車輪の下に (角川文庫)

  • 角川書店 (1967年1月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784042079040

作品紹介・あらすじ

少年の心を理解しない神学校生活の車輪の下に少年は堪えきれなくなって逃亡する。が、人生苦難の道は果てしない。生の悦びの追求と禁欲的な求道的な傾向の間に立ち、懊悩は深まるが――。

みんなの感想まとめ

少年の心の葛藤と成長を描いた物語は、自己認識と周囲との関係性を深く掘り下げています。主人公は、周囲の期待に応えようとするあまり、自身の本来の姿を見失い、苦悩を重ねていきます。この過程は、特に子育て中の...

感想・レビュー・書評

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  • ヘルマンヘッセ自身の少年時代の体験をもとに書かれた小説。翻訳なので少し硬いが、興味深い表現が詰まっている。
    町で一番優秀だった少年が選抜されて名門神学校に入学するが、大人たちの期待のプレッシャーの元、他の学生達と共同生活をするうちに難しい学問への情熱が薄れ、昔は良かったと悩む。思春期の、くよくよと考えすぎてしまう傾向がよく描かれているが、この年代の少年はもっと単純なのではないかと思ったりもする。同級生の事故死の部分は胸が痛んだ。
    テーマは郷愁。ドイツ語で書かれた本ならではの耽美な文体が続き、うっとりとさせてくれる。

  • やっぱり好きです。この世界観。
    経験こそすべてだと感じる一冊。

  • 子育て中の方に読んで欲しい。

    主人公は、世界に対する評価軸を自己で認識する段階において、学業が優秀であったが為に、周りの大人が悪意なく進むべき道を勝手に決定付けてしまった。それが故に、周りの大人や同級生との軋轢により、心を擦り減らしてゆき、結末を迎える物語である。
    子供に対して、自分の願望や欲望を子供に投影し、本来の子供のもつ、そのものの姿を見失わないように自戒を込めて感想を書く。
    また、美しい描写で、主人公が見ている美しい風景や建物が眼前に広がっているように感じられる、見事な文体である。

  • 名誉を得たいがために己の好物を忘れるのは、大変愚かなことだと思った。

  • 文章読むのがすごく楽しかった 久しぶりの読書だったし内容は別に面白いわけではないけどとにかく文がめちゃくちゃ面白くてヘッセの他のも読んでみたいと思った

  • 読んでいて不思議でせつない気持ちになる本。現在自分が抱く不安と似たものが繊細な描写で書き表されている。
    作者の体験を元にして書かれているらしい。最後溺死した理由はなんだろうか。

  • 結末がね…
    あまりにも哀しい。
    大人たちはそんなつもりはない言動も思春期の多感な少年たちのとっては大きなプレッシャーになるんだなと。

  • 読書傾向が支離滅裂と気づいてはいるのですが
    こころのおもむくまま、気の向くまま
    それで心地よいのだから仕方ありません

    でも、そんな気の向くままに読み継いでいると
    不思議と今の自分に何かしら関連してくるから面白いのです
    まあ、凡人の思考なんて年経てもそんなに複雑化するわけないから
    何につけても自分に問いかけるしかないのでもあります

    というわけで、まえに高橋健二さん訳で読んだ『車輪の下』の時よりも
    ああ、そういうことだったのか!、という感想になりましたが
    訳が問題なのではなく、理解できた時がわかったときということです

    「青春は年齢を言うのではない、勇気を持って挑むことができる時が青春である」
    という詩がありますが

    この秋山六兵衛氏訳の『車輪の下に』を読みまして
    青春というその意味がわかったとき、それがまさに青春の意義だと思いました

    *****

    主人公の優秀で利発な少年ハンスが勉強ができる故、村の期待を背負って
    好きな趣味もすっかりやめ頑張って、官費で神父になれる神学校にみごと入学しても

    まだまだその先があると、村の大人たちに叱咤され、
    せっかくの夏休みも返上で勉学に励まざるを得ない

    入学すれども状況は同じ
    「そうしないと車輪の下じきになる」と神学校の校長先生
    って、この状態が車輪の下でしょうに

    唯一の理解者の友人ハイルナーも神学校を脱走してしまい
    孤立無援のハンスはとうとう精神を病んでしまい
    学校を辞め、村に帰ってきても立ち直れなかったハンス


    ​「とにかく、真に天才的な人間にあっては、傷はたいていよく癒着し、学校のことはおかまいなくりっぱな作品を書き、後々になって、彼ら​(型にはめようとした教師たち)​が死に、時代の距りという快い後光に包まれたとき、それらの作品が、学校の教師たちから、他の時代の人々にすばらしい作品として、また気高い範例として紹介されるような人物になるということは、せめてものわれわれの慰めである。」​

    などと、ヘッセが何気なくこの小説に挟み込んだ文章は、
    自身の青春を語ってやまないノーベル賞作家の言いたかったことと思いました

  • 読んだのは10年ぶりくらい。 
    繊細な少年が抑圧や環境によって押しつぶされてゆく様が
    印象的。

    実は、大学入試のときにテーマに挙げた小説だったので、
    非常に思い入れがある。

  • ヘッセの本を読むのは授業で習った少年の日の思い出以来であった。ハンスが受験勉強し神学校で友と触れ合い様々な大人との関わりの中で堕ちていく姿は痛々しかった。学校での様子の描写が好きである。ヘッセはどちらかと言うとハイルナーなのではないか?と思った。大人になる前に読めて良かったと思った。

  • 美しい自然描写とその中に生きる少年たちを瑞々しく書いた作品。
    轍に沿って進まされる少年たちの葛藤や苦悩を鮮やかに描いている。

    訳がわかりにくいのが残念だが、ドイツ語訳は英語ほどスムーズにはいかないのだろうか。

  • 夏休みの間に読んだもの。外国のなんだけど、ある意味少年たちがホモホモしくてこれも驚いた作品。爽やかなんだけどね…

  • 純粋すぎるほど無垢な少年ゆえに発症した鬱病とそれゆえの人生の転落劇。
    車輪の下に轢かれた少年の物語。
    自由奔放な親友ヘルマンとのキスにドキドキしながら読みました。
    透明感のある話。

  • 何度か読んだ『車輪の下に』

    作者の子供時代を描いたものであるらしいが、なかなか理解しがたかった。

    禁欲的な学校生活はきついとは思うが、実際の高校時代は禁欲とはかけ離れたものだったから、作者のような精神病になるといったことがよくわからなかった。

    また、これだけの期待・「村」を背負っての学校生活とか今の時代にはないことであろうと思うから、想像しがたい生活だったのだろうと思った。


    絶対に、生活したくない学校生活である。

  • 学校へ入るまでは順当に物事を進めていって、友人と呼べる友人の影響を受け、結果同じ学校への意欲を無くしてやめていく。続いて戻ってきた地元の町もどこか浮遊したまま時間を過ごし、ふとしたきっかけでそのまま命を絶つ。
    人間性を育む上での悪いパターンにかっちりと嵌ってしまったようなストーリー。特に軽くエンマという存在で救いがありそうな期待をさせつつ僅かな期間で帰省していったあたりで割りとどうしようも無い雰囲気が漂っていたのが効果的で、自分だけの意志でなく周りの関係がきっかけになって最後を迎える時がリアルに感じていた。
    モヤモヤした心理描写と田舎・学校の風景が叙情的で妙に幼いような心苦しい表現。

  • 車輪の下になってしまった神童の物語。考えさせられる。

  • 文章がとっても美しい♪
    ただ残1章辺りで退屈になってきたなーって思ってたら、急展開で終了してビックリした。(笑)
    若かりし頃に読んだハズなのに、信じられヘンくらい記憶にナイ事にも驚いた!!(T_T) 

  • 今まで避けていたが、新潮・岩波と挫折し続け、
    やっと角川文庫で読めてよかった。

    情景描写がとても美しかった。

    ヘッセの代表作と呼ばれるだけあり、完成度は高かった。

  • 脇目もふらず知性を追い求めていた少年が、神学校で出会った友人の影響で感性の萌芽を体験し、その二つの衝突に悩み抜く物語。
    ヘッセの自伝的要素が強く、痛ましいほどに繊細な作品です。

    社会や学校という体系的なシステムの中で自分の感性を守り発展させていくことの苦しみに、強い共感を抱きました。

  • 主人公の懊悩や境遇にとても共感できた作品。大人が子どもに対して盲目になりがちな所や、子が受験や集団行動、規律、周囲の期待などに苦しむ所はいつの時代にもある普遍的なものなんですね。

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著者プロフィール

1877年ドイツの南部カルヴに生まれ、スイス・バーゼルの牧師館で育つ。「詩人になるか、でなければ、何にもなりたくない」と神学校を中退、町工場や書店で働くかたわら、独学で文学の勉強を続ける。1902年、後に『青春詩集』と増補改題された『詩集』を発表。1904年『郷愁』を書きあげ、一躍人気作家となる。同年に結婚、ライン河畔の寒村に移り、長編『車輪の下』(1906)、『春の嵐』(1910)を発表。両大戦に対しては平和主義を表明する。その間、『デミアン』(1919)、『ガラス玉遊戯』(1943)などの小説を書く。1946年、ノーベル文学賞、ゲーテ賞を受賞。1962年、85歳で死去。

「2025年 『ヘッセ詩集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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