マリー・アントワネット 下 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042082088

作品紹介・あらすじ

運命の恋人フェルゼンと出逢い、ついに本物の愛を知ったアントワネット。しかしフランス王妃としての運命は、女としての幸せを彼女に与えなかった。煌びやかな宮殿から死の断頭台へ――悲劇と感動のクライマックス。

感想・レビュー・書評

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  • 【終了】ベルばらKidsぷらざ: ツヴァイク「マリー・アントワネット」 中野京子さんが翻訳(2007年1月 4日)
    http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2007/01/post_e1ac.html

    池田理代子さん 「ベルばら」オスカルはなぜ女性に|NIKKEI STYLE(2019/9/13)
    https://style.nikkei.com/article/DGXMZO49580760Z00C19A9000000

    マリー・アントワネット 下 (角川文庫) | ダ・ヴィンチWeb
    https://ddnavi.com/book/4042082084/

    「マリー・アントワネット 下」 シュテファン・ツヴァイク[角川文庫(海外)] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/200605000201/

  • あまり伝記のようなものは読まない私だが、これはとても面白かった。何故なら、私はベルサイユのばらが大好きなのだ。だから読んだ。高校時代に学んだ、マリー・アントワネット。ベルばらに出てきたマリー・アントワネット。彼女のことが知りたくなったのだ。

    当然、オスカルもアンドレも、ロザリーも出ては来ないが……。
    上巻は割とベルばらに出てくるマリーに近い様な感じがした。無邪気で可愛らしく、気に入った人へは恩寵を、みたいな。
    下巻は、自分の立場を漸く理解し、フランス王妃として毅然たる姿を見せてくれた。
    結末は、誰もが知っているとは思う。

    最期までマリーの身を案じたオーストリアの女傑、マリア・テレジアの教えをしっかりと受け止め、周囲の声に耳を傾けていれば……と思わずにはいられない。

    ツヴァイクの文と中野京子の訳。
    面白おかしくではなく、冷静に史実に則って書いてあり、章ごとにまとまっていて、とても読みやすかった。

  • 人間が自分で何かを変えるには凄惨な破壊しかないのか。処刑に至る過程がこんなに悲惨でいいのか。とはいえ、西洋の悲惨な話の中ではありふれた話にも思える・・・。この話が悲惨だなあ、と認識できるほどには、人類は進歩したのか・・・なあ?

  • この巻は、フランス革命以降マリー・アントワネットの処刑までを描いていました。

    副題が「凡人の肖像」とあるように華美に聖人扱いしたり、極度に貶めたりしていない分、リアルさがありました。

    本を読んだり旅行をしたり、自分の世界を広げて己を広いフィールドのなかで客観視することの大切さを感じました。

    それでも、非人道的な暴力で不満の多い時代が「革命」や「維新」されることもあるのが「歴史」の定番なのでしょうが…。

  • 記録

  • ベルばらから入って読んでみたツヴァイク。
    オスカルとアンドレがいなくても本当に面白い。

    アントワネットのイメージといえば、上巻のイメージが主かと思うが、下巻では初めて彼女の王妃として威厳を持った姿が描かれている。

  • やっと読み終わった。
    マリーアントワネットのことを良く知ることができた。これから、フランス革命や、マリーアントワネットに関するものを見たり聞いたりする時、今までよりもっと面白く感じれるだろうと思うと、勉強できて良かった。

  • 不幸になってはじめて、ひとは自分が何者かを知るのです。

    マリー・アントワネットはようやく自分が何者なのかを知る。しかしそれは遅すぎた。
    運命の歯車はもう止まらない。
    時間は戻せない。

    華やかで幸福だったマリー・アントワネットは、大切なものを次々と失っていく。
    友達も子供も夫も、自分の地位も名誉も、最後には自分の命までも。

    歴史において何かを成し遂げたわけでもない平凡な女性であったマリー・アントワネット。
    それでも歴史上の女性の中で最も有名なひとり。

    ルイ16世とマリー・アントワネットが断頭台で命を落としても、一度起きたフランスの動乱は収まらない。
    国民から王室が否定されたことを表すこと以外には、歴史においては特に意味もなく消された命とも言える。

    フェルゼンが最後まで愛し、まさに命懸けで救おうとした女性がマリー・アントワネット。
    おそらく、そこまで深く愛されたことそれだけで、アントワネットが生きてきたことに意味はあっただろう。

    最近になってマリー・アントワネットの二人目の王子、未来のルイ17世になるはずだったルイ・シャルルが、母親と引き離されたのち不幸なまま小さな生命の灯を消したことがわかってきたようだ。
    それこそ小さな未来のフランス王は、自分が何者であったのかも知ることもなく命を落とした。余りにも切なく哀しい。

    フランスに行ってみたいなと思う読書だった。

  • 読み応えのある伝記?物語?でした。
    ツヴァイクの熱く、それでいて冷静な語り口は読んでいてとても味わい深く、ハラハラドキドキしながら読書を楽しめました。
    歴史に“もしも”はないとは知りつつも、色々と空想してしまいます。
    その空想してしまう、という奥行もまたツヴァイクのマジックなのかもですが。

  • 下巻のマリー・アントワネット、つまり人生後半の彼女は、とても上巻と同一人物とは思えない程一変している。まさに苦悩の人。

    本書はアントワネットに同情的…というか、少なくとも革命派の野蛮さへは非難めいた論調が感じられるのだけど、結局のところ後世のフランスにおいてこの一連の出来事はどう評価されてるんだろう。革命自体は否定されないだろうけど、シマゴーグが過ぎたというか、やり過ぎだった、という風潮があるのかな。

    あとがきで、回想録ブームが巻き起こったとか、ルイ18世治下ではみんな手のひらを返した、とかあって、さらにはそこにサンソンの名前も挙げられていて、狼狽した。サンソンもそいつらのうちの一人かい、みたいな。もう何を信じたらいいのかわからない。いや、振り回されすぎだ。所詮私なんぞが目にできるのは誰かのフィルターが何重にもかかった幻影みたいなものなんだから、信じたいものを信じることにしよう。

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著者プロフィール

シュテファン・ツヴァイク(Stefan Zweig 1881–1942) 
1881年ウィーンのユダヤ系の裕福な家庭に生まれる。ウィーン大学で学びつつ、作家として活動を始める。第一次世界大戦中はロマン・ロランとともに反戦活動を展開。戦後は伝記小説等で人気を博しながら、ヨーロッパの人々の連帯を説く。ヒトラー政権の樹立後、ロンドンに亡命し、さらにアメリカ、ブラジルへと転居。1942年2月22日、妻とともに自殺。亡命下で執筆された自伝『昨日の世界』と、死の直前に完成された『チェス奇譚』(本作)が死後に刊行された。

「2021年 『過去への旅 チェス奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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