クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 10069
感想 : 1104
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  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041979037

感想・レビュー・書評

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  • 久々の貴志祐介さん作品。帯が全てを物語っています。片時も展開に目が離せません。とにかく怖かった……。次はほっこりするお話を読もうかなと思います。

  • この本を手に取って驚愕する。
    ホ、ホラーですと!?
    もともとホラー系は苦手だったのに、ちょっと前に読んだジャック・ケッチャムで決定的に苦手になったので、読むか読まないかしばし悶絶する。
    意を決して読んでみたら、『バトルロワイヤル系』っぽい。
    無理かも…。

    と思ったのに、なんでしょうこのリーダビリティ。
    人と人が殺し合う。
    その内面のおぞましさのうえに、外面的にもおぞましくなる人たち。
    追いつめられていく主人公は、もちろん読者の心情とシンクロしてくる。

    主人公は会社が倒産し、妻には財産を持って出ていかれ、ホームレスにまでなった男・藤木芳彦40歳。
    目が覚めたら見知らぬ場所(深紅の奇岩が山のように連なっている)。
    記憶もはっきりしない中、そばに置いてあった携帯用ゲーム機の指示に従って第1のチェックポイントを目指す。

    もう、続きが気になって気になって、読むのを止められない。
    はっきり言ってご都合主義的な部分は結構あった。
    元証券マンがボーイスカウト経験者だからといって、随分と動物の生態に詳しかったりとか、やけに危険に対する勘が鋭かったり。
    絶体絶命の状況になっても、何かしらの偶然で助かったり。

    だけど、だから、余計に場所の特定がなかなかできなかったのが不思議。
    いくら「火星へようこそ」とゲーム画面に表示されたからといって、火星の空気や重力を考えると違うとわかるでしょ?
    火星だったら月がふたつあるはず、なんて思うより先に、そこに気づけよって思ってしまう。
    というのも表紙がある程度のネタバレになっているので、私がすぐに場所の見当はついてしまったからかもしれないのだけれど。

    あと、解明されていない謎も多くて、突如突き放されたかのように物語が終わる。
    これは後日談を書くつもりだったってことなのかな。
    ちょっと中途半端なエンディングだった。

    けれども、やっぱりこの作品がひきつける力というのは間違いなく強くて、中途半端なエンディングをもってしても面白かったと言わざるを得ない。
    読み終わったのは深夜だったので相当怖かったけど、読んでよかったわ。

  • 一気読みしました。サバイバル・デスゲームものです。
    話の展開はシンプルで、アイテムから予想できるところもありますが、この物語を参考にしたと思われるデスゲームを見てきたせいでしょう。ハラハラさせられっぱなしでした。
    すべての謎が明かされないまま結末を迎えますが、それもまたいい。
    この物語の舞台となった所はどんな所なんだろう。行ってみたいとは思わないけど気になります。

  • 面白かったです。
    デスゲームの先駆けのような作品でした。
    あれだけ岩登るなって言われてるのに、何回も登る主人公。ペナルティが課せられないのは納得が行かないし、他にも探せば無数に出てくるツッコミどころですか、手に汗握る展開は多く、ハラハラさせられました。
    組織の闇を感じさせてエンドって展開も、個人的には余韻が残ってて好きです。

  • ザ・デスゲームという感じでした。最後など突っ込みどころが多かったが、一気見できるような小説でした。

  • 人間の恐ろしさを見せつけられた物語だった。
    危険な哺乳類に人間が挙げられたのが盲点だった。人を殺すことに躊躇しなくなったら、あの場で1番狡猾で的確に致命傷を負わせてくるのは人間だろう……
    物語が後半に入ってからは、生きるか死ぬか、やるかやられるかの緊張感でますます読む速度が早くなった。なんとなく先が読めていても次々と文字を追って楽しめた。

  • クローズドサークル内からの脱出ゲーム。凄惨なゼロサムゲームは仕組まれたものだった!?

  • 物語の展開が早く、伏線の想像がつきやすいため、気楽に読み進めることができた。最後の終わり方が物足りなさがある

  • めちゃくちゃ面白い。今まで読んだ小説ベスト3には入ります。
    読んでるうちに続きが気になって仕方がない。

  • 目覚めると見知らぬ土地。 そこで行われる命をかけたゼロサム・ゲーム。 面白くって読む手を止めることなんて出来ない! 中盤以降の恐怖が迫る臨場感。 最初から最後まで飽きさせない展開。 グロを上回るドキドキわくわくで一気読みです! 私なら第1CPでBAD ENDかな笑

  • これこれ!
    このサスペンス、スリル!
    これを求めていたのです。やっぱり、読書って、その作家さんに求めるものってある訳だけど、この方の場合は、これとしか言いようがないよね笑
    なぜゲームに参加することになってしまったのかはもちろん気になるけど、よく考えるとそんな事情よりも、よみたいのはサバイバルなので、逆にそこを曖昧にしたのが好感だと思います。不完全燃焼とかいう方もいるけど、多分あえてこういう形にしたんじゃないかなと。

  • 藤木芳彦が目覚めると、そこは見知らぬ紅の世界だった。
    傍らに置かれていたゲーム機を起動すると、そこには「火星の迷宮へようこそ」というメッセージが。
    そして、集められた 9 人の男女による過酷なデスゲームが始まる……。

    貴志祐介の作品の中でも人気作ということで、タイトルは知っていたのですが、今回やっと読了。
    面識のない 9 人が疑心暗鬼になりながら腹のさぐりあいをする序盤から、メンバー間の対立が表面化し殺し殺される過酷な状況に追い込まれる終盤にいたるまで、息つく暇もないほど物語が進行していき、一気に読み終えてしまいました。
    本作は主人公である藤木芳彦の視点で語られていくのですが、ゲームが進むにつれ凶悪さを見せるようになる他の参加者の描写が鬼気迫っていて、冷や汗が背をつたうような恐怖感、緊迫感が嫌というほどに伝わってきます。

    よくあるデスゲームものでありながら、緊張感のある展開や生々しい描写が際立っていて、非常に読み応えがありました。

  • ★4.5
    うーん!新世界より、死ぬほど好きで、おすすめ本にこれが出てきて読んでみて本当に正解!
    独特な怖さが癖になる。
    ラスト主人公だけが助かったが、なんでいきなりあんな世界に放り込まれたのか、屍喰鬼ってどうしてできちゃったのか。詳細が明らかにされないまま終わってしまったので不完全燃焼感がありました。とにかく屍喰鬼怖すぎるし、猛毒蛇あんなにいたら公園開園できなくね!?みたいな、笑
    でも世界観とか、人間の欲にまみれた汚さとか好き。

  • サバイバル要素や食屍鬼、火星の迷宮の真実など、気になる点が多々あり、先が気になってすぐ読めました。
    序盤から藍が何か重要な役割を担っていると感じましたが、義眼という発想なかったです。
    面白かったです。

  • 面白かった。色々回収されていくし、テンポも速い。このジャンルって非現実さや奇抜さが先立ってしまい面白くするのが意外に難しいような気がするが、気持ちよく読めた。「雀蜂」より面白く、「青の炎」には敵わない感じか。

  • 面白かったです。
    映画を読んでるようでした。
    ただ、貴志祐介さんの青の炎が大好きなので、読む前から個人的にハードルが高くなってしまい、今作の読み応えは、物足りなかった印象です。
    内容で、そのシーンいる?みたいなところがあり、読んでいて、引っ掛かてしまいました。
    ハラハラドキドキはしたのは確かです!

  • 面白い。
    続きが気になってどんどん読めてしまう。

    が、貴志祐介の作品として考えると、ラストがちょっと物足りない。
    これが初貴志祐介の方は、他の作品も読んでみてほしい。

  • 面白かった!ビデオの観客と同じようにスリルとホラーを好んでしまう読み手も若干刺してくる作品だった。

    舞台設定が本当に良く、読ませる小説だった。
    密室デスゲーム系の舞台を広くしたのも、情報で自分達だけが得ができる今の流行りで言う賢者チート的な要素もかなり面白かった。

    言った人は違うが、「お互いに協力しましょう」という言葉が前半と後半で出てきてこの言葉の対比の緊迫感が良いな〜!と感じた。

    ゲームブックも良い装置だったと思う。
    貴志祐介は追う、追われるものを書くのがとても上手い。あと殺人に関する嫌な感じもとても上手い。長生きして欲しい。

  • 今でこそありふれたジャンルですが、書かれた当時は珍しかったのではないでしょうか。
    あの人の正体は予想通りだったものの、スリル満点で、先が気になって気になって仕方ない作品でした。
    オチについても納得しています。非常によくできた物語でした。

  • めちゃくちゃ面白くて、どんどん読める!
    一方で、ラストが「え?こんな感じ?」という終わり方だったので、少しがっかりした。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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