硝子のハンマー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.49
  • (243)
  • (781)
  • (868)
  • (161)
  • (42)
本棚登録 : 6474
感想 : 648
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041979075

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 介護サービス会社の社長が撲殺されているのが社長室で発見される。唯一社長室に入ることが可能だった専務が逮捕されるが、容疑を認めない。専務の弁護を請け負った弁護士・青砥純子は無実を証明しようとするが、専務が犯人でないとすると、社長室は密室になってしまう。そこで、以前別の事件で密室の謎を解いたことのある防犯コンサルタント・榎本径を訪ねる。

    後に続く防犯探偵・榎本シリーズの第1作目。犯人は誰で、どうやって殺し、なぜやったのか、何も分からないまま話は展開する。2部に分かれており、1部は榎本と純子のコンビが密室殺人の謎に挑む過程を、2部では犯人が事件を起こすに至った経緯が倒叙形式で語られている。

    榎本と犯人は重なるところがある。2人を分けたのは何だろう?

    犯人が途中でわかってしまうのは残念といえば残念だが、これはこれで楽しめた。また、介護や防犯についても新しく知れたことがあった。

  • '22年7月20日、am audibleにて。貴志祐介さん、2作目。

    途中で、「???」となってしまったが…大変に、面白かったです!ものすごくアクロバティックな仕掛けなんだろうな…と思っていましたが、トリックがわかると、さほどでもなかったような。でも、防犯に関する作者の知識の量に、やはりあ然¯\_( ͠° ͟ʖ °͠ )_/事前に、凄まじい量の調査が作者さんに必要なのでは?¯貴志さんって、もともと鍵屋?ハハハ。

    途中から倒叙っぽくなって、「?」でしたが(違う話になった?と、思わず左右を見回してしまいました。トホホ。)、そこからの仕掛けやらなにやら…もう、「ゲップ」と「吐き気」に襲われながら…他方で笑ってしまった(ᗒᗩᗕ)あまりの知識量に、もう笑うしかない!凄いなぁ⊙﹏⊙

    知らずに、第4作「ミステリークロック」から聴いてしまい、どうかな?と思いましたが…全く、完璧に、楽しめました。最初は、榎本と純子の間(特に、榎本の方に)、こんな淡い感情があったのか、と…ニンマリしてしまいました。この辺は、知らずに「ミステリー〜」を聴いたのは、ちょっと残念。順番に、もう一度聴いてみようかな…。

    最後に、オマケ的に、法月綸太郎さんとの対談が収録されてて、ちょっと嬉しかったです。ぶんこでも、収録されてるのかな?

  • 普段はドラマの原作、と聞いて本を選ぶことはない。
    たまたま原作があることを本屋さんで知り、手にとってどんなのだろうとページを開いてみた。ふんふん、原作では弁護士の青砥さんが新人ではなくもう少し経験を積んでいて、芹沢弁護士はいないんだな。そして、主人公榎本は…、泥棒を本職とする防犯コンサルタント。

    ドラマは1話完結なのだけど、この作品はこの本でひとつのお話。
    トリックもすごいが、人間の作りこみもすごい。
    前半は榎本と青砥が事件の捜査をしていく。可能性を考えては捨て、天然な(青砥の)案を試しては捨てる。犯人はどうやってビルに忍び込み、監視カメラの目を掻い潜り被害者を殺したのか。そして犯人は誰なのか?
    トリックが明かされる前に、後半犯人の独白が始まる。
    この展開も、読者を(というかわたしを)引き込ませる。ただトリックをとくだけでなく、なんで犯人がこんなことをしようとしたのかも明かされる。新鮮です。普通だと、探偵(役)がトリックを暴き、犯人に突きつけて、観念した犯人が話し始める…というのが王道かと思う。でもこの話だと、犯人の生々しい感情が書かれていて、トリックを榎本に解かれて欲しくないような気持ちになってしまいました。

    泥棒なんてことをしている榎本の意外な正義感や、青砥の天然さがとてもいいです。
    どろどろ重たい場面もありますが、不思議に明るい読後感。
    ちなみに気になったのは榎本の好み。これはシリーズ2作目にも出てくるんですが、「知的な美女」に自分の能力をひけらかしたい欲望があるらしく(笑)
    現在第3作まで出てるのですが、もう2作目までは読破済です。榎本のことが明かされる(ことがあるのか分からないですが)のが楽しみです。
    そして原作者の喜志さんがおしゃってたのをどこかで読んだんですが、そのとおり、榎本の神経質そうなところが大野さんにぴったり。青砥は戸田さんをもう少し歳を取らせた感じで想像しながら読んでます。

  • おもしろい!

    犯人も犯行方法もそうだったのか、と思ったらそうじゃない!という事が数回
    現役の泥棒(?)じゃないと解けないトリックに感嘆した
    シリーズ物なので他のも読むのが楽しみです

  • 最初は読むスピードが上がらなかったが、GW後半にまとまった時間を設けて読んだら、どんどん物語にのめり込んで最高なエンタメとなった。前半では殺人事件の推理と検証が続いており、探偵役がとんでもない事件の真相に気づいたような場面で後半に移った。すると一転、新たな登場人物の日常が描かれており話がどう結びつくのか迷子になりかけた。ただ読んでいくうちに、前半との繋がりが明らかとなっていき、少年が犯行に及ぶまでの緻密な準備から実行までをスリルと共に楽しく読み進められた。また探偵役とワトソン役のキャラクターが個性的で2人のやりとりや、防犯の知識などが面白かった。

  • 内容もさることながら構成が面白かった。
    事件発生までを複数の人間視点で描き、事件後の調査、犯人の生い立ちから犯行まで(犯行内容含む)、犯人への尋問と独特な構成で、長編小説ながら最後まで楽しく読めた。

  • 殺人はしない泥棒である防犯コンサルタント(探偵)と女性弁護士が解いていく本格的密室ミステリー、防犯知識がすごくリアル。

  • 面白かった。
    えー!ここで終わらないの!?って思ったけど、その後の視点を変えたどんでん返しがあって作品の魅力が増したことは間違いない

    2021.4.5
    46

  • 面白かった!

  • 防犯アドバイザーと弁護士の青砥さんの話
    ビルの最上階、密室の社長室での殺人
    犯人の半生が、非常におもしろい
    防犯の話、その破り方もおもしろい

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

貴志祐介の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×