紙婚式 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 1441
レビュー : 146
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041970096

作品紹介・あらすじ

一緒に暮らして十年、こぎれいなマンションに住み、互いの生活に干渉せず、家計も別々。傍目には羨ましがられる夫婦関係は、夫の何気ない一言で砕けた。結婚のなかで手探りしあう男女の機微を描いた短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • ハマっている山本文緒繋がりで読みました。
    相変わらずちょっと暗い、閉塞感を感じる作品の数々。今回は結婚後の夫婦について

    自分が上手くやれてる方なのかなと思うくらい上手くやれてない人達が多数出てきます。これはそういう作品なので仕方ないですが、誰かと一緒に暮らすというのはどこか我慢したり諦めたり、そして何よりそれがずっと続くという閉塞感。変化がないことに対する退屈。手放すのは簡単だが繋ぎ続けることは難しい。このような言葉が沁みました。

    最初は終わりに向かっていく作品がおおいですが、最後の方は希望もあったり
    おすすめは秋茄子 なんとか家族になっていきたいという気持ちが見えて安心 表題作の紙婚式もそもそもが破綻している夫婦関係から修復?とも見えるラスト。夫婦の在り方も自由になった今だからこそ、皆悩み、どうにかして生き続けるしかないのですね。

  • どこにでもありそうな、
    でもコワい夫婦模様であったり

    どこにでもありそうな、
    今度はちょっぴりほっこりする話であったり

    山本文緒さんの巧さに舌を巻く傑作短編集。

  • 短編集。いろんな夫婦の形が見られます。
    外から見る限り何の問題もなさそうな夫婦も夫も妻もそれぞれにいろんな思いを抱えている。何の問題もない夫婦なんてきっといないんだろうな。
    「ますお」ではぞっとし、「秋茄子」では夫の母親への思いに切なくなり、「紙婚式」では夫の一言ににやりとさせられました。

  • 当たり外れが。タイトルの紙婚式は好き。切ない。

  • 答えの出ない人生の色々
    作者から投げかけられ
    考える自分がいること
    それが心地よく読み進めることが出来る

  • 結婚生活における男女の心の葛藤を描いた八編の短編集。僕にとっては二冊目の山本文緒作品読書となりました。

    この本の感想を書く前に、白状しておきます。僕のファースト山本文緒作品は「パイナップルの彼方」。
    林真理子の小説に寄稿されていた著者の解説に接したのが切っ掛けでした。読んだ直後は、自分の感情を言葉に出来なかったのですが、今は出来ます。不愉快でした(笑)。
    当時記した「パイナップルの彼方」の読書日記を読み返すと、苦し紛れです(汗)説教してるし(俺)。ハードボイルドとか書いているし……。
    ハードボイルドは「固ゆで(卵)」。中身が見えません。外面描写に徹した小説の手法です。
    「パイナップルの彼方」
    は、心理描写盛りだくさんで、主人公が自分の感情をよく語ります。もちろん、ハードボイルドではありません。
    が、しかし。一人称で書かれたこの小説は、主人公の主観に徹していて、著者の、主人公の言動に対する、評価が一切排除されています。友達の結婚や、転職に対する主人公の感情は描かれているのですけれども、著者がどのように考えているかは全く解りません。これがハードボイルド・テイスト(?)を醸し出しているのかも。と思うに至り、他の小説も読みたくなりました。
    最新の文庫「紙婚式」は結婚生活における男女の心の葛藤を描いた八編の短編小説集でした。全て主人公の一人称で語られる物語です。各編のタイトルと「一人称」と性別を記してみます。
    1. 土下座「僕」男
    2. 子宝「私」女
    3. おしどり「私」女
    4. 貞淑「俺」男
    5. ますお「私」女
    6. バツイチ「僕」男
    7. 秋茄子「私」女
    8. 紙婚式「私」女
    やはり著者の評価なり、感想なりが一切排除されつつ語られる感情の葛藤は、一種サイコ・ホラー。
    怖いあまりに、他人事として「夫婦喧嘩は犬も食わねぇ」と一蹴にしてしまいたくなる気分がなきにしもあらず、でした。
    それは、他人には解らない男と女の閉じられた空間であり、人に話したところで、愚痴と受け取られ
    「聴いてあげているのよ。」
    という顔をされるの落ちになる物語であり、人から聴かされても頷くことしか出来ないのが目に見えている物語です。
    ですが、そういう物語であるからこそ、本人にとってはせっぱ詰まった問題であり、語られる事を望まれている物語だと思うのが僕の感想でした。
    その後の二人を知りたい欲望が満たされないまま、各々の物語は終わってしまうので、その後の物語は自分で想像するしかありません。
    「どうなるのだろう。」
    この想像は、自分のケーススタディーとなって、読者自身の物語に引き継がれます。

  • まず、この本が1998年、今から20年以上前に出ていたことに驚いた。確かに、それぞれの物語に出てくる生活用品(固定電話とかFAXとか)に時代を感じ、「いつの本だ?最近のものではなかったっけ?」と思って奥付を見たからこそ刊行年が分かったのだが、いつまでも、男女間、あるいは夫婦間のすれ違いや虚しさや思い違いは似たようなものだと思った。

    「ますお」に特に心を抉られた。まるで今の自分のことのようだった。主人に対する不満を抱き、それを口にするかどうか悩んでいる。私が黙って耐えていればいいのかもしれない。でも、浮気されていることに気が付いてる時点で私の心はどんどん削られていく。そんなの耐えられない。
    しかし、私は主人も我慢をしているかもしれない、とは考えられていなかった。穏やかで家事も進んでしてくれる主人が何を思っているかを考えていなかった。自分の居心地の良さや自分の思い通りに進まないことだけに目を向けるのではなく、取り返しのつかなくなる前に主人の不満や不安にも思いを巡らせようと考え直した。


  • うーん、、、
    2001年と、時代が古いせいか、
    ちょっと夫婦の考え方が今とは違うのかな。
    女は結婚したら、家事をして子供を産んで育てる、
    というのが普通だった時代のお話、と言う感じ。
    今はもっといろいろな夫婦がいると思う。 

    あと、登場する女性が子供っぽくて、
    言わなくても分かるでしょ、と人のせいにしてばかりで、男性もだんまりな感じの人ばかりで、
    なんだかどの話もイライラしました。

  • 夫婦に限らずだけど、”自分以外”は他人だから価値観も考え方も何もかも違うのは当たり前。
    血縁のある家族でさえ、何を考えているかなんて言葉にしないと分からないのだから、育ってきた環境も何もかも違う他人なら理解できないことがあっても仕方ない。

    しっかり話し合って、考えを言葉にして伝えて、譲り合い、ときにはぶつかり合って、一緒にいる努力をお互いにしていかなければ夫婦という紙1枚の関係なんて呆気なく崩れてしまう。
    結婚とは、夫婦とは、なんなんだろうなぁ、と考えさせられ本でした。

    読みやすいし面白かったです!

  • 夫婦というのは、家庭を持ち、生活をするから、夫婦それぞれに役割ができ、それぞれに成長するんだと思う。

    でも、もっと遡れば、確かに所詮は男と女なんだけど・・・

    色んな夫婦を描いた短編集。

    山本文緒さんらしい読後感でした。

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著者プロフィール

1962年神奈川県生れ。OL生活を経て作家デビュー。99年『恋愛中毒』で吉川英治文学新人賞、2001年『プラナリア』で直木賞を受賞。著書に『ブルーもしくはブルー』『あなたには帰る家がある』『眠れるラプンツェル』『絶対泣かない』『群青の夜の羽毛布』『落花流水』『そして私は一人になった』『ファースト・プライオリティー』『再婚生活』『アカペラ』『なぎさ』『自転しながら公転する』など多数。

「2021年 『ブルーもしくはブルー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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