硝子のハンマー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041979075

作品紹介・あらすじ

日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、社長の撲殺死体が発見された。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には強化ガラス。オフィスは厳重なセキュリティを誇っていた。監視カメラには誰も映っておらず、続き扉の向こう側で仮眠をとっていた専務が逮捕されて……。弁護士・青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径のコンビが、難攻不落の密室の謎に挑む。日本推理作家協会賞受賞作。月9ドラマ『鍵のかかった部屋』原作!

感想・レビュー・書評

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  • 幾重もの防犯セキュリティに守られたオフィスビル最上階の社長室。介護サービス会社社長が?その密室で殺されていた。犯人と犯行動機、そしてトリックを探る本格的なミステリー。
    殺人容疑をかけられた専務家族から依頼された女性弁護士と、防犯コンサルタントを名乗る男性がバディとなり、事件を解決していく。
    2部構成となっていて、Ⅰの見えない殺人者では、幾つものトリックの伏線らしきものを、ひとつづつ検証していく感じ。Ⅱの死のコンビネーションでは、雰囲気を変えて、犯人となる青年の、犯行に至るまでの生い立ち、背景を描く。それまでの経験から、トリックを考え出す過程、実行に移す心象を丁寧にたどります。
    キチンと作られたミステリーです。Ⅱ部は、「青の炎」を思い出すような構成で、追われる立場になった男子が、考えうるあらゆる手段を駆使して逃げ延び、したたかになっていく様子が悲しく恐ろしい成長を見せてくれます。
    ラストがいかにも続編を期待させるような終わり方で、この後、防犯探偵シリーズになっていました。

    • 1Q84O1さん
      おびのりさん、榎本シリーズを読んだのですね~
      昔に読んだのでまたまた内容は少し忘れちゃいましたが…、貴志さんはミステリーも書くんだって思いな...
      おびのりさん、榎本シリーズを読んだのですね~
      昔に読んだのでまたまた内容は少し忘れちゃいましたが…、貴志さんはミステリーも書くんだって思いながら読んだ記憶があります^_^
      2023/03/13
    • おびのりさん
      おはよーございます。1Qさん。
      貴志さんが、気になって、何冊か読む予定です。
      乙一中田路線も進みたいしー。
      困った困った。
      おはよーございます。1Qさん。
      貴志さんが、気になって、何冊か読む予定です。
      乙一中田路線も進みたいしー。
      困った困った。
      2023/03/13
    • 1Q84O1さん
      貴志さん楽しんでくださいね!
      私は乙一山白路線が気になります
      みなさんが山白さん読んで盛り上がっているのでw
      貴志さん楽しんでくださいね!
      私は乙一山白路線が気になります
      みなさんが山白さん読んで盛り上がっているのでw
      2023/03/13
  •  完全密室のトリックと探偵役の鍵屋が面白かった。

  • 休日に、社長室で社長が死んでる!しかも、セキュリティ万全の室内で外から誰も入れない!隣で寝ていた専務に疑いが…
    専務の弁護担当美人弁護士青砥純子の依頼を受け、自称 防犯コンサルタント(多分、泥棒?)の榎本がコンビを組んで、巧妙な密室トリックを破る!
    これは、好きな感じ‼︎ 館系とかのトリックとは、一味違い、監視カメラ、鍵のシリンダー、盗聴器、ロボットとかメカ的な感じするし。更にパソコンも使うし。
    インテリジェントビルの死角をつく!みたいな。
    但し。「へ〜!そんな鍵あるんや!監視カメラの録画って、こうなってるんや!センサーって、こんな動きなんや!」って感じで感心するばかりで、トリック破るとかのレベルではなく終わってしまった(ーー;)
    こういうの読む時は、防犯の勉強して事前知識いるな!あくまで、トリック破りを意識した場合やけど。感心しながら読むのも、また楽し!
    これは、「防犯探偵シリーズ」第1弾。
    積読本多数あるけど、このシリーズも買わないといけないな^^;
    頑張って読も!

    PS
    これ読んでると、自分も簡単に泥棒になれる気がする。難易度の高いビルに易々と侵入!オーシャンズ11のように(^^;;

  • ホワイトな貴志祐介を楽しめるミステリー。
    長編としてこの素敵コンビを堪能出来るなんて贅沢だ。面白かったです。

  • 作者初の本格ミステリ作品。
    序盤のセキュリティ云々の会話は少し難しくてダレそうになったけど、中盤以降は面白くて本の厚みの割にはサクサク読めました。
    そして明かされたトリックにはまるでハンマーで殴られたかのような衝撃を受けました!
    それと同時に、何故このタイトルなのかが判明してナルホドと思わされました。

    巻末に収録されている、法月綸太郎との対談も、作品がどういう経緯を辿って書かれたのが言及されていて、面白かったです。
    シリーズ物なので次作も読んでいこうと思います。

  • 介護サービス会社の社長が撲殺されているのが社長室で発見される。唯一社長室に入ることが可能だった専務が逮捕されるが、容疑を認めない。専務の弁護を請け負った弁護士・青砥純子は無実を証明しようとするが、専務が犯人でないとすると、社長室は密室になってしまう。そこで、以前別の事件で密室の謎を解いたことのある防犯コンサルタント・榎本径を訪ねる。

    後に続く防犯探偵・榎本シリーズの第1作目。犯人は誰で、どうやって殺し、なぜやったのか、何も分からないまま話は展開する。2部に分かれており、1部は榎本と純子のコンビが密室殺人の謎に挑む過程を、2部では犯人が事件を起こすに至った経緯が倒叙形式で語られている。

    榎本と犯人は重なるところがある。2人を分けたのは何だろう?

    犯人が途中でわかってしまうのは残念といえば残念だが、これはこれで楽しめた。また、介護や防犯についても新しく知れたことがあった。

  • 弁護士の青砥純子が依頼人の無実を証明する為、防犯コンサルタントの榎本径に協力を依頼し、事件の真相を探っていく話。
    『Ⅰ 見えない殺人者』のパートは、浮かび上がったトリックを一つずつ検証して犯人に辿り着くので、読み応えがあった。
    『Ⅱ 死のコンビネーション』のパートは、犯人視点での話が進むので、感情移入してしまう部分があった。
    榎本は飄々としていて本心が読めないタイプだと思ったし(実際に裏の顔があるみたい)、青砥は思ったことが口や態度にも出るタイプなので、良いコンビだと思う。
    10年ぐらい前に実写化されたドラマを見ていたせいか、嵐の大野さんと戸田恵梨香さんがチラチラ浮かんだ。ハマり役だった気がする。

  • '22年7月20日、am audibleにて。貴志祐介さん、2作目。

    途中で、「???」となってしまったが…大変に、面白かったです!ものすごくアクロバティックな仕掛けなんだろうな…と思っていましたが、トリックがわかると、さほどでもなかったような。でも、防犯に関する作者の知識の量に、やはりあ然¯\_( ͠° ͟ʖ °͠ )_/事前に、凄まじい量の調査が作者さんに必要なのでは?¯貴志さんって、もともと鍵屋?ハハハ。

    途中から倒叙っぽくなって、「?」でしたが(違う話になった?と、思わず左右を見回してしまいました。トホホ。)、そこからの仕掛けやらなにやら…もう、「ゲップ」と「吐き気」に襲われながら…他方で笑ってしまった(ᗒᗩᗕ)あまりの知識量に、もう笑うしかない!凄いなぁ⊙﹏⊙

    知らずに、第4作「ミステリークロック」から聴いてしまい、どうかな?と思いましたが…全く、完璧に、楽しめました。最初は、榎本と純子の間(特に、榎本の方に)、こんな淡い感情があったのか、と…ニンマリしてしまいました。この辺は、知らずに「ミステリー〜」を聴いたのは、ちょっと残念。順番に、もう一度聴いてみようかな…。

    最後に、オマケ的に、法月綸太郎さんとの対談が収録されてて、ちょっと嬉しかったです。ぶんこでも、収録されてるのかな?

  • タイトルだけ見て買った一冊。


    「悪の教典」の印象でホラーっぽい本屋かな?と思っていたがまったく違った。

    前半はなんか話がだらだらしている感じだったが、後半は犯人の視線からの話しに変わったせいか、だらだらした感じがなく面白かった。

    殺人を犯さなければ、どうなったんだろう?とふと考えた小説でした。

  • ドラマがめちゃくちゃ好きで、再放送も観てました!大野くんと戸田恵梨香ちゃんが最高でした♪

    硝子のハンマーが1作目というのが意外でした。ドラマ版だと最後だったような。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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