青の炎 (角川文庫)

著者 :
制作 : 角川書店装丁室 
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本棚登録 : 10355
レビュー : 1377
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041979068

感想・レビュー・書評

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  • あまり読後感はよくない小説。
    たまたま、正月に実家に帰省した際、実家の本棚にあったので暇つぶしに読みました。

    家族のために完全犯罪を決意する少年のお話ですが、『悪の教典』を読んだ後なので、「ハスミンだったらもっとうまくやるよ!」みたいなことを考えてしまいました。

    読後感は、「おーぅ……」とアメリカ人のように額に手を置いて天を仰ぎたくなる感じでしたが、ストーリー展開の小気味よさは心地よかったです。
    着々と準備されていく殺人計画にもちょっとどきどき。
    少年ゆえの不完全さや危うさ、大人から見ると明確に経験が足りていない様子、その経験不足からくる思い込み等々が相まって、制止したい気持ちと励ましたくなる気持ちが交錯。

    まぁでも、殺しちゃだめだよ。

  • 10年以上前に映画を見てたから結末を知ってたけど、本当に悲しい救いようのないお話。そして映画の影響で秀一は完全に二宮和也で再生された。
    二宮和也ぴったりでしょう!!!
    まだ高校生の秀一が母と妹を義父の曽根から守るために完全犯罪をするお話。トリックとかよく思いついたなあ!と感心するし本当に秀才な高校生だし完璧な犯罪だと思いきや、やっぱりまだまだ高校生で詰めも甘く、あっけなく証拠を残してしまうところとか、学校では友人や彼女と無邪気に話してるとことか、でも一歩引いてものごとをかんがえたりとかその葛藤がなんとも切ない。
    最後の結末も、被疑者死亡しかないか、、、と思い詰めたり本当になんという人生なの!可哀想すぎる。
    しかも何より実は曽根が末期がんで何もしなくても死亡してたとか、、、そんなのって辛い、、、もっと早くその事実を教えてやってよ!
    秀一はいいやつだから、そんな結末じゃなく真っ当で明るい人生を歩んで欲しかった。

  • やっぱり悪い奴を2人もとっちめたら、そうなるわな。そりゃ色々おかしくなるよ。でも、それが家族を救う唯一の方法なんだろうけど、残された家族や友達は辛いだろねぇ。
    あー切ない。

    それより、高校であんな難しい事を勉強したかな?
    全く記憶にない。

  • (犯罪をたくらんでいる)主人公を応援したくなる。ミステリー色よりも人間ドラマな感じが強いかも。まさに青い炎。悲しく儚いストーリー。

  • 映画は観たような気もするけど、録画じゃなくて、たまたまやっていたのを流し見程度に、だったかもしれないw

    そんな訳で。
    話は何となく知っているようで、ほとんど覚えていない状態だったので、どうなるんだろう? と引き込まれるように読みました。

    秀一のやった事は、勿論、許される事ではないけれど、同情はする。
    曾根に対しては嫌悪感しかない。さんざん好き勝手にしていたろくでなしのくせに、自分の事情だけで、櫛森家に居座り、更に迷惑をかけるとか、本当に屑すぎる。
    もう少しだけ我慢できたら、秀一は手を汚さずに済んだのにね、というお話。

  • 追い詰められていく感じの本は苦手……

    貴志さんの本は、善人と悪人がはっきりしているのがいいというか、客観的な描写がほの暗さを誘うというか。

  • 孤独とか悲しみとか完全犯罪とか、胸が熱くなるキーワードが散りばめられていますが、キーワード自体にそれほどの深みはありませんでした。

    ヒリヒリの精神状態とか、胸が張り裂けそうな悲しみとか、絶望のどん底というようなものではなく、一般的な高校生の悩みの延長という感じです。高校生の稚拙さを表現するためにわざとそうしているのかもしれませんが、高校生がバーボンを常飲してるとか、アングラサイトで薬物購入とか、中二病表現が多すぎのような気もします。

    黒い家や悪の教典、天使の囀りに比べると胸くそ悪い感が足りませんでしたが、一気読みできる青春サスペンスとして楽しめました。

  • 家族を守るために完全犯罪を計画する高校生の話。
    葛藤の過程、突発的な混乱、徐々に追い込まれていく焦りなど、
    心情が細かに描かれ、読んでいるこっちが苦しかった。

    悪のような人間がいたとして、一般人の有効手段は存在するのだろうか?
    マスコミへの露見は本当に表面では?裏の話の真実は…?
    いろいろと考えてしまう。

    最後の行動に自分の愛する人を守るためにとったもの…難しいな。
    しかしながら、小説自体の終了はバッドエンドなのかよくわからない。
    私自身は、もやもやが残っている。

  • 完全犯罪を目指して殺人を行った主人公の秀一だったが…

    なかなか緊張感もありおもしろかったが、罪の意識の重さや苦悩を感じたのは以前読んだ同じく倒叙形式の『罪と罰』の方が感じました。
    ただ、あちらと違って秀一は家族のために殺人を犯したので、動機の点ではこちらの方がより身近に感じやすかったです。

    だんだんと引き返せないほど闇に沈んでいく様は切なかった。
    最後は賛否両論ありそうだけど、私はあの終わり方は好きです。

    それでもやっぱ悲しすぎるのだけど…

  • 自分勝手ではあるけれど、切ない・・・。
    やってしまって平気、というタイプなら、多分、家族を守るためにこんなことしない。

    高校生らしい一途さと、思い込みと、日常。
    そして、日常を壊してしまう、行動。
    犯罪を犯すまでの逡巡や、いつもの生活、紀子との関係が描写されているから、犯行後の後悔や、隠すためのさらなる行動を際立たせている。

    うまくいかないことを、すぐ解決したい、すぐ結果を出したい、っていうのは、若者の常かもしれない。
    時代のせいか、その感じが加速している気がする。

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年『十三番目の人格-ISORA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2017年 『ダークゾーン 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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