恋愛中毒 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 5453
レビュー : 701
  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041970102

作品紹介・あらすじ

もう神様にお願いするのはやめよう。-どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。世界の一部にすぎないはずの恋が私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • たぶん作者の力量なんだろうとは思うけど、さほどイライラせずにするすると読めたのが逆に意外。

  • 深い。

    あなたが好き。

    実際に好きすぎてこんな状態に陥ってしまうあるいはこの状態に近い人がいるのも事実だとおもう。


    逆に自分は、俯瞰しすぎて、
    こんなに人を愛することができたなら
    どれほど幸せなのだろうか?

    と思うこともある。

    恋愛って人を成長させる最強のツールだよね。

    とかいってる内は、
    いい恋愛できないんだよね笑


    by乙女座男子

  • 読み始めたら止まらずに一気に読んでしまいました。
    これからの人生、他人を愛しすぎないように、他人よりも自分自身を愛するように。
    まさに私自身の気持ちを代弁しているようで、深く共感しました。
    正直主人公の行動は全く共感出来ないです。
    どうしてそっちに進んでいくんだろうという気持ちが本音。
    ただ、人に執着せず自分自身を愛していこうと決めたのにうまくいかない。愛することでもう2度と傷つきたくないから本気にならないようにセーブする。自分自身を分かってるからこそ自分をコントロールしようとするのに、距離のチューニングが上手くいかない。
    男性と違って恋愛依存に偏りやすい女性は多いなかで、深い恋愛で傷ついたことのある多くの女性に共感されるストーリーだと思います。

    主人公と主人公をとりまく女性達との一線を感じますが、平坦な道でも坂道を歩くでも、どちらが幸せなのかは当人が決めること。
    ただ夫や恋人だけが愛の形ではなく、このストーリーは友人や親の愛情も散りばめられています。
    必ずしも本人の望む愛の程度、愛の形ではないかもしれない。屈折した形もあるかもしれない。
    しかしどんな形であれ、必ず自分を愛してくれている存在があるということ。周りの人達は皆それぞれの形で自分を愛してくれているということを知っていることが、幸せとの境目なのかなと感じました。

    林真理子さんの解説も、作者の目線、読者の目線にたちかつ答え合わせのような的確な客観性がとても心に残りました。

  • 悪気があってやったわけじゃないし、おかしいと思われるのは、周りの人間が理解を示さないからーと、いつまでも被害者意識を持った、主人公の歪みが伝わってくる本だった。

    この本の魅力は、主人公が少しずつ壊れていくのに読者がいつ気づくか、という点である。
    そしてそれは、日常生活でも同じことが言えるのではないか。
    自分とは合わないと思わせる人間は、もちろん初対面で嫌いになることもあるが、少しずつズレを感じて、それが違和感になり、やがてそれが大きくなる。
    後味の悪くなる別れ方をした時に思うのは、あの時に気づいていれば、である。
    どんどんおかしくなるのにやめられない、自分が正しいと思ってする、行き過ぎた行動。
    周りの人がいくらそれを否定したところで、本人には都合のいい情報しか届かない。
    人間の怖さは、意外と身近に潜んでいる。そして気がつけばそれに片足を突っ込んでいたりする。

  • 筆力ある作品であっという間に読み終えた。
    編集プロダクションの地味な中年女性の水無月さん、いつの間にやら最終的にはホラー感に溢れた感じに仕上がっててびっくりです。
    こういうややこしい人を何故か構い続けてしまう荻原さんって、いい人なんだろうなあ。

    創路功次郎先生を頭の中で映像化する際に、何故だかイッセイ尾形になってしまったので、先生に惚れてしまう水無月さんに感情移入しにくかった。。(単純に私が悪い。。テレビドラマ化の際は鹿賀丈史だったようでエライ違いだ。。)

  • 狂うほどの恋をしたことある人じゃなきゃこの本の本質は理解できなさそう。
    客観的に冷静に読んでいると、主人公のことをダメ男に溺れる拗らせてる女、としか思えない。
    けれど、女の人から支持されているということはこういう女性が世には多いのでしょう。
    私は共感できなかったけど。まだまだ恋愛の経験値が低いなと改めて思いました。
    恋は人を狂わせるなと感じられる本でした。

  • 【全体の印象】
    恋愛の沼から抜け出せない女性を描いた作品でした。
    恋愛をするのが少し億劫になるくらい、怖い場面が何度かありました。
    作中で出てくる中毒的な恋愛のシーンは、現実の世界でも実際にありえそうな感じもして、とても面白かったです。

    僕は男ですが、主人公のような中毒にかからないようにしたいです。笑

    【印象に残った場面トップ3】
    ①「過去に”もしも”を持ち込むな」
    創路先生の言葉です。
    何度も過去がこうなっていたら。。。と話す水無月さんへ、先生が放ったこの言葉は印象的でした。自分も”もしも”を考える時があるので、自分にも言われている感覚になりました。

    ②けれど私は後ろを振り返らずにはいられない。どいうふうに人を愛すればうまくいくのか私にはわからなかった。
    水無月さんが、感じていたことです。相当、元夫に対して未練が残っているのだと再確認しました。
    これまでに何度も、元夫のことを気にしている部分がありましたが、このセリフを読んで、タイトル通り、相当な恋愛中毒になっていると感じました。

    ③「私に前科があるって前から知っていたんですね」
    水無月さんが、創路先生に言った言葉。
    先生の反応を読むと、水無月さんの前科を知っていたように読み取れました。
    その上で水無月さんと関係を持っていたと思うと、不思議でたまらないですね。

  • 想像していたような恋愛中毒ではなかったかな。
    水無月さんの考え方や行動が、正直わたしにはピンとこないけど、こういう人もいるんだな、という感じで読んだ。
    そして、先生のどこがいいのか分からない。笑
    とはいえ、怖いものみたさというか、どうなっていくのか気になって気になって、一気に読み終えた。
    地味目で真面目に育った人こそ、大人になってタガを外してしまうんだろうか。
    水無月さんは被害者意識が強すぎる、というのはなるほどと思うとともに、自分もそんなとこあるのでは?と思った。

  •  恋愛体質だなぁ。主人公の気持ちはあんまりわからなかったけど、元旦那の気持ちは分かるなぁ。突然、無理ってなるあの感覚。傷つける方にも傷つけられる方にもなりたくない。

  • カバーのあらすじから切ない恋愛小説を想像して読み進めていたら、まさかのホラー小説のような展開。今で言うメンヘラ、毒親、モラ夫など登場人物誰にも感情移入できないけど、どのように着地するか気になって読んじゃう筆力は流石。

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著者プロフィール

1962年神奈川県生れ。OL生活を経て作家デビュー。99年『恋愛中毒』で吉川英治文学新人賞、2001年『プラナリア』で直木賞を受賞。著書に『ブルーもしくはブルー』『あなたには帰る家がある』『眠れるラプンツェル』『絶対泣かない』『群青の夜の羽毛布』『落花流水』『そして私は一人になった』『ファースト・プライオリティー』『再婚生活』『アカペラ』『なぎさ』『自転しながら公転する』など多数。

「2021年 『ブルーもしくはブルー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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