黒い家 (角川ホラー文庫 45-2)

著者 :
  • KADOKAWA
3.84
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  • / ISBN・EAN: 9784041979020

感想・レビュー・書評

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  • 貴志さんは2冊目、初読の青の炎が面白すぎて映画版まで見てしまった。その際に1Q84O1さんに、こちらオススメして頂き、やっとチャレンジ!
    角川ホラー文庫を買うのも読むのも初めて。
    表紙は電子書籍の方のデザインで手にとれた、この恐い家の表紙なら躊躇してたかも。
    面白かったー!!!
    オススメありがとうございます(*'▽'*)

    勝手に幽霊や心霊現象とか少しあるのかなと思ってたら全然違くて、良かったー
    生命保険会社側の内側模様を知れたりもしました。
    物語は生命保険を巡る事件事故に巻き込まれていく話から始まるが、最後にいくにつれてどんどん怖くなる……そこまでもう踏み込まないでいいよーやめときなよー若槻くん!って何度問いかけたことか…
    そして恵さん、なんか苦手。

    エレベーターのシーン恐くて、映画を観ているかのようなリアルな緊迫を紙の本からここまで感じられるのは、貴志さんがすごいのかな。

    やはり、オバケよりも、生きている人間が1番恐いんだな、、、、おっそろしいぃ(((o(*゚▽゚*)o)))

    あ、、悪の教典の上下も読んでた!ので、貴志さんの作品は、3作目でした!

    リカに続き、こちらを読んだ私の心理はいかがなものだろうか(^◇^;)次は違うテイスト挟もうかな。

    • 1Q84O1さん
      なんなんさん、こんばんは♪
      『黒い家』読まれたんですね!
      リカに続き、本作を読破( ̄ー ̄)ニヤリ
      なんなんさんの心理はズタズタに…
      いや、む...
      なんなんさん、こんばんは♪
      『黒い家』読まれたんですね!
      リカに続き、本作を読破( ̄ー ̄)ニヤリ
      なんなんさんの心理はズタズタに…
      いや、むしろ強くなっているかもしれませんねw
      これからは、ホラーが楽しい季節ですよ
      違うテイストを挟まずホラーで突っ走りましょう
      ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
      2023/06/13
    • なんなんさん
      1Q84O1さん、こんにちは!
      遂に読みましたよー(^^)
      メンタルは、むしろ強くなったかもしれませんw
      んーーー、心霊現象系ではないホラー...
      1Q84O1さん、こんにちは!
      遂に読みましたよー(^^)
      メンタルは、むしろ強くなったかもしれませんw
      んーーー、心霊現象系ではないホラーであれば読んじゃうかもしれません( ̄∇ ̄)
      2023/06/14
    • 1Q84O1さん
      メンタルがレベルアップした今のなんなんさんなら大丈夫!
      どんどんホラーいっちゃってください( ̄ー ̄)ニヤリ
      ってか、最近、わたしもあまりホラ...
      メンタルがレベルアップした今のなんなんさんなら大丈夫!
      どんどんホラーいっちゃってください( ̄ー ̄)ニヤリ
      ってか、最近、わたしもあまりホラーを読んでないです…
      2023/06/14
  •  ホラーです。強烈なホラーです! ゆ〜っくり、じ〜んわり恐怖が襲います。「身の毛もよだつ」体験をぜひこの夏、貴方も! 涼しくなりますよー。

     ただホラーと言っても、怪異や妖が忍び寄る怖さではなく「生身の人間の怖さ」です。生きている人間の底なしの悪意や闇、やっぱりこれが一番恐ろしいですね。この独特の恐怖と緊張感、そして読ませる展開とスピード感に惹き込まれます。

     生命保険会社勤務の主人公が、保険金支払の査定で不正請求の疑問をもち、独自調査を始めると同時に悪夢のトラブルに巻き込まれていく展開です。
     客からの執拗で病的な保険金要求、周囲へも広がる嫌がらせや脅迫まがいの描写は、かなり生々しく臨場感があります。
     本作は初版発売が1997年ですが、生命保険制度のモラルに付け込む悪意や病巣について、早い段階から社会への問題提起にもなっています。
     (ちょっと余談)ちょうど今、会社ぐるみで保険金不正請求したとして、「◯◯◯モーター」が世間を騒がせていますが、これはこれで怖い‥。

     貴志祐介さんは、8年ほど生命保険会社の勤務経験があるそうで、本書を読んだらハイ、納得です。この制度の悪用とホラーの絡ませ方が絶妙で、日本ホラー大賞受賞も頷けます。
     個人的には『青の炎』の鮮やかさと読後感の方が好きですが、また別の面の魅力を知らしめ、読者を恐怖の世界に誘う名作と受け止めました。

    • みんみんさん
      みなさんのレビューで
      みんみんメモ_φ(・_・が追いつかないです笑
      みなさんのレビューで
      みんみんメモ_φ(・_・が追いつかないです笑
      2023/07/27
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      あ、そっち(も)。なるほどー。
      でも、相互レビューの忙しさは〝嬉しい悲鳴〟では?
      あ、そっち(も)。なるほどー。
      でも、相互レビューの忙しさは〝嬉しい悲鳴〟では?
      2023/07/27
    • みんみんさん
      あっ!どっちも笑
      ブク友さんのレビュー参考に選び
      図書館で発掘し
      Amazonまでオススメしてくる笑
      あっ!どっちも笑
      ブク友さんのレビュー参考に選び
      図書館で発掘し
      Amazonまでオススメしてくる笑
      2023/07/27
  • 第4回日本ホラー小説大賞 作品ですが、呪力とか魔物とか超常現象によるところなく、日常生活を侵す恐怖を堪能できます。
    生命保険会社で保険金請求の査定業務を担当する若槻。彼が対応した一本の電話が、その後の恐ろしい経験の始まりとなります。
    彼は、指名され向かった顧客の家で、子供の死体の第一発見となります。そして、その子供の保険金請求の担当者となります。
    毎日、窓口に通う子の父親。自宅に続く無言電話。日常生活に沮止が出るほど、追い込まれていきます。保険金請求に潜む企み。子供の死因に疑いを持つ若槻は、この企みの真の首謀者にたどり着きます。
    ギリギリのところで、解決を見るのですが、日常に潜む恐怖なのでエンドレス仕上げになっています。
    生まれつき邪悪な人間なんていない、という考えが、一番危険なんでしょうねえ。

    • おびのりさん
      私は、羊たちの沈黙を思い出しましたよ。
      私は、羊たちの沈黙を思い出しましたよ。
      2023/03/30
    • みんみんさん
      虎狼の血2じゃなくて?
      リングとかは?
      ちょっとムリではないかと( ̄▽ ̄)
      虎狼の血2じゃなくて?
      リングとかは?
      ちょっとムリではないかと( ̄▽ ̄)
      2023/03/30
    • ゆーき本さん
      リングは大丈夫!
      虎狼の血2なんて話し聞いただけで観るの諦めてるー!( 'w' )
      リングは大丈夫!
      虎狼の血2なんて話し聞いただけで観るの諦めてるー!( 'w' )
      2023/03/30
  • 愛着のある本。ホラーに目覚めたきっかけでもあるし、オカルトが苦手な事を気付かせてくれた恩師改め恩本でもある。

    保険金殺人がテーマ。脳内再生は大竹しのぶで間違いないし、その流れで是非映画も見てもらいたい。
    彼女の演技が本当に怖い。

    人の闇って計り知れない。ひょんなきっかけで、自身もその闇に飲み込まれてしまうのやもしれない。考えるだけでぐずってしまいそうだ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      NORAxxさん
      人は自分に都合が悪いコトは気付かない振りをする。外側のコトは時代の所為にしたり、内側のコトは棚に上げたり。。。
      手に負えな...
      NORAxxさん
      人は自分に都合が悪いコトは気付かない振りをする。外側のコトは時代の所為にしたり、内側のコトは棚に上げたり。。。
      手に負えない闇が広がっている。と思っていますが、あちこちで小さいかもしれませんが、灯も。。。

      スミマセン猫の戯言です
      2022/04/23
    • NORAxxさん
      猫さん
      いえいえ、戯言とは思いません。本当に仰る通りだと思います。闇の存在を認知しておく事は何かの盾になってくれるやもしれないですね^ ^
      ...
      猫さん
      いえいえ、戯言とは思いません。本当に仰る通りだと思います。闇の存在を認知しておく事は何かの盾になってくれるやもしれないですね^ ^
      暗黒には暗黒を..な書物を求める時は是非一声かけてください(笑)
      2022/04/23
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      NORAxxさん
      > 暗黒には暗黒を..な書物を
      心強いお言葉ありがとう御座います。その時は是非短めのを、、、
      NORAxxさん
      > 暗黒には暗黒を..な書物を
      心強いお言葉ありがとう御座います。その時は是非短めのを、、、
      2022/04/23
  • 私たちはお金がないと生きていけない。お金と命は、常に天秤に掛けられている。誰が正気で、誰が狂っているのか。保険金を巡る事件は、日頃のニュースやドラマの中で多数の人にとっては、あまりにも非情に映るものだ。

    眉間に皺を寄せずには居られない。不気味で不愉快な執着と憎悪。
    物語の進行に合わせて、登場人物達が抱えるトラウマや、心の闇の輪郭が見えては消えてゆく。

    ホラー要素がたっぷり。怖っ!気持ち悪っ!ゾワッ。
    素晴らしく恐ろしい描写に鳥肌が立つ。
    私は読書の最中に、玄関、窓、浴室、壁、トイレ、照明、家鳴り。色んなものがいつもと違うという妄想に飲み込まれしまいそうで、何度か本を閉じて呼吸に集中するという時間を設けていた。

    個人的には金石の述べた思想には、深く同意する部分があった。あまりに割り切った考えである為に、全てに頷くことはできないが、読んでいてどこか安心感がある。

    決して救いのある物語では無いし、読者としても深く傷を負った気持ちになる。人はどこまでも、欲深く得体の知れない目的意識に、救済や犠牲を織り交ぜて個人や大衆を操り、また操られる。

    不足の事態に人々を金銭的に守り、支援するための制度が人を傷付け、殺したのである。
    保険金にまつわる物語の一つだ。

    読了。


  • 大手生命保険会社「昭和生命」の京都支社で保険金の査定業務の主任として働く若槻慎二。ある日 若槻は 顧客である菰田重徳から名指しで呼び出され菰田家を訪問する。訪れた廃屋のようなその『黒い家』は、息を止めたくなるような異臭を放っていた。

    家の座敷に通された若槻。人見知りだという子どもの名前を呼ぶ菰田。

    「あんた、ちょっと、そこの襖、開けてくれへんか?」「そこ、勉強部屋ですねん。和也は、そこにおるはずなんや。」

    襖を開けた若槻が目にしたもの…。

    男の子は、両手両足をだらりと垂らして、床から五十センチくらいの宙に浮かんでいた。

    ぎゃーーーーーー。

    首吊り死体の第一発見者にされた若槻。
    死亡保険金の請求に毎日会社を訪れる菰田。
    菰田の不審な態度。これは少年の自殺ではなく、菰田による殺人なのではないか。独自調査を始めた若槻に悪夢のような日々が待ち受けていた…。

    ぎゃーとなりましたが、実は前半 余裕でした。
    生命保険会社に勤務経験のある作者さんだけあって、
    実際に起こり得るであろう保険金詐欺や 保険金目当ての殺人の手口に ふむふむ。「死」を扱う仕事は大変そうだわーと。

    心理学者が語る「サイコパスとはなんぞや?」のページは意味不明で退屈で…。

    あれ?あんまり怖くないぞ。大丈夫だぞ。





    いやいやいやいや

    後半の畳み掛けがすごい…。

    ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

    ハッ!だめだ!シーーーっd(ºεº;)

    息を殺して、、、気配を消して、、、

    ほら!
    若槻!後ろ!!!

    サイコパス怖い……。

    (((;°Д°;)))カタカタカタ


    はい、ひまめろさん
    どーぞどーぞ ( ꜆..)꜆

    • みんみんさん
      しのぶが凄まじいのよ笑
      ほら!!後ろに!!ぎゃ〜!!
      しのぶが凄まじいのよ笑
      ほら!!後ろに!!ぎゃ〜!!
      2023/08/19
    • ひまわりめろんさん
      いや、お盆中はホラー読んだらあかんやろ
      常識やんそんなの
      呼んじゃうよ?知らんの?
      いや、お盆中はホラー読んだらあかんやろ
      常識やんそんなの
      呼んじゃうよ?知らんの?
      2023/08/19
    • ゆーき本さん
      おもいっきりお盆休み中に読んじゃった…………。
      おもいっきりお盆休み中に読んじゃった…………。
      2023/08/20
  • 『黒い家』
    今から約25年前の作品なので時代錯誤で違和感を感じる描写はあったが、まさに戦慄のホラー小説!!十分に楽しませてもらった。

    物語は生保業界を舞台とし、主人公の若槻慎二がモラル崩壊に直面した現代社会の悲劇に対峙する一方で、連続して起こる悪夢のような恐怖の中、人間の尊厳や希望を読者に訴えかけてくる。

    ハラハラと心臓に悪いノンストップのホラー描写が、緊迫感と臨場感たっぷりで、残暑厳しいこの時期にはピッタリだった。でも安眠を妨げる可能性大なので就寝前は控えた方が良さそう・・・

    窮地での若槻の行動が明らかに恐怖を助長させていて、判断ミスが上手い具合に物語を盛り上げていた。ホラー映画でよくみる「えー、なんで今それするの?先にこっちでしょー!泣」的な感じ。でもきっと、そんな緊迫した状態だと本当にそうなるのかも・・・

    装丁デザインがあまりに恐ろしく、即ブックカバーで覆い、読み終えた後も伏せたままだった。笑
    最初から最後まで、男気のある葛西さんと、恋人の恵さんの存在が唯一の救いに感じた。

    いやぁ〜それにしても怖かった〜!
    怖すぎる!臭いもしないし、誰もいないのに挙動不審になった。
    そして、読後の解放からくる安心感。笑

    ホラー好きには絶対に読んでいただきたい名作!

  • 生保の支払い査定してる若槻さんが、お客に呼び出されて行ったら、死体の第一発見者になった‼︎
    その件の保険請求がされるけど、若槻さんは保険金殺人を疑って請求者と...な、お話。

    怖い...ひたすら怖い(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
    現実味はあまりないですけど、追い詰められ感半端なく、ドキドキしながら読みました!
    ガタブルでした((((;゚Д゚)))))))

  • 想像以上に怖すぎた!後半は展開が気になって頁を捲る勢いが加速。人の執着心とはこんなにも恐ろしいものか。人の闇を垣間見た。鬼気迫る情景の描写が鮮明で血の臭いがこちらにまで蒸し返してきそうで気持ちが悪くなった。現実ではこんなことが無いことを祈る。

  • 怖い!怖すぎる。
    臭いまでしてきそう。
    気味の悪さで一気読み。
    振りきった狂気に身の毛がよだった。
    いやーめちゃくちゃ面白かった。

  •  1997年第4回日本ホラー小説大賞で大賞を受賞した昨品。
     ホラー小説ではありながら、保険金のためなら何でもしてしまうという一種の保険金搾取がテーマになっており、現代に暗い影を落とす作品になっている。
     20年以上前の作品だが、現代でもこのテーマは褪せることなく存在しているので、そういった意味でも十分に読み応えのある作品と言える。
     生活を守るための保険が、かえって殺人や傷害を助長してしまっているのではないかという現代社会の矛盾点に切り込んだ本格長編。

  • 人間が一番怖いと思った作品。
    本書には黒い家や菰田幸子から発せられる強烈な「臭い」が要所要所で描かれているのだが、それが何よりもこの作品の生々しさや狂気性、おどろおどろしさを読者に与えているような気がして、個人的にすごく良かった。
    自分のフェチ的な部分もあるのだが、臭いには視覚や聴覚を超えて、生理的にダイレクトにくるものがあると思っているからだ。
    保険会社の細かな実情なども交えて描かれていたのだが、ホラーという枠に収まらず、保険金犯罪や人間のモラルの崩壊と言った社会的な問題にも触れている。「サイコパス」という題材をこの本が執筆されたという90年代のころから取り扱っていたという点も、この言葉が昨今聞き慣れた存在になっているということから、この本が危惧しているような問題に次第に直面していっているように思う。
    この物語で印象的だったのは菰田幸子の狂気性もさることながら、菰田幸子の旦那であり、その心の孤独や傷につけ込まれて取り込まれてしまったであろう菰田幸徳。
    幼いころの拙いながらも寂しさに満ちた夢の作文や、動物を可愛がる描写などから、本来優しい心の持ち主なのだと推測できる幸徳は、菰田幸子につけこまれ、保険金の取立てや、腕を切り落とされたり、さらには自殺という最悪の結末を迎える。
    彼が悲しく不憫でならない。
    良心の呵責の欠如した人間の怖さを描きながら、そんな人間が溢れかえるかもしれないという今の世の中への警鐘と、人格形成における科学にまで触れた、ホラーでありながら非常に深い物語だと感じた。

  • 80ページ近くにならないと物語の本筋には入らないけれど、そこを超えればあとは面白くて夢中で読めた。

    金の亡者になり果てた女の異常すぎる狂気が本当に怖くて、特にクライマックスの部分では読んでるこちらも緊張してしまったほど。
    そして、外側からは分かりにくい生命保険業界の内情を丁寧に描いている辺りは、やはりこの業界出身の筆者ならではという感じ。

  • うわぁー。
    これは怖い((( ;゚Д゚)))

    追い詰められていく描写が怖すぎて、ページを開くのを躊躇させられる。
    そんな怖さがある。

    ミステリーって、ホラーより怖いよなぁって思うのは、こういう人種が実際に居てもおかしくないからなのだろうな。

    自分まで追い詰められていくような、そんな恐怖を体験した。

    読者を引き込むようなストーリーは圧巻で、さすが貴志先生。
    のめり込んで読んでしまった!

  • ミステリーかと思ったらホラーだった。
    追いかけてくるシーンが怖すぎて、一気に読んでしまった。

  • ドキドキしながら読んだ。
    あ〜〜怖い。いわゆる生きてる人間が一番怖い話。
    少しカタルシスもあったのでそれも好き。

  • 完成されたサイコパス系ホラー小説です。作者のこだわりが手に取る様に分かる、一切妥協点の見つからない完璧な作品でした。

    物語の題材は、現実でもたまに耳にするような「保険金殺人」です。生命保険会社に勤める主人公が、他殺の可能性がある一件を調査していくうちに、サイコパスの怒りを買い、標的にされてしまうというストーリーになっています。

    保険会社の内情や、度々起こる問題、そこで働く心情などが細かく書かれているのですが、全く「くどい」と感じることはなく、むしろ読み手の好奇心を助長するような感じで、あっという間に読み終えてしまいました。

    また、実在した過去の保険金殺人を挿話したり、主人公の心境を主人公が好きな昆虫で表現したりと、細かいところまで凝っており、重要な登場人物一人一人に役割りを持たせ、「なるほど」と言わざるを得ないようなさりげない付箋の回収は、読んでいて気持ちが良かったです。



  • 貴志祐介作品に初挑戦。

    人間の怖さに焦点を当てたホラー作品。
    主人公に身の危険が迫ってくるあたりから、目が離せなくなりました。貴志祐介の他の作品も読んでみたくなりました。

    どんでん返し系ばかり読んでたから、このようなジワジワ恐怖増す系もまたありやなぁ〜

  • 悪の教典から貴志ワールドの虜に。

    活字を読んでいるのに情景が脳裏に浮かんでくる。

    同時に音や悲鳴も聞こえる気がしながら読み進めました。

    間違いなくお勧めの一冊です。


    説明
    受賞歴
    第4回(1997年) 日本ホラー小説大賞受賞

    内容紹介
    顧客の家に呼ばれ、子供の首吊り死体の発見者になってしまった保険会社社員・若槻は、顧客の不審な態度から独自の調査を始める。それが悪夢の始まりだった。第4回日本ホラー小説大賞受賞。

    内容(「BOOK」データベースより)
    若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。

  • 小説で「ホラー」というとどんなものなのかと思ったのだが、とても緊迫感のある内容だった。
    特に終盤のハラハラ、ドキドキ感は最高だった。
    貴志祐介さんの他の作品も読んだことがあるが、なんとなく難しく読んでいても、最後は必ず気持ち良く終えれる気がする。
    面白かったです。

  • 実際に起こり得る事であり、確かに怖い。
    描写も上手く、異質さなども実際に起こりそうで面白い。
    少し分厚い文庫だったが先が気になり割とスラスラ読めました。
    主人公の鈍臭さが途中イライラしましたが、現実ではそう上手くは行かないよね…。
    怪異的ホラーではないが、実際に起こり得るホラー…面白かったです。

  • タイトルから幽霊怨霊系なのかと思いきや、まさかの人間味溢れる恐怖のサイコパス物語!!(;ꏿöꏿ;)
    殺人鬼との対決は心臓バクバク、、黒い家の中も気味悪くてリアルに想像できた。はぁ〜、、怖かった…


  • 純粋に怖かった。
    切迫したシーンでは、文章を読み進める毎に
    心からハラハラし、冷や汗をかいた程。
    本当にドキドキした。

    生命保険について何ら知識がなくとも
    都度、丁寧に説明が成されるため
    頭を抱えることなくサクサクと読めた。
    扱う人によっては堅くなる背景だとも感じたが
    中弛みすることもなく一気に楽しめた。

    そして、事件自体は終結したものの
    更なる事件を匂わせるようなラスト。
    こういう業界はここまでと行かずとも
    (流石に創作であるし)、恐ろしい側面とは
    常に戦っているんだな…と感じさせられた。

  • 久々にホラー、面白かった。
    生命保険とは、統計的思考を父に相互扶助の思想を母として生まれた、人生のリスクを減殺するためのシステムである。←ここすごい納得するまとめ

  • すごく怖かったです。
    ちょっと主人公にイライラしました。
    終盤の展開が激し過ぎてすごくハラハラしました。
    数日かけて読んだんですが、途中で夢にも出てきました。本当に怖かった。
    ホラー初心者なのでしばらくは暖かいもの読みたいです。

    • シナモロールさん
      なかなかのホラー作品だったかと思います。
      映像化もされていますね。
      なかなかのホラー作品だったかと思います。
      映像化もされていますね。
      2023/10/26
  • 国内ホラーの代表作とも言える本作
    読もう読もうで何年経ったか…やっと読めて嬉しい
    400ページもあって、かつ字も小さいので読み切れるかと思ったのも杞憂でかなり面白かった

    普段は短編しか読まないから、
    長編にある冗長とも言える表現が後から後からパンチとして効いてくる様に感嘆

    個人的にはグッと引き込まれるポイントが3つほどあり、ページを捲る手が止まらなかった。
    内容は人怖系で、保険会社の支払い担当というと、自身の前部署と同じなので読みやすくもあった。

    オチはもう少し怖くてもいいのかなーとも思った。

    なんにせよ名作でした

  • 後半、臨場感あふれる手に汗握るシーンが多い。恐怖という言葉を体現したようなキャラクターを描く天才。

  • 一度読み始めたら絶対と言っていいくらい途中でやめられない傑作。後半の怒涛の畳み掛けがすごい…

    今作は生命保険業界と京都が舞台だが、男心をくすぐるような細かな知識や描写に溢れている。このリアリティがより恐怖に真実味を与える重要な役割を果たしていると思う。まさに地続きの恐怖体験となる。

    そして段々と正体を表してくる殺人鬼。一番この殺人鬼のヤバさが分かるのが後半の病室のシーン。暴力を振るうとかはなく、ただ会話しているだけなのに、自分とは根本的に違う異質さみたいな気味の悪い感覚が肌を這う。去り際に放った言葉にはほんとうにゾクっとした。

    蒸し暑い夏の夜でも寒気が感じられて非常にオススメです。

  • 幽霊とか不思議なものは一切出てこないけど、十分ホラーだった。
    最初から最後まで、生きた人間怖…と思いながら読んでいた。

  • ガチで怖すぎて、夜中に絶対読まない方がいいです。後半の畳み掛けがエグいです。

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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