のように、誰しも一度はこんな想いが脳裏によぎる事があるはず。

    もし次にそう強く思った時には、この本を"戒め"にしようと思った。

    なんだか子どもの頃に読んだ童話や道徳の教科書みたい。
    読んでみてどう思った?
    …って友人たちと机をコの字に並べて熱い議論を交わしたい。笑

    選ばなかった人生に想いを馳せるよりも
    選び取った人生を大切に、自分を幸せにしてあげたい!って思えた物語でした。

  • 2020年4月21日読了。愛のない夫と愛人との関係に疲れた蒼子が博多の街で出会ったのは、あり得たはずのもう一つの人生を生きるもう一人の自分だった…。「人生をやり直せたら」「もう一人の自分と入れ替わったら」というのは古今より様々なフィクションが扱ってきた、悪く言えば手垢のついた素材だと思うが、どうオチを付けるのかが特に男性である私には予測がつきにくく意外なサスペンスフルな展開にもなり、「幸せって結局なんなんだろう」と考えさせられる苦さもあって最後まで一気に読んでしまった。「人生の重要な決断」が結婚相手選びに集約してしまうのはなんだかなーという気もするが、「どの会社を選ぶか」よりは人生を左右する決断だよな。あとこの人男選ぶ目なさすぎじゃないか…?ちゃんとした相手を選んでいればこんなことにならなかったのに。

  • もうひとりの自分がいたら。
    むむ、あたしは会いたくないな。すべてを見透かされているようで居心地悪そうやもん。
    あの時、別の選択をしていたら別の人生があったのかもと思う気持ちはわからなくもないが、たいして変わらないもんじゃないかな。
    いつも自分は正しい選択をしているのだから。

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著者プロフィール

1962年神奈川県生れ。OL生活を経て作家デビュー。99年『恋愛中毒』で吉川英治文学新人賞、2001年『プラナリア』で直木賞を受賞。著書に『ブルーもしくはブルー』『あなたには帰る家がある』『眠れるラプンツェル』『絶対泣かない』『群青の夜の羽毛布』『落花流水』『そして私は一人になった』『ファースト・プライオリティー』『再婚生活』『アカペラ』『なぎさ』『自転しながら公転する』など多数。

「2021年 『ブルーもしくはブルー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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