みんないってしまう (角川文庫)

著者 : 山本文緒
  • KADOKAWA (1999年7月31日発売)
3.29
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  • レビュー :200
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041970065

みんないってしまう (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 人は良い時は寄って来て、悪くなると去っていく。それは痛いくらい知っている。本当に苦しいとき、そばに居て一緒に泣いてくれたのは誰だったのか、思い出して欲しい。そして、かけがえのないその人を大切にしましょう。
    少女に恋をしたのは昔の僕でした。すっかり歳をとって、見た目も変化して、あの頃に戻れたならと。でも人は心まではそんなに成長しないものです。僕は僕で、今も昔も君に想いを伝えることは出来なかったでしょう。もう二度と指輪が外れぬように、似た者同士、美味しいと笑い合えること、今ある幸せを大切にするようにと僕は今日も太っています。
    他人の素顔、心根は想像とは全く異なっていたりします。いつも全身ブランド物で誰よりも着飾る彼女は、誰よりも自分に自信が無くて悩んでいる。一度全部殻を脱ぎ捨て素の自分と向き合えば、雁字搦めから解放された新しい自分が心から笑っているかもしれません。

  • 山本文緒さんの作品、好き。
    読者層の大半は女性なんだろうけど、なぜか登場人物の心情にわりかし共感できる。

    各話の結末、オチを読者にいい塩梅で委ねるのも
    安っぽくなくて、考えさせられて気持ちいい。

    恋愛も人生も一筋縄ではいきまへんなー(20代男性)

  • 新年読書二冊目!失う事は寂しかったり哀しかったりするけれど、全ての物語がそれだけでは終わらない。喪失の先の未来に希望が見える話もあった。私的には、するすると読める文体で1日で一気に読みました。

  • 「対象喪失」をテーマにした短編集。

    昨年、人生は選択の連続で、選択するということは、代わりに何かを捨てることだと気がついた。
    そして時が経ち、何かを捨てることは、「喪失」ではなく、「変化」なのだと気がついた。

    何かを守るために喪失する。
    何かを喪失したが故に何かを得る。
    切ないけれど、人間は取捨選択しながら生きているのだから仕方ない。

    失っても失っても残っていく、欠片のようなもの――。
    実はそれが、本当に欲しかったもの・望んでいたものなのかもしれない。

    昨年、大事なものを失ったと思っていたけれど、
    本音を言えば、失ってホッとしている自分がいる。

    本当は心のどこかで失いたかったのかもしれない。
    捨てるべきものを捨てられない自分がいたことに目を瞑っていただけ。
    捨てられないままズルズル生きていたら、逆に自分が捨てられた。
    それでよかったんだと思う。

    それが、今後の自分の人生を守ることにつながったという変な確信があるから...

  • 突如「みんないってしまう」というタイトルが頭にこびりついて離れなくなり早急に読みきった一冊。
    手をすり抜けていく風のようなこのタイトル好き。留めておけるものなんてない。変わらないものなんてない。無力にも、みんないってしまう。

    20ページにも満たないストーリーが12編。
    主人公はギリギリの状態で日々をやり過ごしているような人物たちだ。何かの拍子に突き落とされて始めて、自分が立っていた場所が崖っぷちだったことを知ったような。
    むろん良いラストなはずはなく、苦みが残るものが多い。けれど自分の立ち位置を知り、本当の自分をみつけるというのは喪失と相反する貴重な何かだ。この短編集をよんで私はその瞬間に立ち会うことができた。
    山本文緒さんの書く小説は、現実を教えてくれるというか、自分で気づくように仕向けてくれる。あえて目をそらしてきた嫌な現実を、だから私は落ち着いて見据えられるようになる。

    いってしまう、というのは決して悪いことばかりではないだろう。誰かからみたら私もいってしまった側かもしれないし。
    あぁいってしまったのだ、と分かったときにはかすかな感傷とさみしさはあるが、ひとつ失くしても、またひとつ貰えるのだ。毎日は、私は、そうやって回っていく。
    いずれ辿り着くところは、思いもよらず美しい岸辺かもしれないと願って、ただ流れに身をまかせてみたい。

  • 無くしてしまったとき、何かにぶつかったとき、ふとしたときに、自分の鎧にしていたものは何だったのかに気付く。

    そうやって見たくないことを拾い上げながら、鎧の種類を変えながら、やっぱり前を向いて進んでいく。

    立ち止まらないと見えない景色なんだろうな。と、励ましていたい。

  • ドーナッツ・リングという作品がとてもよかった。人生に起こる些細なことのすべてがドラマなのだと教えてくれる。

  • 短編集。

  • 喪失をテーマにした短篇集。
    ブラックジャックみたいな終わり方が多かった。
    判断は読者に委ねる的なね…。

    表題にもなってる「みんないってしまう」の話の持って行き方には笑った。そういう裏切り好き。

  • なんとも言えない気持ちになる。
    どうなるの?どうしたらいいの?って戸惑いながら読んでも「自分で考えろ」と突き放される感じがする。
    何かに悩んでにっちもさっちもいかなくなってるような人は、読まない方がいいかもしれない。そんな小説。

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