恋愛中毒 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 6583
感想 : 774
  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041970102

作品紹介・あらすじ

もう神様にお願いするのはやめよう。-どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。世界の一部にすぎないはずの恋が私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 再読かな?昔から本棚にあったが記憶なし。
    怖い怖い水無月さん。最初はテンポも良いのでどんどん読み進める。終わり40ページで一気に怖っってなる。
    恋愛小説ではなくホラー小説だろう、これ…
    人物像で多少、ん?って思うところはあったが、面白かった。

    なんか、水無月さんが怖いのではなく、自分にもそういう所あるんじゃないかって気づいた自分が怖くなった。ちょっと目から鱗の気分。きっと若い時に読んだ感想と今じゃ明らかに違う。

    林真理子の解説も良かった。

  • _______________
    この読書感想文を書いている真っ最中、作者の訃報を知った。
    あまりにも早い。ただただショックでした。
    ご冥福を申し上げます。
    ________________

    作家になりたかった。多分小学校の高学年から。

    私の幼少時代の唯一の救いは、父に買ってもらった外国文学集全巻四十冊でした。学校で疲弊して家に帰ると、小説の世界に飛び込んで無我夢中に読んでました。それも何度も。成長と共に読む量も内容もどんどん増えていき、私は常に他人の人生を生きている感覚をして、現実味のない幼少時代を過ごしていた。

    感受性に苦しめられ、日々他者と対応するのが苦痛だった大学生活に、この一冊に出会った。

    「どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。」

    その言葉はあまりにも衝撃的だったので、しばらく呆然し、次のページに捲れなかった。

    恋愛は献身的てなければとずっと思っていました。相手に従えば愛される。言う事を聞けばちゃんと向き合ってくれる。だが結果はそうじゃないと何度も痛い目に合うのに、性懲りも無く同じことをしてしまう。理由は今になってやっとわかって、人との距離をできるだけソーシャルディスタンスを持つようになったけど、二十代頃の私は、恋愛においても、恋愛じゃなくても、相手に過度の依存をしてしまう。

    それは本当の愛じゃなかった。

    恋愛中毒を読んでいて、全部私。その描写はあまりにもリアルで、何度も息が詰まってしまう。俯瞰で自分を見る事はこんなにも痛々しく、こんなにも情けない。だけど目を逸らしちゃいけない。自分を受け入れるしかないけど、どうして、私を一番受け入れてほしい人にはいつも私を責めて、私を、と言葉が詰まる。

    私は書くしかなかった。書くと言う行為に自分の感情も考えも出すしかなかった。「恋愛中毒」みたいな作品はかけなくても、私の感情を綴るものを書けばいいと思いました。痛くても目を逸らしちゃいけない。痛々しくでも、それは私だから。

    そんな私ですが、受け入れて頂ければ幸いです。

    • kayoko.さん
      爽健美茶さんの感想、とても共感します。自分の気持ちを書くことはとても難しくて自分には上手くできないので、すごいです。
      爽健美茶さんの感想、とても共感します。自分の気持ちを書くことはとても難しくて自分には上手くできないので、すごいです。
      2021/10/26
    • 爽健美茶さん
      kayoko.さま
      コメントありがとうございます。
      自分の気持ちを文字に表すとは難しいですね。更にそれを言葉にするのも難しいです。相手の顔色...
      kayoko.さま
      コメントありがとうございます。
      自分の気持ちを文字に表すとは難しいですね。更にそれを言葉にするのも難しいです。相手の顔色を常に伺ってしまう自分がいて、なんだかね。
      2021/10/26
  • ○感想
    主人公 水無月の「にこやかに話を聞いていても、心の中は全く別の事を考えてる」描写がしばしば出てきて、人間が怖くなった。自分だけ慕って会話してても、一点も交差してないことがあるんだ…、コワイ。

    創路(いつじ)先生の「過去に“もしも“を持ち込むな」は心に留めておきたい。

  • いつの間にか主人公が変わっていた!
    愛しすぎないように、近づきすぎないように、と自分の中で思いながらも気がついたらリミッターが外れて、それなしでは生きられない状態になっている。まさに中毒。水無月のしたことは許されないけど、欲や執着心が強くなり、他者に依存していく水無月の心理描写がリアルで理解できる部分もあって怖かった。
    自分の中で閉じ込めていた気持ちだったのに、いつの間にか溢れている。しかも、そのことに気づいていないのは自分だけ。人との距離感って難しい。

  • 人は脆くて弱いから助け合って生きていかなきゃ…タクシーの運転手の言った台詞が何より印象的で心に残りました。

  • 閉店日の三省堂神保町書店で、「ありがとう山本文緒さん」の帯に目をひかれて。
    夢中になって貪り読んでしまった。introduction→本編→endingのシームレスな流れが本当に見事。

    このタイトルは私が初めて読んだ山本文緒さんの小説で、実は10年ほど前だったかに読んだことがある。
    そのときの私は彼氏とラブラブで舞い上がるような恋愛の最中で、だから主人公の水無月美雨のように恋愛で身を滅ぼす有り様や、「これから先の人生、他人を愛しすぎないように。」という言葉の切実さがまったく理解できなかった。過去から続く彼女の現在の姿や創路との関係性も。

    それが10年経った今じゃ、しみじみとストーリーに感じ入っちゃうんだから、我が事ながら人間って年取るとやっぱ変わるよねぇ。酸いも甘いも、とはよく言うけれど。
    私も離婚届を出したその時には、美雨のように神様に祈るんだろうか。
    私が私を裏切ることがないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように、とか。

  • 面白くて止まらなくて一気読みした。
    相手を自分はこんなに愛しているのに、失敗しないようにこんなに気を遣っているのに、どうして上手くいかないの。大人になって、全力で恋愛をすると、その分全身で傷付くことを知った。大きな傷は痛くて回復も時間がかかるから、恋愛に入れ込み過ぎないようにバランスを取りながら生きるんだと思うけれど、水無月は全力を注ぐ。そして傷付く、痛々しさ。辛くて息苦しくなると、息ができるように元旦那に無言電話してしまう、それはもはやリストカットみたいな、自傷行為だと思う。でもそれをやらなければあまりの辛さに耐えられないのだろう。狂気を感じるのに、なんだか水無月の気持ちに共感してしまう、自分は大丈夫だろうか、そんな風に思ってしまう怖さがあった。

    • 爽健美茶さん
      うきわが欲しかったかもしれない。一人でいる事を決めたのに、結局孤独は耐え難いじゃないかと、なんとなく思いました。
      恐怖を感じるのも、無理はな...
      うきわが欲しかったかもしれない。一人でいる事を決めたのに、結局孤独は耐え難いじゃないかと、なんとなく思いました。
      恐怖を感じるのも、無理はないですね、
      2021/10/26
  • どうか、どうか、私。
    これから先の人生、他人を愛しすぎないように。
    他人を愛するぐらいなら自分自身を愛するように。


    相手を愛するあまり自分を見失いやがて異常な行動に走る水無月に恐怖を覚えたけれど胸が苦しくもなった。

    ラストシーンに驚いた。
    水無月から中毒症状は消えていないがある人物の登場によりその人物もまた中毒症状に陥ってしまったようだ。

    とても面白くて夢中になって読んだ。
    林真理子さんの解説も良かった。

  • この本すごく好きだけど、この話が好きとか、めっちゃ共感するとこ多かったとか言うと、人に心配されそう。でも、わたしはフィクションとして、小説として、この話大好きです。

  • たぶん作者の力量なんだろうとは思うけど、さほどイライラせずにするすると読めたのが逆に意外。

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著者プロフィール

1962年神奈川県生れ。OL生活を経て作家デビュー。99年『恋愛中毒』で吉川英治文学新人賞、2001年『プラナリア』で直木賞を受賞。著書に『ブルーもしくはブルー』『あなたには帰る家がある』『眠れるラプンツェル』『絶対泣かない』『群青の夜の羽毛布』『落花流水』『そして私は一人になった』『ファースト・プライオリティー』『再婚生活』『アカペラ』『なぎさ』『自転しながら公転する』など多数。

「2022年 『パイナップルの彼方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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