誘拐 (角川文庫 ん 17-3 ミステリーアンソロジー)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 166
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041997048

感想・レビュー・書評

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  • とても豪華な執筆陣です。もちろん既読もいくつか。短編では難しいテーマだと思うのですが、皆さんこの短い中にご自身の特徴を出されていて、流石です。有栖川さんの「二十世紀的誘拐」は伏線からトリックからいつも通り無駄なく美しいです。好みは香納さんの「知らすべからず」と法月さんの「トランスミッション」、さらっと読めてしまうのにすごくよくできてると感じました。吉村さんの「誰の眉?」は読んでいてすぐにオマージュ元を思い浮かべられ、公園名など出てくるたびにワクワクしました。こういう楽しい遊びもアンソロジーならではですね。

  •  誘拐モノて、実はそんなに好きではないんですよ。
     ハラハラするのが苦手というか、探偵側が追いつめられるのが苦手なので。
     でも、収録作品はわりとおもしろいのが多かった。
     本全体としては、★3.5くらい。


    ○二十世紀的誘拐(有栖川有栖)【★ ★ ★ ★】
     学生アリスシリーズ。
     20世紀が何の時代なのかが思い付かなかった。

    ○セコい誘拐(五十嵐均)【★ ★】
     真相は何となく分かったけど、オチの意味がよく分からない。
     てか、夏樹静子さんのお兄さんなんですね。

    ○二重誘拐(折原一)【★ ★ ★】
     ラスト、今の時代だったら実現しそうで怖い。

    ○知らずべからず(香納諒一)【★ ★ ★ ★】
     前にこの人の作品を読んだとき、ミステリ? て感じだったので、今回もあんまり期待していなかったんだけど、今回はちゃんとミステリだった。

    ○スイカの脅迫状(霞流一)【★ ★ ★】
     謎解きとしてはどうなんだろう、て感じだけど、キャラがよかったな。
     シリーズじゃないのかなー。

    ○トランスミッション(法月綸太郎)【★】
     語り部の行動が理解しがたく…。

    ○さらわれた幽霊(山口雅也)【★】
     キッド・ピストルズシリーズ。
     このシリーズは苦手。頭にも入って来ない。

    ○誰の眉?(吉村達也)【★ ★ ★ ★ ★】
     氷室想介シリーズ。
     独特の訛りに意味があったかどうかは分かんないけど。ミスリードのため?

  • タイトル通り、誘拐テーマの競作。
    有栖川有栖のEMCシリーズの一遍がこの本にしか
    収録されていなくて。。。。「二十世紀的誘拐」。
    短編は、目の付け所が勝負、の見本でしょう。

    面白かったのは、法月綸太郎「トランスミッション」で、
    この中で子どもを亡くして離婚した作家が
    パスタゆでていたりするシーンがあって、
    「なんか村上春樹っぽい。。。」と思ってたら、
    ダンスダンスダンスを口ずさんだりしだして、さらに・・・
    と。TVで「いいとも」を見る、というくだりで
    ハッと。「これはない・・・・」と思った。

    村上春樹を全作読んだわけじゃないけど、多分、作中に「いいとも」を見る登場人物は出ないと思う。

    登場人物が「いいとも」見てるうちはノーベル賞候補は無理だなーと思った次第。

    いえ、この話自体はまずまずだったんですよ、
    イアン・カーティスとか、好きなガジェットもあって。

  • 色々と趣向を凝らした「誘拐」作品集。
    絵画の誘拐、死体の誘拐など誘拐されたものがユニークな作品や、軟禁されている人、間違い電話で巻き込まれた人など、語り手がユニークな作品など、それぞれ趣向を凝らし、とても多彩でした。

    特に眼を見張るような作品は思い当たりませんが、面白かったです。

  •  短編で誘拐ものに興味があったため探してみたら本書があった。
     誘拐って、特に身代金目的の場合、受け渡しがうまくいかずに犯人が簡単に捕まるんだろうなと予想してどうまとめるんだろうと思って読んだ。やはり単純な誘拐物はなく、それぞれひとひねりして誘拐を絡めて事件にしている。

  • 有栖川有栖・五十嵐均・折原一著・香納諒一著・霞流一著・法月綸太郎・山口雅也・吉村達也の8人のミステリー作家が新しい誘拐の形に挑戦する、オリジナル・ミステリーアンソロジー。
    アンソロジーを読むと、やはり好みってあるんだなあと思います。
    そんな中、やはりしっくりくるのは有栖川氏の作品でした。
    でも色々な作家さん、特に未読の作家さんの作品を読めるのはアンソロジーのいいところですね。
    それぞれに個性的な作品で、楽しめました。

  • 好きな人いっぱい

  • 有栖川有栖氏目当てで購入。
    時々「あれ?」という設定があったりするけど、どれも面白く読むことができた。
    それにしてもこれだけの頁数で、上手くテーマに沿った内容を書き上げることができるなんて、作家さんて凄いんだなあとつくづく実感させられました

  • 短編のため、どうしても誘拐物の最大の面白みである犯人との駆け引きに欠けてしまい、動機でインパクトを誘う方向になってしまっていてあまり面白くなかった。
    一番面白かったのは「知らすべからず」かな。

    やっぱり短編ミステリは物足りないな。

  • 誘拐をテーマに、8人の作家さんが書かれてます。『密室』よりは読み応えがある作品が多い気がします☆有栖川先生の作品は、EMCメンバーです☆

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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