眠れるラプンツェル (角川文庫)

著者 : 山本文緒
制作 : 片岡 忠彦 
  • KADOKAWA (2006年5月26日発売)
3.56
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041970133

作品紹介

昨日も暇だった。明日もたぶん暇だろう。結婚6年目、専業主婦。子どもはいない。退屈でない暮らしなど、考えただけでゾッとする。多忙な夫は今夜も家に帰らない。この緩やかな生活に、猫と隣家の息子が飛び込んできてから、何かが崩れ始めた。封印したはずの衝動。少年との、二人だけの秘密。嘘は次第に周囲を巻き込んで-。マンション住まいの主婦の平凡な生活が一変する様を、ドラマティックに描いた傑作恋愛長編小説。

眠れるラプンツェル (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • いろんなところで胸がしめつけられます。

    「はっ・・・私のことだ」

    と、胸が苦しくなります。

    「今日も暇ですなー」
    と言いながら、

    現実から目をそらして
    自分の世界に逃げ込む。

    困ったときに
    「難しくて、わからんねー」
    と逃げる自分のようです(笑)

    そんな彼女も
    現実から目をそらせなくなり
    歩き出さざるを得ない。

    最後、

    彼女が自分の気持ちを爆発させ、
    そこから一歩踏み出すまでの姿を読むたびに

    いつも

    「私も頑張ろう」

    と思うのです。

  • なんだかタイトルも好き。
    本編とは関係ないあとがきの一言。
    「猫の恋、というのは春の季語だそうだが・・・」ってところがなんだかどきゅんときた。
    それはあたしが猫を飼っているからだろう。
    「慣れの恐ろしさ」についての例えが鉛筆の先の話で、分かり易い例えをする人だなと思った。
    あたしは好きな話。寂しくて愛おしいけど。
    6年過ぎて、2人が一緒に暮らせるといいなと心から願った。

  • 久しぶりに1日で一気に読んでしまった本。
    山本さんの書く女性はなんか生生しいく生きていると言う感じがする。
    人生何がきっかけで動き出すか分からない、それが悪い方へなのか良いほうへなのかはもっと分からない。
    でも、そのどちらでも人は歩き出せる、そんな風に感じた本でした。

  • 棟に幽閉され、長い髪を垂らして王子を待つラプンツェルの童話と専業主婦でマンションの一室で日々を過ごす女性を重ね合わせた作品。『あなたには帰る家がある』の作品ででた緑が丘グリーンヒルズが舞台。二作品を続けて読むとより一層おもしろい。
    CMディレクターを夫に持つ主人公はほとんど家に帰らない夫を心のどこかで待ちながら、一人マンションで自由気ままに過ごす。働く気持ちなどさらさらない。そんな姿にどこか自分自身と重ね合わせながら読み進めた。
    空虚な気持ちをごまかしながら自分のペースで過ごす。社会とのつながりは週一回の生協の時。子どもはなし。28歳という年齢の割にぐっと年を重ねた中年女性のような雰囲気。読み進めれば読み進めるほど、どこか他人事とは思えなかった。最後は決してハッピーエンドとは言い切れないが、すがすがしい感覚。

  • どう考えても正しいとは言えない主人公だけど、なぜか嫌いになれない。
    八方美人でふんわりと生きてきたはずの主人公が少しずつ少しずつ壊れていく様は怖いけども、実際にありえそうな現実味もあり、自分の居場所について考えさせられた。

    最後、お金も、物も、人も、無くした主人公がタビだけは頂戴と願ったことに、何故だか少し救われた。

  • 結婚6年目の専業主婦が、15歳も年下の隣家の少年に恋をした。
    なんてドラマティックな恋愛小説なんだろう。
    10年以上ずーっと読みたくて、ようやく読めた。嬉しい。内容も素晴らしかったから、もっともっと嬉しい。
    思いがけない展開に読むのをやめられず一気読みでした。
    想像した事が、いつか本当になりますように。

  • 日本には 専業主婦 という社会的な形態がある。
    専業主婦の生態を詳しく堀りつづけて、
    安定しているようで不安定な生活を
    着実に、組み立てていくことで、
    日常の中の非日常が描かれる。

    ラプンツェルは グリム童話の主人公で、
    セックス好きである。
    結果として 妊娠するのであるが、
    ラプンツェルといわれているように、 
    この主人公 専業主婦の汐美は 
    酒を飲むと見境がなく セックスをしたがるようだ。
    不妊治療をするが、旦那の協力をえられず 
    結局こどもはなく
    旦那の買ってきたネコに愛情を注ぐしかない。
    ネコは よく眠るので 
    また 汐美も眠るのだが 熟睡はできない。
    まったく、旦那は 
    自宅登校拒否者のような生活をおくっている。
    とにかく、毎日 ヒマなのだ。明日も ヒマなのだ。
    そんな、耐えられないほどのヒマな日々を
    おくっているなかで、
    中学1年生の ルフィオ が現れた。
    はじめは、何げなく部屋に上がってきているが、
    次第に恋心が生まれていく。
    ところが チビでハゲの男 
    つまり ルフィオの義理の父親と
    酔っぱらって、関係を持ってしまう。
    汐美そんな行為に対して、
    あとから反省するタイプのようだ。

    ルフィオと父親は、汐美の家に出入りするようになる。
    ルフィオと父親は、汐美の部屋のとなりの人であり
    母親は 娘のステージママで忙しくしている。
    そのマンションでは、ネコを飼ってはいけない規則なので
    ネコを飼うな という嫌がらせが 起きるようになる。
    そのような いたずらをするのは 誰なのか?
    意外な結末と汐美のとった行動が、衝動的ともいえる。

  • おねショタもの読みたいな〜。と思って探してたら見つけた本。面白かったです。ルフィオやらダニーやらそして猫やら、ラプンツェルって題名にあるように現実感があるようでなくてどこかおとぎ話っぽい。ルフィオが言った「汐美ちゃんは、見てるようで何も見てねえよな。ちゃんと見てみろよ、言ってるから」にだいたい要約されている気がする。身一つになる(猫もいるけど)ラストは爽快でした。

  • 紙婚式を読んで以来の山本文緒さん。
    タイトルはずっと気になっていた作品で、ようやく読もう!というタイミングでした。
    裕福な専業主婦と、隣の部屋の男子中学生との不倫の話。
    ただ別にどろどろしていたり、官能的だったり、そういう不倫ではなくて、現実味のないまさにおとぎ話のような不思議な感触でした。
    塔の鍵は自分で持っているのかもしれないけど、誰かに連れ出して欲しいんですよね、わかる。
    山本文緒さんの擬態語の使い方好きだなあ。

  • 28歳の大人に中1が興味を持つとは思えない。小学校から出たばかりの子がね。
    主人公は夫が好きだったんだろうけど好きだから従ってていつの間にかおかしくなってたんだろうなあ。
    でも最後の絵空事は叶って欲しいと願います。

    人生の岐路で何もかも捨てたスッキリさは読んでて気持ちよかった。

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