- 角川グループパブリッシング (1952年7月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784042029014
みんなの感想まとめ
物語は、主人公パフニュスの信仰心と自己中心的な行動を通じて、愛と欲望、そして人間の本性を探求します。アナトール・フランスの作品は、その美しい文章と魅力的なキャラクターによって、読者を引き込みます。特に...
感想・レビュー・書評
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ピエール・ルイス『アフロディテ』(1896)から、わりと安直な連想の続きで本作(1890)です。アナトール・フランスの傑作に挙げて疑いない小説で文章の美しさ、キャラクターの面白さ、ことに物語中でファンタジックな出来事も描く巧みさをいえば尽きません。わたしは、結末までの筋を完全に忘れていなければ再読時には気持ち(ネタバレ)にやや差し支えるし、あまり純真な読者として読んでいるわけでもないので、今度はフランスの作品を通読するつもりで来ましょう。
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再読。マスネの「タイスの瞑想曲」ほどに原作は有名ではない気がするけれど、個人的にはアナトール・フランスはこれが一番好き。といっても、私は意地悪だし無神論者なので、主人公パフニュスに対して「ざまぁ」という歪んだ痛快さを味わっている(苦笑)
宗教は、信じたい人は勝手に自分の信じたい神様を信じればいいけれど、それを他人に押し付けるやからが大嫌いなので、前半のパフニュスの恩着せがましさ、視野の狭い傲慢さが鼻について仕方なく、砂漠の行者チモクレスが清貧の生活をしながらも神を信じていないことを狂人・愚物あつかいしたり(大きなお世話!)、スフィンクスまで改宗させようとしたり(失笑)、そして問題のタイスへの救いに行ってやる的な上から目線と自分へのごまかし、言い訳が滑稽すぎてもう。
信仰心などなくとも、哲学者ニシアスや海軍長官コッタのほうがよほどパフニュスよりも器が大きい。
かつて娼婦タイスを自分も金で買おうとしたことがあったけれど足りなかったゆえに断念した、結局パフニュスはその無念をずっと解消できずにいただけではないのか。裕福で一時はタイスの愛人であったニシアスへの嫉妬(本人は認めようとしない)もミエミエ、娼婦であるタイスを改心させるというのは建前で、つまり本音は「俺にもやらせろ!」でしかない。しかしとことん本人はそこから目を背け神を口実にし続ける。
タイスがあっさり改心したのはパフニュスのおかげというよりはむしろ幼少時、父母に虐げられていた彼女に無償の愛情を注いでくれた奴隷の信仰心の影響と、単純にいずれ衰える美貌=老いへの恐怖からでしょう。
そんなわけなので、ラストでパフニュスがやっと自分の本性を露呈して狂乱、尼僧たちが怯えて逃げ去る場面がとても好きです(意地悪)
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アナトール・フランスの作品
