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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041970034
作品紹介・あらすじ
美しく生まれた女は怖いものなし、何でも思い通りのはずだった。しかし祖母はボケ、父は倒産、職場でも心の歯車が噛み合わなくなっていく。美人も泣きをみることに気づいた椿。本当に美しい心は何かを問う。
みんなの感想まとめ
美しさと強さを信じて生きてきた女性が、人生の試練に直面する姿を描いた物語は、思いもよらぬ展開に満ちています。主人公の椿は、祖母の影響を受けて自らの美貌に自信を持ち、順風満帆な生活を送っていましたが、家...
感想・レビュー・書評
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『男の子たちは私が好きだという。女の子たちは私を嫌いだと言う。どちらと付き合ったほうが楽しいかは明白だった。私には女の子の友達なんか必要なかった』。
あなたには”同性の友達”がいるでしょうか?
人によって”同性”と”異性”のどちらに友達が多いかは異なると思います。多くの人は”同性”に、より多くの友達がいるのではないかと思います。そもそも『男と女がお友達なんかになれるかい』という考え方もあるとも思います。そして、千早茜さんの「男ともだち」というまさしく書名の通り、女性に男性の友達という考え方が成立するのかどうかに向き合った作品さえ存在します。一方で、”異性の友達”に焦点を当てるのではなく、”同性の友達”に焦点を当てるとそこには何が見えてくるでしょうか?”異性の友達”がいる、沢山いると答える方には、恐らく全く見えない考え方がそこには浮かび上がってくるかもしれません。
さて、ここにそんな”同性の友達”こそ特別なものであると考える一人の女性が主人公となる物語があります。
『私にとって雛子は、生まれて初めてできた女友達だ』。
それは、そんな思いを、23歳の今を生きる一人の女性が感じる物語。『誰かと別れるときは必ず次の人を確保してからだった』と”異性の友達”を次から次へと乗り換えていく女性の生き様を見る物語。そしてそれは、『私にはこの顔しか持っているものがなかったのだ』と、自分の『美しさ』が唯一の存在価値だと思う女性に訪れる「きっと君は泣く」という瞬間を感じる物語です。
『椿、という名前は祖母が付けた』という自分の名前を『私は子供のころ』『嫌いだった』というのは主人公の桐島椿(きりしま つばき)。『この名前を好いていない母は、ほとんど私を名前で呼んではくれ』ません。しかし、椿は『十五歳の冬』にそんな自分の名前を好きになりました。それは、『誰かのお葬式』の場で『名付け親である祖母に会』ったことがきっかけでした。『変わり者だからと』祖母に会わせてくれなかった母と参列した葬儀で初めて見た祖母を『これほどまでに美しい人だとは…』と思う椿は、『ちょっとでも触ったらすぱっと手が切れてしまいそうだ。あれは刃物の美しさだ』と思い、その横顔に『ずっと見とれてい』ます。そして、『椿、かい?』、『大きくなったね』と声をかけてきた祖母に『はじめまして』と笑顔で挨拶すると『はじめてじゃないだろ。あんたに名前を付けたのは、あたしだよ』と返す祖母。『いくつになったの?高校生かい?』と言われ『中三です』と答える椿に『へえ、そうか。でもその様子じゃ、もう処女じゃないだろう』と祖母が言うと『はい。おかげさまで』と大きく答える椿。親戚たちの黒い背中が一斉に振り返る中『何を言っているの』と椿は母親に手を叩かれ、廊下へと連れ出されます。そんな椿に『あんたはあたしの若いころにそっくりだ』と呑気に笑いながら言う祖母。そんな祖母を見て『私は、祖母のように美しくなれるのだ』と思う椿。…という子供の頃の話を聞いて『面白いおばあちゃんだね』と雛子はくすくす笑います。『あるオフィス家具会社の展示会にコンパニオンとして派遣されてい』るその最終日という椿と雛子は、『半年前にこの仕事を通して知り合』いました。『最初から屈託なく私に話しかけてきた』雛子に『同性には敬遠されがちな』椿は戸惑いますが、やがて『温泉旅行にもいっしょに行』く仲となりました。『私にとって雛子は、生まれて初めてできた女友達だ』と思う椿。そんな椿は『私は自分の容姿を、才能だと思っている。能力だと信じている』、『私の能力は、きれいだということだけなのだ』と思って生きています。そんな椿は『中三のときの初体験の相手』でもある群贅(ぐんぜい)とホテルに行きますが、その後自宅の合鍵を忘れてきたことに気づき、祖母の家へと泊まらせてもらいに赴きます。『椿は美人だよ… あたしの若いときにそっくりだ』と言う祖母に『風呂に入るかい、椿』と訊かれて、思わず『あ、いいわ。シャワー浴びてきたから』と答えてしまった椿。そんな椿に『あたしの孫だもの。仕方ないやね』と祖母は返すのでした。そして、『その次の週末、父が運転する車が事故を起こした』という一大事の中『助手席には、祖母が乗っていた』という報せを受けて病院へと向かった椿。そして、『自分の容姿を、才能だと思っている』という椿の奔放な生き様が描かれていきます。
「きっと、君は泣く」という書名で1993年に刊行された後、改題で『、』が削除されて文庫本となったこの作品。今からおよそ三十年前、当時31歳の山本文緒さんの作品ということでかなり初期の作品に属します。このくらい過去の作品になると文章表現に時代を感じさせる部分がどうしても出てきてしまいます。『園田課長のネクタイ見た?すごいよね。浮世絵柄』、『父は友人らしい人と裏ビデオの話を始めた。ダビングするから三万で買わないか』、そして『破れかけたソファの横にあるスタンド式の灰皿しか見当たらなかった…煙草でも吸おう(← 病院の廊下)』といった感じで今の時代には引っ掛かりを感じる表現が散見されます。しかし、この作品ではそれがマイナスになるどころか独特な雰囲気感を醸しだしています。今の世にわざとこういった過去の時代を設定して書かれた作品もありますが、上記したような日常の何気ない描写は作家さんの目の前にある現実をそのまま描写している分、とてもリアルで、良い味を出していると思います。
一方で、時代の強烈さを感じたのが次の表現でした。『男の人の中には、私達のような”きれいどころ”には、いくらでも気軽に触っていいものと思っている』と当たり前に書かれるその表現。『私の場合、肩も背中もお尻も、もう触られ慣れて何ともないのだが、さすがに初対面の人間からいきなり胸に触られることがあるとびっくりする』。これには流石に違和感しかありません。セクハラという言葉が使われ出したのは1980年代半ば、男女雇用機会均等法が改正されたのは1997年のことです。この作品はその中間の時代とはいえ、過去30年にも満たない時代の”性”に対する感覚はこんなものだったんだと、こんな表現が普通に登場することにかなり驚愕しました。
また、この作品の主人公である椿は『派遣』社員として働いています。『派遣』社員の制度自体は1986年からスタートしています。作品中ではそんな雇用形態について『私が辞めなくても、きっと派遣会社のほうから首切られるわ』と、あることがきっかけで少し投げやりになる椿の姿が描かれます。そこに、『派遣されて働くのと、その会社にアルバイトとして雇われるのではそこが大きく違』う、『派遣の人間の首を切るのはとても簡単だ。あの子は気に入らないから、他の人を回してほしいと言えばいい。すると派遣会社から、明日から行かなくてもいいと連絡が入る。それで終わりだ』という記述が登場します。そして、そんなやりとりの最後に『派遣だからって、理由もなく辞めさせられるなんておかしい』と指摘する雛子のセリフが出てきます。この箇所を取り上げたのは、山本さんが『派遣』社員という雇用形態について、他の作品でも問題提起のような記述をされているからです。1995年の「絶対泣かない」や2021年の「ばにらさま」です。他の作家さんの作品で『派遣』社員について、作家さんの考え方をそこに感じさせる記述を見た記憶はなく、山本さんが何かしらこだわりをお持ちだったのだと思います。残念ながらそのこだわりの詳細について私は情報を持ち合わせていませんが、山本さんのOL時代の経験に何かしら思われることがあったのかな?と感じました。
そんなこの作品は『私は自分の容姿を、才能だと思っている。能力だと信じている』、『私の能力は、きれいだということだけなのだ』と自身の容姿を強く意識する椿が主人公となって展開していきます。物語は、最初から最後まで椿視点となりますが、『私は決して、死ぬまでただのババアなんかにはならない』と言い切り、『十四歳のときから恋人がいなかったことなど一度もなかったのだ。誰かと別れるときは必ず次の人を確保してからだった』と日々の生活の中に常に男の影を感じさせる椿の奔放とも言える生き方を見ていると流石に嫌悪感も感じます。そんな椿が心の拠り所にしているのが自身の名付け親でもある祖母の存在でした。『ちょっとでも触ったらすぱっと手が切れてしまいそうだ。あれは刃物の美しさだ』という強烈な形容を持って表現する祖母の『美しさ』の虜になる椿は、『私は年をとるのが恐くない』と言い切ります。それは、『肌の張りが失われてくるにつれて、私はあの威厳と張りつめた美を手に入れることができる』という血の繋がりからくるものでした。確かに血の繋がった祖母であれば、自身が歳を取れば似るであろうと考えることは間違ってはいないでしょう。しかし、この考え方には少し狂気も感じます。そんな物語は、祖母が入院したことで、今まで繋がりのなかった病院に関係する人物と椿が繋がることによって新たな展開を見せていきます。一方で『父なんか死ねばいい』、『あのババアとふたりで住みたくない』と両親のことを激しく嫌悪する椿を見ていると、その寄る術のない生き方には流石に憐憫の感情が生まれてきます。そんな物語はどんどんスピードを上げていきます。基本的には椿が奔放に生きる日々を淡々と描いた作品と言えなくはありませんが、そこに盛り込まれている要素は極めて多彩です。そして、物語は後半になって現代とは印象が少し異なる”ある病気”が登場します。一見、唐突に感じられるその病気ですが、気になった箇所を読み返すと、結末に至る伏線がきちんと張られていることが確認できました。この時代らしいその展開は、スピード感に満ち溢れていて、読者に一気読みを誘います。そして、そんな読者に山本さんが突きつけるのが、
「きっと君は泣く」
という書名です。『君』とは誰なのか?昨今の小説の書名であればこれを読者とする場合もあると思います。ブクログのレビューを見せていただくと、この作品で涙したという方も実際にいらっしゃるようです。しかし、私にはこの作品は涙する物語とは感じられません。では、泣くのが読者でなければそれは誰なのか?、それは物語の主人公の椿以外には考えられません。祖母の『美しさ』を『あれは刃物の美しさだ』と認識した椿は『私はあの威厳と張りつめた美を手に入れることができるのだ』と信じることによって、”同性の友達”が出きずとも、陰で悪口を言われようとも、また『ひとつの所で長く働くのは気が進まない』と嫌がるそぶりを見せるなど、長い人生を見通した生き方を敢えて避けているようにも思います。私たちは将来が見えないことを不安に感じます。だからこそ、将来が見えることに安堵する感情があります。椿の生き方を見ていると人間関係の作り方含め全てがその場しのぎであり、ある意味極めて自由奔放な生き方をしてきたのだと感じます。その『美しさ』に魅かれ、祖母には親愛の情を抱いているとはいえ、両親にも、友人にも、そして異性との関係においてもその場しのぎで生きてきた椿。そんな椿は、祖母の入院、そして『どうして、おばあちゃん、ぼけちゃったのかしら…』という戸惑いの中に、自分が絶対だと思ってきた『美しさ』が崩れていくのを感じます。そんな椿が”ある病気”のことをきっかけに将来に続く自身の人生を考える機会が訪れます。そう、「きっと君は泣く」とは、この時、この先の椿の感情を表現したもの、自由奔放に生きてきた椿だからこそ、そんな椿のことを思う人たちの存在を知って「きっと君は泣く」。山本さんはそんなことをこの言葉に託されたのではないかと感じました。そして、
”ようやく泣くことを知った椿、そして、そこから彼女の新しい人生が始まる”
そんな風に考えることでこの物語の結末が全く違うイメージに変化するようにも感じます。もちろん、人によって読み方は多々あるかと思いますが、私が導き出した私なりの解釈を書かせていただきました。
『祖母との出会いが、私の生き方を決定的に方向づけた。きれいな外側も、傲慢な内側も、祖母ははっきり肯定した。それで迷いが吹っ切れた』という先の人生を歩んできた主人公の椿。そんな椿は、自分の『美しさ』を武器に全ての事ごとを捉えて生きてきました。何かしら自分に自信を持つことは決してマイナスなことではありません。それによって人生を前向きに生きられるとしたらそれはとても良いことなのだと思います。しかし、主人公・椿はそのことを曲解し、彼女を心から心配してくれる人たちの存在さえも”美醜のみ”で判断するなど、本当に見るべきものが見えなくなってしまっていました。そんな椿の中に「きっと君は泣く」という説得力のある言葉が浮かび上がる瞬間を垣間見るこの作品。
90年代前半のリアルな時代を描写した物語の中に、今の世も変わらぬ『美しさ』への憧れの果てにある本当の『美しさ』というものを、ふと考えさせてくれた、そんな作品でした。 -
1993年の作品
自分の美貌だけが強みの女子、23歳、名前は椿
自分によく似た祖母が名付けてくれた
美しい方が強い
単純明快な椿は、その生き方を貫いていた
彼女の憧れは祖母だ
その美貌で愛人として生き抜いてきた、と椿は信じていた
父親は経営者でお小遣いにも困らない
このまま、順風な人生を満喫するはずが
祖母の骨折からの認知症
父親の倒産からの寝たきり介助
大好きな祖母の家と自宅の売却
これまで女友達さえ作らず傲慢な生活をしてきた椿は、一挙に生活全てに困窮する
加えて祖母と父親の人生の真実
肉体関係のある男友達の病気
それまでの罪と罰が押し寄せる
でもね、椿は自分で立ち上がるんだろうねえ
呆れるほど物おじしないビッチで高飛車
だけどきっと元彼を支えきるんだと思うのよ
だから、私はきっと泣く「君」が、誰だかわからないんです-
自分で立ち上がらないと、誰も最後までは面倒みてくれませんものね…
治パン美味しかったですか?自分で立ち上がらないと、誰も最後までは面倒みてくれませんものね…
治パン美味しかったですか?2024/07/16 -
2024/07/16
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2024/07/16
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女はいざという時には男を頼れば良い。私ほどの美貌があれば。椿は幼い頃から誰もが認める美貌の持ち主。だからこそ、歳を重ねるごとに自分の価値が段々下がっていくことに敏感になり、大勢の男をキープしておかないと自分の行く先に不安になってしまう。魚住が椿に将来を見ていないと言っていたが、常に不安と隣り合わせの椿には今しか生きられなかったのではないだろうか。足の毛も抜かず、容姿も気にしない魚住が恋をしていて、自分に嫉妬していたら、どうしてもっと努力しないのかしらと女なら思ってしまうところ。でも魚住が嫌いになれないのは、生まれ持ったものを憎みながらも自分の輝ける場所を探し、仕事に、人間に一生懸命に向き合っているからだと思った。椿と殴り合いの喧嘩をするほど仲が悪いが、椿の本当の心の支えとなってくれるのは魚住だった。椿と魚住で椿を選んでしまう中原先生も結局は26歳の男であり、美しく、お金を持っていると思った方に傾いてしまう。椿の祖母、牡丹の妾が怖すぎて…。百合の花を送り付け、祖母に忘れさせないようにするため、もので追い詰めるところが女の怖さ。やられたらやり返す、心の中で燻っているカスをそのままにして置けないのが女の性なのだと思った。群贅も雛子も椿も魚住も恋愛が下手くそ。愛していると思っていても言葉にされてプレゼントされても。結局は自分が1番救われる選択をしてしまうものなんだなって。愛がますます分からなくなり、人のものは取ってはいけないと再確認(笑)
結婚なんてしたくないなぁ、、。 -
初めて読む作者。
題名と本の表紙の絵からほのぼのとした素敵なお話なのかと思ったら、とても生々しい話でした。
そしてとても面白かった。
個性的な登場人物ばかりで皆それぞれの個性が際立っている。
アクが強いはずの人達が多いのにどの人物も私は好きになった。
なんだかぶつかってばかりの主人公だけれども、彼女はそのおかげで大切にしたい人達に出会えたのではないかと思う。
作者さん、好きになりました。 -
たばことディスコとお酒と車。美人で高飛車で少しの包容力を感じさせる"椿"の平成を生きた物語。
始めは平成の空気感が時代を感じさせ、ちょっとわくわくした。途中から椿の奔放さにつかれてしまい、さっと読み終わろうとページを捲り、次第にのめり込む。最後の余韻がたまらない。タイトル回収が見事であり、泣くのは椿なのか、はたまた読者なのか。 -
主人公の気持ち、思考回路、行動どれをとってもあまりに自分と違うので共感はできませんでしたが、それでも物語は読みやすくて凄いなと思いまし。いわゆる「ブス」への言葉の強さは何かの執着の感じるほどですが…。最後にはなんやかんや椿の幸せを願うような気持ちになりました。こんなに感情を振り回してくれる小説、すごい。
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ドロドロしたお話で楽しめた。ドラマだったら毎回展開が楽しみになるような。最後の方いろいろ起こってどうやって終わるんだろうと思ったら、まあ納得の終わり方でホッとした。人間って捨てたもんじゃない。
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美貌に恵まれ何もかもうまくいっているように見えた椿。
しかし、憧れの祖母の入院、父の倒産、人間関係の不調、
次々降りかかる困難に直面し、人生の歯車が狂い始める。
容姿の美しさだけで傲慢に生きてきた椿の行く末とは。
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いやあ清々しい程の馬鹿女!笑
是非神田うので実写化してもらいたい!超適役!
(別にうのちゃんをディスってるわけではない笑)
計算高くて小賢しくてあざとくて…が全部裏目に、
つまり上手くもやれず、悪女にもなりきれない女。
ただのビッチでアバズレでヤリマンで性悪女で無能。
真っ直ぐな馬鹿だと逆にピュアに感じてしまうのか、
「自分に素直に正直に生きてる」と思えてしまうのか、
椿視点のみで進んでいくので、途中同情しかけるが、
いやいや嫌だよこんな自業自得で因果応報な生き方。
病で倒れた祖母は椿の唯一心から大好きな人だった。
祖母の初登場シーンの椿とのやりとりには痺れたが、
衰弱していく姿と、ついに剥がされた仮面の哀れさ。
結末はかなりあっさりとした終わりだったけれど、
希望があるようでないような、曖昧さが逆に好き。
この話の肝は、全てにおいて想像力が大事だということ、
想像力のない人間は否応にして悪変していくということ、
だと思った。私はそう受け取った。その通りだと思うし。
美貌のみを武器に女という自信のみで生きてこられた椿、
ある意味あっぱれ。花の命は短くて。理解が遅すぎたね。
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ヘルタースケルターの沢尻エリカでもいいけど、
それ以上に知性が感じられない派手な馬鹿が良い。
頭の中で登場人物全員の配役が当て嵌まるかのような、
ドラマ的で、漫画ちっくで、面白くて読みやすかった
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美しい祖母と、それほどでもない母のもと、美しく生まれた椿は、幼少の頃からその美貌を武器に生きてきた。イベントなどのコンパニオンを行いながら、美しさを武器に男に貢がせて、悪くない生活を送っていたが、ある日、一番の理解者であった祖母が怪我で入院し、それをきっかけにすべてが崩壊を始める。
気性の激しい、友人の少ない主人公が美しさを武器にバッサバッサと周りを切っていく冒頭部分に、作者の視点はそのへんに置かれているのかという、よくある価値観の基準に迷うタイプの小説である。
展開を書くとネタバレとされると、何を描いてもネタバレになるわけだが、祖母が怪我をきっかけに認知症になり、父が破産、仕事を失い…と崩れていくごとに、作者の描きたい価値観が浮かび上がっていくという作品である。
主人公の椿は、始終周りに当たり散らし、傷つけていくスタイルで、そこに感情移入して読むのが辛いのだが、後半に向けて価値観が崩壊し動いていくあたりは見事である。
ただこれ、映画になってんのね。
映画で見てもつまんないと思うけどね。1990年代の時代なら許されていただろうけど、いかんせん価値観が古い。 -
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ドロドロのお話だったので
心に残る言葉は特になかった。 -
全体を通じて暗さと重さを感じる、わりとカオスなストーリー展開。
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読み始めた時は、椿のこと、すごく嫌いでした。
ワガママで傲慢で高飛車で自分勝手で。
だけど、読み進めるうちにだんだんと、自分の思いに正直に生きようとする椿がなんだか痛々しくて、もっと力を抜いて生きていけばいいのに。なんてちょっと可哀想に思ったりもしました。
だけど、昔も今も、女性が社会の中で生きて行くって楽じゃないんですよね。
とくに、椿のような尖がった性格だと、周りは敵だらけだし。
だから、強がって肩肘張って、誰にも負けたくない。って気持ちで自分自身を奮い立たせてないと、前へ進めないんだよなー。
だけど、やっぱり人を見下して生きていくと『きっと君は泣く』んですよね。
終盤の畳み掛けるような展開で、このタイトルの意味が分かったような気がしました。 -
10年ぶり以上の再読。
山本文緒さんの読みやすさはすごい。
あっという間に読了。
謎が解き明かされていく場面は、覚えていたけど面白かったです。
登場人物の誰にも共感できなかったが、それなのに面白い、ミステリ以外の小説は稀有だと思います。 -
最後の方の展開はさすがに驚きました。身近な人に大切な事を知らせてもらえないのは辛いですね。
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後半畳み掛ける、想像以上にエグい展開。
めちゃくちゃのめり込んだな〜これぞ小説。
文緒さんの読んでない作品があと数冊になってしまった。つらい。 -
主人公が信じていたものが佳境を迎えるにつれどんどん崩れていく。主人公も含め皆どこか歪んだ人ばかり。でもそこがリアル。現実世界でも皆何かしら闇を持って過ごしているんだろう、綺麗事ばかりではないんだと痛感させてくれる小説。しかし読み終わりはよくないです。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
山本文緒の作品
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感想 :

再読したくなりました。
ありがとうございます。
再読したくなりました。
ありがとうございます。
今度読まれると再読になられるのですね。書名もそうですが印象的な一冊でした。
再読されたい...
今度読まれると再読になられるのですね。書名もそうですが印象的な一冊でした。
再読されたい、という思いの起点になれて光栄です。
ありがとうございました。