マリー・アントワネット 上 (角川文庫)

制作 : Stefan Zweig  中野 京子 
  • 角川書店
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本棚登録 : 330
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042082071

感想・レビュー・書評

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  • 後輩ちゃんとの読書サークルにて、シュテファン・ツヴァイクがお題になったので、迷わずこの一作を選びました。とはいえ後輩ちゃんに教えてもらって初めてシュテファン・ツヴァイクを知ったんだけど。

    女性の生き方を描いた作品は好きなのですが、どんな女性の物語でも好きなわけではないなあと思ってて。マリー・アントワネットは中でもすごく好きな歴史人物なので上巻だけでもすごく面白かったです。

    傲慢な女王ではなく、純粋な王妃。分別とか自制心とか必要ないろんなものが足りなかったのは確かだけど、そうではなく、意志の強さや純粋さや気を許した相手への無邪気な優しさや、彼女の美点のいくつかがもうすこし足りなければ、こんなに大きな悲劇に祭り上げられなかったのに、と思います。擬人化しないと気づかないっていう下りはすごく染みた。社会や時代や民衆や、そういう漠然としたものが間違った方向に進んでても、中の人間は気づかない。マリー・アントワネットという、あの時代そのものが宿った美しい人形が、人々の熱狂の明確な対象になったんだなと思いました。

    シュテファン・ツヴァイクも、訳者の方もすごいなあ。現代の日本のわたしたちが読んでもぐさっとくるような、社会への批判や解釈や、人間関係の描写に引き込まれます。下巻も単なる伝記みたいにはならないだろうから楽しみ。

  • なかなかスピードが出ない。 でも読みごたえはある。

  • 歴史上には、その人物には相応しくない役回りを演じることになるひとがいる。その中でも有名なひとりがマリー・アントワネットだろう。

    マリー・アントワネットは偉大なオーストリア女帝マリア・テレジアの娘として生まれる。
    愛らしく上品なマリー・アントワネットは未来のルイ16世と婚姻してフランス皇太子妃になる。
    ルイ15世の崩御と共にアントワネットは、自分が一体何者なのか、自分にフランス国民の生活がかかっていることも自覚出来ず責任も持てないままフランス王妃となる。

    上巻では不穏な空気に包まれはじめたヴェルサイユで、マリー・アントワネットよりも自らの生命を選んだ貴族たちがアントワネットの周りから離れ亡命する中、命を賭けてフェルゼンがアントワネットの前に現れるところまでが描かれている。

    普段余り漫画を読まないわたしが夢中になって読んだ「ベルサイユのばら」。それ以来フランス革命やマリー・アントワネットに興味を持っている。
    今回ツヴァイクの「マリー・アントワネット」を読み、「ベルサイユのばら」はこの本をかなり参考にして描かれていたと感じた。

    何故、マリー・アントワネットはここまで興味を持たれ有名な歴史上の人物になったのか。
    マリー・アントワネットの深く物事を考えず、その場の愉しみを優先してしまう軽薄さ、不真面目さ、高貴な生まれゆえの上品さ、気高さ、愛らしさや優しさ。
    良いところも悪いところも併せ持つ当たり前な人間。
    とても歴史上の人物として記憶されなければならないような要素の無い人間。
    ただ、たまたまオーストリア皇女として生まれただけの普通の女性。
    その普通な人間が歴史の渦に巻き込まれ、華やかな世界から堕ちて行ったそのこと自体が、普通のわたしたちには興味の対象になるのだろう。

    歴史を扱う本ではあるが、特に難しい内容ではなく読みやすい。華やかなフランス王室と貴族の生活を堪能できる。
    オスカルは出てこないけれど、フェルゼン頑張れと応援しつつ下巻へ。

  • ちゃらんぽらんなアントワネットでしたが、息子を観察した手紙にはハッとさせられました。
    父親である私ですが、ここまで深く息子を分析出来ているだろうか…?

  • 高校の頃、夢中で読んだS.ツヴァイク。およそ10年ぶりにこの機会が来た。

    マリー・アントワネット。のっけから著者自身が指摘しているように、彼女の裁判は今も続いている。
    軽薄で世間知らずで傾国の戦犯と非難すべき?いやいや、それは革命派の創り上げたプロパガンダで、一切の責任を押し付けられた悲劇のヒロイン?最期まで王妃であり続けた高貴の人?それともやはり、歴史の転換期を耐え抜くには平凡過ぎたごく普通の女性?

    わからない。ひとつのエピソードを読む度に評価が変わる。きっとこの先も、彼女に対して断固たる判決を下せる人はいないだろう。

  • (チラ見!/文庫)

  • 「マリー・アントワネットは王党派の崇める気高い聖女でもないし、革命派が罵る娼婦でもない。平凡な正確の、ごくありふれた人間であり、特に賢いわけでも、ひどく愚かなわけでもなく、火でもなければ氷でもない」出自によっては、ツヴァイクのいう「強烈な英雄、天才」とはほど遠い「風の当たらない日陰で、おだやかな運命のぬくもりを感じ」る生活もあったかもしれない。歴史の歯車を逆に回すことのできるほど、華奢な腕を支えられる男性(あるいは権力)がいれば違ったのでしょうが…。

  • 文章を読む喜びを感じた作品。
    登場人物が動き出す、まるで目の前に現れるように。映画を見ているような感覚になる位引き込まれる。
    アントワネットと、母マリアテレジアとの手紙のやり取りは、時代と国境を越えても変わらない母親の心配性を垣間見ることができる。

    シュテファンツウ゛ァイクはもちろん、翻訳の中野京子さんの素晴らしい訳にも感動した。

  • 面白いです。しかしどーしようもない女性ですな。そして欠点だらけの人間の方が魅力的だったりするわけで。上巻はバスティーユ陥落まで。下巻は一気に悲劇へと転じるでしょう。楽しみです。

  • 子どものままフランス王妃となった彼女。たしなめることのできる大人も周囲にいない中で、その贅沢を責めることはできるでしょうか。

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