青の炎 (角川文庫)

著者 :
制作 : 角川書店装丁室 
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 10352
レビュー : 1377
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041979068

感想・レビュー・書評

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  • 終始重い話だった。主人公はサイコパスでもなければパラノイアでもない普通の17歳の少年。
    大切な家族の平穏な日常を取り戻す為に、完全犯罪を執行する。

    入念に叩いた石橋は少年の思った以上にもろく
    未成年故の詰めの甘さに(手馴れてたらそれはそれで問題だけど)読者は焦燥感に駆られること必至。
    ラストはもぅ息苦しくて、会話の応酬を追ってくのが辛かった。
    映像より活字の方が切迫感が半端ない。ハッピーエンドなんて最もかけ離れた話だけど、私はこういう作品が好きだったりする。
    “男性作家さんならでは”なディテールですが毎回一気に読ませる文章力は流石です。お陰で今日は食欲が…無い。

    • imuzak12さん
      これ、イーベイで負けて購入できなかったんです。「黒い家」を読んだのですが、これも面白そうですね。今度チャンスがあったら絶対手にしよう。
      これ、イーベイで負けて購入できなかったんです。「黒い家」を読んだのですが、これも面白そうですね。今度チャンスがあったら絶対手にしよう。
      2013/05/17
    • imuzak12さん
      「悪の経典」の映画予告を見て無性にがっかりしたというか、非常に安っぽく感じたというか。。。それで、もう鼻から読む気が無かったのですが、本の方...
      「悪の経典」の映画予告を見て無性にがっかりしたというか、非常に安っぽく感じたというか。。。それで、もう鼻から読む気が無かったのですが、本の方、面白かったですか?それならば・・・(^^) とりあえず今のところはメモッといて、機会があるときに手に入れます!
      2013/05/18
  • あまり読後感はよくない小説。
    たまたま、正月に実家に帰省した際、実家の本棚にあったので暇つぶしに読みました。

    家族のために完全犯罪を決意する少年のお話ですが、『悪の教典』を読んだ後なので、「ハスミンだったらもっとうまくやるよ!」みたいなことを考えてしまいました。

    読後感は、「おーぅ……」とアメリカ人のように額に手を置いて天を仰ぎたくなる感じでしたが、ストーリー展開の小気味よさは心地よかったです。
    着々と準備されていく殺人計画にもちょっとどきどき。
    少年ゆえの不完全さや危うさ、大人から見ると明確に経験が足りていない様子、その経験不足からくる思い込み等々が相まって、制止したい気持ちと励ましたくなる気持ちが交錯。

    まぁでも、殺しちゃだめだよ。

  •  サークルの同期の友達に薦められた本。2003年に映画化されていた事実すら知りませんでした。気に入った著者の本しか読まない傾向にあるので、いろいろな本を紹介してくれる友達はありがたいです。
     推理小説の一種(倒叙推理小説)なんだろうけど、従来の倒叙推理小説とは違う趣がある。概ね犯人側に立って「犯罪がバレなければ」という思いを抱きがちな人にとっては、ラスト100頁くらいは「気になってしょうがない」という気持ちで一気に読めるのではないでしょうか。伏線とかもしっかりしていて、ちょいちょい出てくるペダントリーも伊坂ほど気になりませんでした。万城目氏にしてもこの貴志氏といい、京大出身の作家は上手いですね。ポスト島田荘司世代も京大ミス研出身者が多いし。
     ラストもありきたりな終わり方ではなく、多少の余韻を残している。3時間ほどで一気に読んでしまった。読ませる力がある本だと思う。
     舞台が「鎌倉~藤沢」を中心となっているので、こういう場所にゆかりがある人はより一層楽しめるのではないでしょうか。最近のミステリとしてはよく書けていると思います。

  • 高2の櫛森秀一は、母友子の別れた再婚相手である曾根隆司の突然の不法滞在による縦横無尽の生活で、家庭が壊されていくのを打破するために、「殺人」という完全犯罪を行う。しかしそこには大きな落とし穴があった。

    この作品は主に、家族を守るがゆえ深みにはまっていく秀一の葛藤を描く。
    テンポのいいこの物語は、序盤から読者の心臓を鷲掴みにするような息苦しさと緊張感の世界に一気に引き込まれる。

    私は、世の中に正しさと秩序を求めるには救いが少なすぎるといささか感じる。
    だから代わりに少年が正義を執行したのだと思う。そして、彼の手は汚れてしまった。彼にとってあの光景は、一生忘れられることのない一瞬として、今後の人生を大きく変えていくだろう。

  • 1人目は仕方ないと思ったけど、2人目はないなー。最後の結末は納得いかない。
    逃げるなよ!
    残された母・妹は殺人者として逮捕されるより辛すぎるよ。

  • 青春小説としても読めるので、切なかったです。特にラストの場面では秀一にはもっと別の未来もあったのでは…と感傷的な気分になりました。

  • 「青の炎」。このタイトルは本当に象徴的だ。
    主人公・秀一の心象風景が描かれている場面では、不気味で無機質な熱さが伝わってくる。
    家族のために殺人を計画する秀一。
    もちろん逮捕されることなど前提にはなく、いかに罪を免れるかを考えながら準備は進められていく。
    特別変わったところなどない、友だち付き合いのいい普通の高校生だった秀一。
    犯罪にはたいていどこかに穴があるものだ。
    綿密に練ったはずの殺害計画にも、思いもかけない落とし穴が待っていた。
    憎むべき相手を殺したために、憎しみも怨みもない人間を殺さなければならなかった秀一の哀しみが切ない。
    たった一人の人間が現れたために壊れていく幸せな空間。
    必死にそれを守ろうとした秀一が哀れでたまらない。
    若さゆえの暴走と言ってしまえばそれまでだが、もしも・・・と何度も考えてしまった。
    母親がもっと早くに真実を秀一に告げていたら。
    二度目の犯罪に手を染める前に思いなおしてくれていたら。
    秀一がした最後の決断が哀しすぎて、たまらない気持ちになった。
    純粋な思いだけが彼を支え、彼を動かし、そして彼を追いつめた。
    年齢を問わず一度は読んでほしいなぁと思った物語だった。
    文庫本の表紙にも写っているロードレイサー。
    物語で最も重要な役割を果たしているアイテムだ。

  • 綿密に練られて、上手くいくように思われた櫛森の計画が最終的に破綻してしまう。最初に犯人の手の内を明かして、そこからどんどん暴かれていく様は、見ていて痛快。しかし、櫛森に対する同情も同時に湧いてくるという、いろんな心情にさせられた小説だった。

  • 10年以上前に映画を見てたから結末を知ってたけど、本当に悲しい救いようのないお話。そして映画の影響で秀一は完全に二宮和也で再生された。
    二宮和也ぴったりでしょう!!!
    まだ高校生の秀一が母と妹を義父の曽根から守るために完全犯罪をするお話。トリックとかよく思いついたなあ!と感心するし本当に秀才な高校生だし完璧な犯罪だと思いきや、やっぱりまだまだ高校生で詰めも甘く、あっけなく証拠を残してしまうところとか、学校では友人や彼女と無邪気に話してるとことか、でも一歩引いてものごとをかんがえたりとかその葛藤がなんとも切ない。
    最後の結末も、被疑者死亡しかないか、、、と思い詰めたり本当になんという人生なの!可哀想すぎる。
    しかも何より実は曽根が末期がんで何もしなくても死亡してたとか、、、そんなのって辛い、、、もっと早くその事実を教えてやってよ!
    秀一はいいやつだから、そんな結末じゃなく真っ当で明るい人生を歩んで欲しかった。

  • 秀一の家庭、友人、そして大切なあのこに対する熱い思いが文面からひしひしと伝わってきます。
    もし自分が秀一の様な家庭環境だったらと考えると、決して彼のとった行動を否定できません。
    最期は愛する者の為に。。。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年『十三番目の人格-ISORA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2017年 『ダークゾーン 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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