ブラック・ティー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 2590
感想 : 242
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041970041

感想・レビュー・書評

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  • 2023.3.23 読了。
    思い返せば誰もが思い当たるようなちょっとした罪だったり自分のしてきたことを棚に上げた他人への不信感。そんな物語が様々な年齢や性別で描かれた10編の短編集。

    「自分」から見ても「他人」から見ても真っ当で正しく生きている人、一度も間違いを犯さず罪悪感も抱かないで生きている人などいないのだよなと思わされる作品。普段から常に誤ちにばかり囚われすぎていては前に進めないものだけれど、このギリギリのところでなんとか生きていくしかない感覚、ひとつ何かの拍子でタガが外れれば堕ちていくであろう感覚に実体験がなくても容易に想像できてだから共感できる作品たちだった。
    今生きている常識も地球の反対側に行けば全く違う世界が広がっているのだから。
    「誰だって純真でもなく、賢くもなく、善良でもないが、ただ懸命に生きるだけ。」気負っていなくていい言葉だなぁと感じた。

  • 怖いくらい、自分に似てる人が出てきた
    知らぬうちに人から恨まれてる
    それは、気が付かないフリをしてるのか、本当に気が付かないのか
    人間関係が面倒に思える
    そう思ってしまう私はダメ人間なんだろう

  • 4.2

    たまに無性に読みたくなる山本文緒さん作品。
    軽犯罪がテーマの短編集。

    出てくる行動はびっくりするものもあるけど、
    そこに至る過程や、人物の心情は、
    いかにもありそうなものばかりで身近に感じる。

    なんなら私が行ってしまったこともある。
    忘れてたような小さな出来事も思い出されるんだけど、やっぱり消せないんだなと在ることを実感した。

    無くなることはない。
    でも、生きてる。
    生きてる限りは日常は続く。

    心の奥に眠らせて見ないようにしてもいいけど
    思い出させられた時はあまりに辛い
    向き合うことができない気がする

    あぁ、在るな。って思いながら生きるのも良いのかも。

  • 軽犯罪短編集。サクッと読める短さで良かった。
    法を犯したって捕まらなければ、見つからなければ前科はつかないし世の中にはいっぱいいる。
    あっという間に読めて楽しかった。短いからかどれもさっぱり淡々としている。
    運悪く罪が重くなることもあるし話によっては主人公がすごく可哀想に思った。

    特に誘拐の話は辛い内容だったな。DVも気味が悪かった。

    好きなのはタイトルのブラックティーとニワトリかな。日常に馴染んでる感じがリアルだった。借りパクする人多いし。信頼簡単に失くすからやらないように気をつけよう

  • 本当に良かった。すごい好きなテーマでした。罪と共に生活する人たちの姿が胸にグッと来た。でも「少女趣味」は夜中読んでちょっとぞっとした。淡々と描いてくれるので、各話がすっきりと読めて、なのに余韻が残る素晴らしい作品。

  • Kindle Unlimitedにて途中まで読んだが、半分ほどで断念。
    ちょっと嫌な気持ちになる話が詰まった短編集。イヤミスとかあるから、そういうのが好きな人には向いてるのかも?

  • 短い短編集。少しずれてる主人公が10人出てきてそれぞれが小さく大きな罪を犯している。
    始めは他人事のように読んでいたけど、読み進めていくにつれて自分にももしかしたらこういった一面があるかもしれない、とおもいはじめた。読みやすかった

  • 少しずつ常識とずれた人々の物語。
    ちょっとした日常の罪の物語。
    「誘拐犯」がなんか悲しかった。
    「夏風邪」 は痛々しく怖い。

  • モヤモヤする内容が多い短編集

  • 短編集。小さな罪について。弱くて嫌な普通の人達が多数出てくるんだけど、別れた恋人に執着してしまう元彼の話『留守番電話』、が1番キタ、、、アドバイスしてあげたい、気持ちはひじょーにわかるが、今すぐそんなことやめて連絡先を消し次に行け、と。。。とにかく筆者の描く人間像がホントにリアリティ溢れていていつも唸らされる。

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著者プロフィール

1987年に『プレミアム・プールの日々』で少女小説家としてデビュー。1992年「パイナップルの彼方」を皮切りに一般の小説へと方向性をシフト。1999年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞受賞。2001年『プラナリア』で第24回直木賞を受賞。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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