青の炎 (角川文庫)

著者 :
制作 : 角川書店装丁室 
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本棚登録 : 10355
レビュー : 1377
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041979068

感想・レビュー・書評

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  • 切なすぎる作品。特に後半からラストまでは本当に切なく、涙が止まりません。紀子の一途な想いには胸が痛く、秀一の行動には胸が苦しくなります。曾根と拓也以外はみんないい人なのに…でも大好きな作品です。
    この作品を読んで倒叙推理小説というジャンルに興味が湧きました。

  • 貴志作品を読んでいていつも思うのは、作者が男性だからか男性心理や描写にはリアリティがあるが、ヒロイン役の女性にあまりリアリティを感じないこと。
    『黒い家」の恵しかり『悪の教典』の玲花しかり、なんとなくいけすかない女だと個人的には感じてしまう。
    とはいえ、貴志作品はテーマの面白さやテンポの良さ、男性主人公描写のリアリティ等魅力的なものが多くちりばめられており、この作品においても同様である。
    ヒロインの典子は相変わらずいけすかないものの、『家族を守る』という形で戸籍上の家族を殺める主人公の葛藤など、良くできていると感じる。

  • すごい切ない話しだった。
    人間にはいろいろな状況や立場、守るべきものがあるけど、本当にこの最後しかなかったのか、この最後だから深く胸に刻まれるのか。
    感動しつつ、悲しい話しだった。

  • とてもやるせなくなる作品。
    何かひとつでも歯車がずれたら良かったのに。

    貴志氏の作品にしては青春小説っぽい。

  • これが考えうる最善の(いや、「善」ではないのだが)ラストだ、ということは理屈では分かるのだけれど、
    すっっごいモヤモヤ感のある読後感。

    殺す前に、この結末を見据える前に、もっと他にいくらでもやり方があったはずだ、
    と彼に説いてやりたくなるけれど、
    あの時には「もうこの方法しかないんだ」としか思えなかった。
    それが青春、若気の至りっていうものなんだろう。

    でも少年よ、君はもっと、周りの誰かを信じてもよかったはずだ。
    それから、自分自身の弱さ、無力さと、周りの皆の強さ、優しさについて、知るべきだったんだ。

  • 貴志祐介三作品目。
    ISORAでちょっと離れて、悪の教典でおもしろいー!! ってなっての三作品目です。
    悪の教典に続く感じがあって、すごく興味深く読んでました。
    前半はものすごいハイスピードで、後半は少しゆっくりと。
    ラストはかなり切なかった。
    まぁ、そうするのが一番なのかもしれないけど……でも、それだと主人公が報われなさすぎる。

    てか、お母さん、曾根がもうすぐ死ぬって秀一に教えてやってよーって思った。
    そうすればこの事件は起こらなかったはずなんだし。
    お互い相手を思いやるが故に隠した様々なことが、こんな悲しい結末を有無だなんて……なんかやりきれないなーって感じです。

    てか、この作者さん、ほんとに頭いいよね。
    難しい話をわかりやすい文章で書いてくれるので読んでいて心地いいです。
    貴志さんは引き続き他も読んでみたいなー。

  • 主人公である高校生の秀一は、母親と妹の3人家族。そこに母親の元再婚相手である曾根という男が転がり込んでくる。曾根は秀一の家に勝手に居座り、酒浸り、金を巻き上げ、幸せだった家庭を容赦なく破壊していく。そんな曾根に対して沸き上がる秀一の怒りと憎しみは、やがて青い炎となって彼の身を焼き尽くす。母と妹を守るために秀一が選んだのは「完全犯罪」による「強制終了」。一見完璧に見えた犯罪だったが、親友だった拓也に殺人の証拠を握られ、ゆすりを受けるようになる。そして、秀一はとうとう親友に対しても青の炎を突き付けることになる――。高校生の秀一には、あまりにも重すぎた現実。やりきれなさと絶望感に胸が締め付けられる圧巻の一冊。

  • 櫛森秀一、17歳。愛する母と妹を守るため、彼は自らの手で全てを終わらせることを決意した。その内に静かなる青の炎を宿して。

    再読。『告白』を読んでまた読み返したくなった。初版が1999年、「キレる17歳」という単語が流行したのがちょうど2000年。しかし、本作の17歳は「キレる」とは程遠く、冷酷そのもの。それ故に切ない。計画から実行に至るまで、秀一の微細な心情の変化を感じ取りながら、あまりに哀しい最後を味わい下さい。

  • 先日貴志さんの小説を読み面白かったのでこちらを購入。
    主人公の母と妹を守る決意を固めた所から犯行に至るまでの経緯と、犯行後の気持ちを考えるととても切なくなりました。読んでいると主人公自身がとても達観した考えの持ち主なのかな、と思いましたが随所に年相応の描写があり、それだからこその最後の展開に驚き、納得しました。
    主人公・秀一の17歳としての青さと、憤怒の青い炎が生んだ高校生の完全犯罪。題名にもなんとなく納得です。
    あと少し化学などの専門用語が多くて「?」と思うところもありましたが、高校時代の自分の勉強不足ということでしょうか(笑)

  • 俺、頭いいから。そんなことを隠すこともせず、むしろ鼻にかけている秀一。ちょっと悪ぶって、斜に構えて。家族を守る。だから、アイツを強制終了する。そういう青臭さが鼻につく。

    秀一は男だからかけるキャラだな。と。くどくどと、俺、頭いい~。な、説明が、「めんどくせー男だな―。」としか思えず。ホントに頭がいい男なら、家族を大事に思っているなら、そういうことはしないだろう。と、激しくツッコみたく。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年『十三番目の人格-ISORA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2017年 『ダークゾーン 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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