そして私は一人になった (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.30
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本棚登録 : 699
感想 : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041970140

作品紹介・あらすじ

「六月七日、一人で暮らすようになってからは、私は私の食べたいものしか作らなくなった。」夫と別れ、はじめて一人暮らしをはじめた著者が味わう解放感と不安。心の揺れをありのままに綴った日記文学。

感想・レビュー・書評

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  • 山本文緒さんの小説を好きになって、初めて読んだ山本文緒さんのエッセイ本。

    山本文緒さんは10代の頃はちっとも小説が好きではなかったことに驚いた。
    何でもいいから自分が面白そうだと思った本にチャレンジしていくことで、面白い本に出会うことができる。

    友達が多そうで活動的な印象を受けたが、その一方で人見知りな部分もあり繊細な山本文緒さん。
    山本文緒さんという人物が知れる面白いエッセイ本だった。

  • 第一弾『かなえられない恋のために』は夫と別居中31歳の時で、
    最後加えられた46歳のエッセイのほうがすごく面白かったです。
    年を重ねて成熟していったのかなと思う。

    この第二弾『そして私は一人になった』は離婚して一人暮らしを楽しむ34歳の文緒さんの日記。
    そして最後45歳のエッセイが短いけど衝撃でした。

    いま私が山本文緒さんのエッセイを初期から読んでいる一番の理由。
    それはなぜ彼女が酒をやめたのか知りたかったから。
    病気になって飲めなくなったとどこかにありました。
    知りたい。どうしてなの?

    「そして私は飲まなくなった 書き下ろし」

    ここにその答がありました!
    43歳になる前の春のこと。

    〈恥ずかしい病気を休業中に経験していたのだ〉
    〈私は耳まで真っ赤になってうつむいた〉
    〈私はぴたりと酒が飲めなくなった。体がまったく受け付けないのだ。(中略)嬉しいにつけ悲しいにつけ、アルコールを口にしてきた私がいきなり下戸である。愕然とはしたのだが、やがてじわりと安堵がわいてきた。
    ああ、もう飲まないでいいんだ。何故かそう思った。強がりを言っているのだと嗤ってくださっていい。けれど、あんなに好きだったお酒文化と離れることに未練はなかった〉

    あの病気が原因とは!ほんとうに驚きました。

  • 再婚日記から山本文緒さんのエッセイのファンになった。だらだらやる気がなくてそのまま過ごすのに罪悪感を感じていたけど山本さんの日記を読むとこれもこれでいいんだと思える。憧れの生活。インド旅行にでてくるクミコさんが本当に実在しなさそうだけど写真に写っていて面白い人がいたんだなと思った。

  • 2021.11.24

  • やっぱり山本文緒が私は好きです。共感100パーセント!

  • 離婚して、初めての一人暮らしをする自分の日記。
    この頃は、パソコンで執筆でなくワープロで書き、編集者が取りに来ていたのだと思った。
    時代は猛スピードで変わってる…

    終わりの方のページ、クミコの写真を見て、読んだことがあったことに気づく…
    でも日記部分をすっかり忘れていたので、まあよしとする。
    一人暮らし、こういう風にやりたいように暮らせるっていいな。

  • 書くという仕事はとても大変な精神力や忍耐力もいる仕事だと思うが、著者さんはキツイながらも快適そうに書かれていた

  •  離婚を機に人生初の一人暮らしを始めた32歳の著者、等身大の日記エッセイ。
     ほんとに、等身大!気取らず、カッコつけず、強がらず、楽しければ笑い、つらければ泣く。悲しいときは一人で悲しみが去っていくのを待ったり、友達に電話してクドクドと話を聞いてもらったり、ひたすらお酒を飲んだり。どこにでも転がっていそうな日常の細々した出来事の記録なのに、山本文緒さんならではの軽快でさっぱりした文体ゆえに唯一無二のものになっているような。当時の山本さんと今のわたしは年齢が近いからか、わかるぅ、わかるぅ、と、読めば読むほど共感の嵐だった。つらいのも悲しいのも自分だけじゃない、わかってたけどやっぱりみんな頑張って生きてるんだ、と思って少し元気出た。
     今後も山本さんの作品を手当たり次第にどんどん読む心算。

  • あーこのころまだネットなかったんやな。
    21p
    OLの頃に、異常とも言えるほど新しい洋服が次々と欲しかったのは、きっと自分が嫌いだったからなのだ。
    そして、最後にクミコ!

  • 山本文緒さんの離婚後の30代前半の日から
    30代後半を経て、鬱病を乗り越えた45歳までの日記エッセイ。

    人間らしくて、素直で繊細。なのに丸みを感じる文章。
    仕事に向かう姿勢や彼女らしさ。
    一冊に「山本文緒」がギュッと詰まった一冊。

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著者プロフィール

1987年に『プレミアム・プールの日々』で少女小説家としてデビュー。1992年「パイナップルの彼方」を皮切りに一般の小説へと方向性をシフト。1999年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞受賞。2001年『プラナリア』で第24回直木賞を受賞。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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