眠れるラプンツェル (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1904
レビュー : 250
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041970133

作品紹介・あらすじ

昨日も暇だった。明日もたぶん暇だろう。結婚6年目、専業主婦。子どもはいない。退屈でない暮らしなど、考えただけでゾッとする。多忙な夫は今夜も家に帰らない。この緩やかな生活に、猫と隣家の息子が飛び込んできてから、何かが崩れ始めた。封印したはずの衝動。少年との、二人だけの秘密。嘘は次第に周囲を巻き込んで-。マンション住まいの主婦の平凡な生活が一変する様を、ドラマティックに描いた傑作恋愛長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 昔々、たくさん山本文緒の本を読んでた。久しぶりにまだ読んでなかったようなこの本を手にとってみた。1990年代の本だから、相当前の小説なのに、どんどん読み進めてしまった。人の根本的なところは、今も昔も変わらない。良い本はいつまでたっても色褪せないんだなぁ。

  • 28歳の大人に中1が興味を持つとは思えない。小学校から出たばかりの子がね。
    主人公は夫が好きだったんだろうけど好きだから従ってていつの間にかおかしくなってたんだろうなあ。
    でも最後の絵空事は叶って欲しいと願います。

    人生の岐路で何もかも捨てたスッキリさは読んでて気持ちよかった。

  • 専業主婦の女性が主人公のお話
    夫はたまにしか帰ってこない忙しい人
    女性はいつも暇している人
    それが、夫が連れてきた猫を飼うことになり
    それからいろいろなことが起こり
    まぁあんな人生はないだろうけど
    いろいろ起こりすぎ、というか
    何気に女性の行動が・・・軽すぎるというか
    それなりに楽しめました

  • いろんなところで胸がしめつけられます。

    「はっ・・・私のことだ」

    と、胸が苦しくなります。

    「今日も暇ですなー」
    と言いながら、

    現実から目をそらして
    自分の世界に逃げ込む。

    困ったときに
    「難しくて、わからんねー」
    と逃げる自分のようです(笑)

    そんな彼女も
    現実から目をそらせなくなり
    歩き出さざるを得ない。

    最後、

    彼女が自分の気持ちを爆発させ、
    そこから一歩踏み出すまでの姿を読むたびに

    いつも

    「私も頑張ろう」

    と思うのです。

  • 高層マンションの8階に住み、ほとんど帰って来ず、干渉もせずお金だけ毎月振り込む夫を待つ日々。暇つぶしにパチンコやゲームセンターに行くも満たされず、隣に住む少年に声をかける…。

    ダラダラとした日常を描いているが、マンションの管理や生協の受け取り、下の階の主婦に追い詰められるなど、当初の予想よりもストレスフルな日々が続く。

    そこからの脱却がなあ、まあ予想はしてたけど、困るとセックスに逃げてしまうんだよなあ。人間関係を築いて、セックスで壊す、というサイクルを繰り返してしまう。

    せっかくの猫も、最初にいろいろと困るのだけど、後半になるとトラブルの原因として使われず、必要だったのだろうか。

    塔に閉じ込められたラプンツェルと、マンションの8階に閉じ込められた主人公という発想は理解できるものの、もうちょっと動かない日々だって描けば十分に読み物になるんじゃないのかな。当初のやることがない日々のところと、ルフィオとファミコンやツインピークスを見ている部分が一番読んでいてしっくり来た。読んでいて辛くてやめたいとか、読みにくくてイライラするとか、そういうのはなく、ひたすらそっちじゃないんだけどなあとぼんやり見ている感じ。

    最後は最後でそうしないと終われなかったのだろうが、読者としてはそこまでを期待していなかったんだな。もっとパチンコ屋やゲームセンターの周りの街の描写だってあってよかったのではないか。

    1994年という時代がそうだったと言われれば納得はしなくもないんだけど。まあ、当時流行った、透明感を押し出したようなぼんやりおしゃれみたいなものではないのは好感。

  • 凄く読みやすくさらっと読める本でした。共感しにくい内容でしたが、一歩踏み出す事ってなかなか難しい事。最後前向きな終わり方は良かったです。

  • どう考えても正しいとは言えない主人公だけど、なぜか嫌いになれない。
    八方美人でふんわりと生きてきたはずの主人公が少しずつ少しずつ壊れていく様は怖いけども、実際にありえそうな現実味もあり、自分の居場所について考えさせられた。

    最後、お金も、物も、人も、無くした主人公がタビだけは頂戴と願ったことに、何故だか少し救われた。

  • おねショタもの読みたいな〜。と思って探してたら見つけた本。面白かったです。ルフィオやらダニーやらそして猫やら、ラプンツェルって題名にあるように現実感があるようでなくてどこかおとぎ話っぽい。ルフィオが言った「汐美ちゃんは、見てるようで何も見てねえよな。ちゃんと見てみろよ、言ってるから」にだいたい要約されている気がする。身一つになる(猫もいるけど)ラストは爽快でした。

  •  毎日暇に浸りきっている汐美。仕事が好きで滅多に家に帰ってこない夫。娘を劇団に入れステージママとして走り回っている隣人、箕輪。愛らしい外見をしているがプライドが高くいけすかない箕輪の娘、樹里。よく学校や塾をさぼっている、エリート中学に通う箕輪の息子、蕗巳(ルフィオ)。小柄で太っていて髪が薄く、しかし常識のある箕輪の夫ダニー。
     暇であること、何もないことがこれ以上ない幸せで、そんな生活に波風は立てたくなかった。でも、彼女は外を眺めてしまった。



     なんと、女性の感性で描かれた小説だろう、という感じ。なんとなく分かるような、分からないような、それとも分かりたくないのか、ああはなりたくないけどなんとなく理解できる感じ。男性には書けないだろうな。
     人は、本能を捨てて生きることはできないのだろうか。人は、他の生物にはない知能を持っていることで生々しい本能を薄めることはできないのか。それは対極にあるものではなく、全く別の質なのかな。
     でも、やっぱり中学生を好きになる気持ちは分からない。いいなぁ、青々しくて、キラキラしてて、触れてみたい、と憧れる気持ちは分かるけれども、いざ触れてしまえばどうしたらいいか分からなくなるのが普通じゃないか? 触れたところで、自分はもうそこには戻ることはできないのだから。それは決して恋焦がれる気持ちではなく、羨ましさに他ならないのだから。
     彼女がこれからどのようにして生きるのか、全く想像できない。田舎でなら女を忘れることができる、はずもないし、本人同士が認識しているように、数年後もお互いが想い合っている確率など恐ろしく低いのだし。
     べたべたに救いのあるエンドも確かにリアリティに欠けるという点では難があるけれども、この本の終わりはその先が想像がつかなくて、確かにそういう意味では非常に現実的で、なんだか、音もなく息を吐き出してしまった。自分がそういう確かな“先”への検討がつけられない毎日を思う時のように。

  • リアルな日常の中に、女性が中学生を好きになるってゆうのが、スルッと入ってきて、逆に怖かった

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著者プロフィール

1962年神奈川県生れ。OL生活を経て作家デビュー。99年『恋愛中毒』で吉川英治文学新人賞、2001年『プラナリア』で直木賞を受賞。著書に『ブルーもしくはブルー』『あなたには帰る家がある』『眠れるラプンツェル』『絶対泣かない』『群青の夜の羽毛布』『落花流水』『そして私は一人になった』『ファースト・プライオリティー』『再婚生活』『アカペラ』『なぎさ』『自転しながら公転する』など多数。

「2021年 『ブルーもしくはブルー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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