城 (角川文庫)

制作 : 原田 義人 
  • 角川書店
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本棚登録 : 125
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042083047

感想・レビュー・書評

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  • 追記
    Kがしていることは、不断の闘争によって、自分で自分のために希望を創り出すこと。どんな小さなことも、自分で闘い、勝ち取らねばならない。それが自分の人生を生きるということだろう。
    ーーーー

    出会った中で最高の小説。人生の暗喩。
    Kは城からどんなに蔑ろに扱われようとも、村人がどんなに信用できなくても、自分で自分を信じることをやめない。自分は使命をもってやってきた!その使命をやり遂げたい!と動き続ける。周りの環境が絶望的であればあるほど自分を信じる心が希望としての尊さを増す。

    私ももうすぐ何がしかの仕事をもらって社会に出る。そこで相手に本当に必要とされているのかわからなくても、あるいは周りの全員が信用できなくても、自分だけは自分を信じていたい。何らかの使命を持って生きていて、それを絶対果たすんだと思い続けたい。
    これが使命だというものを見定められたら幸せだか、それも終わりの無いものかもしれない。人生も死ぬまで未完だ。

  • 綿々と描写が積み重ねられ、省略や時間経過も少ない為、読んでいて息が詰まる。物語も堂々巡りで閉塞している。なんとも爽快感が無い。
     「Kは、役所と生活とがこの土地ほどもつれ合っているのをどんなところでもまだ見たことがなかった。役所と生活とがその場所をかえているのではないか、と思われるほど、この両者はもつれあっていた。」
     という一節がある。この小説は概ねこの説明につきる。
     著者のパラノイア的な一人語りに付き合わされているような気がしてきて、気持ちが重くなる。さらりとフォトリーディングする位でちょうどええ、と感じた。
     からまった糸のような面倒なことの連続。思えば、仕事も暮らしも人生も、城の世界と大差ない気がした。
     
     映画化作品があるなら探して見てみたい。 

  • 2015.08.01

  • つまらんものはつまらん。

    短ければまだ許せたかもしれないが、どう考えたとしても意味不明な登場人物たちが、ダラダラと詰まらない会話を繰り返し続けるのだ。

    ちっとは仕事をしろよ。そう思いながら本を閉じる。

  • 非常に面白かったが、結末が見えなかった

  • 難解なのに、読みやすい。

  •  にわかに興味をひかれ、フランツ・カフカを立て続けに5冊読んだ。

     中でも著者の代表作と聞く本書は、城というよりは迷宮的なグルグル感が、まさにカフカ小説の特徴を凝縮したようなイメージ。どこまで行ってもたどりつけないがために、作品世界をさまよう感覚が興味深い。でも正直、アタマ痛かった……。

     頭痛に耐えてず~っとさまよいながら読んでたのに、終わらないのがいっそお見事だ。未完であるということそれ自体が、一つの完成形のようにさえ見えてくる。
     多くのことがひどく無意味そうに描かれ、何もかもが曖昧、結末が訪れる気配などなく……。そもそも、物語に終わりがあることを期待するのが間違いなのか、なんて絶望的な感想すらわいてくる。


     兎にも角にも、城はそこにある。確かに存在している。ただ、中に入ることはできない。Kと一緒に、私も城の外側を回り続ける。

     この城を描くことで何を表現してるの。言いたいことでもあるのか、もしやないのか。こんなにどうでもよさそうなたらい回しの経緯(笑)が、なぜ異様なリアルさで描かれてるの? 何かの暗喩か。どこかの批評家の論説を探してみるのも一興ですね。

     そう思いながらもあえて言う。結局、城は城でしょう。城以上でも城以下でもなく。建ってるだけ。

     書かれている通りのものとしてとらえるほうが難しい。入ることのできない城を見る時、イメージを重ねて自分で城壁を築いてしまう……。単なる城を見ようとして目を凝らしてみるが、どうしてもはっきりしない。おそらくわたしは、著者が一行足りとも書いていないような城を勝手に思い浮かべてる。

     もっとフラットに、もっとニュートラルになろうとしても、焦点がぼやけ、瞼をこする。何か始まったような気もせず、終わりのないままに消えていったこの小説を、読み終わることさえできないでいる。

     ちょっと分かりかけてきた、物事に核心などないのだということに、わたしはまだ往生際悪く納得しかねている。

    ※レビュージャパン掲載書評
    <終わりのないままに>

  • カフカというと、『変身』は広く読まれているのではないでしょうか
    朝、めざめると虫になってたという話ですが、
    『城』も、主人公のKが、ある村に到着し、自分を取り巻く状況を理解できないままに
    もがく様は似ている部分もあります
    しかし・・訳者さんにけちをつける気は毛頭ありませんが、読みにくい・・・
    恐ろしく会話が長いんですが、淡々と回りくどくて要点がよく分からない・・・
    分からなさ加減が、リアリティがあるし、
    カフカの不条理感を醸し出しているとも言えなくないのですが
    白状しますと、三度目の正直でやっと読破しました
    最初に手に取ったのは、10年近く前ですから、随分長くかかりました
    10年の間に、読み手の私も変ったんだなと思います
    不条理が、そういうことってあるよねって思ってしまう
    奇妙な事に、主人公のKだけがイニシャルで呼ばれています
    その村では何者でもないK
    何を求めているのかも分からなくなりそうな空回りぶり
    私もあったな、Kみたいな時・・・
    今の社会にも大勢のKがいるんじゃないかなぁ
    あっけない結末が、また、なんとも言えません
    話したい事の半分も話せないまま、一方的に電話を切られたような後味の悪さ
    それが、またリアルなんです

  • 奇妙な村にやってきた主人公Kの物語。村に到着したKは、村を統治する伯爵の城との接触を試みるが、奇妙なことにどう苦心してもその試みが成功しない。それどころか、Kは次々に奇妙な人間たちのところへ巻き込まれていく。さらに、作品として未完なので私たちはKの行く末を知ることが出来ない。
    村でまかりとおる理屈が完全に不条理で、登場人物の思考経路がしばしば理解できない。だけど、それが妙に現実らしく思えるから不思議である。言葉が通じているから、一見するとKと村とは生活を共有できているかのようである。しかし、言葉以外の多くの部分において全く異なる了解を前提しているため、両者における言葉の共有はむしろ誤解の原因にしかなっていない。もしかしたら人間の合理性は、このくらい滑稽で独りよがりなものにすぎないのかもしれない。

  • 邦題「城」。長いことかかったと思う。読み終わるまでに。2週間じゃ済まなかったはず。大体1日に調子いい時で20ページ程度で、学校の行きはほとんど寝てるので帰りにちょびちょびと。螺旋階段を昇っていく感じというよりかは、地下にずんずんと下っていく感じのような感触を読んでいると受ける。ふと気を抜くと何の話で、どうしてそうなったのか、そもそも誰が今話しているのか、さっぱりわからなくなる。煙に巻かれる。不思議。いくら読んでも物語を掴めない。掴めそうな気がしない。ひょいひょい逃げて行く。だから追いかける。筋がないわけではない。ある。けど、それは筋と言えるものではない。カフカは文学として異端の中の異端だと思う。いや、異端ではなく、最先端なのかもしれない。こんな作品はカフカにしか書けない。。。すごい。。。(07/11/6)

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著者プロフィール

1883〜1924。チェコのプラハ生まれ。プラハ大学で法学を専攻。ジョイス、プルーストとならぶ現代世界文学の最も重要な作家。著書に「失踪者」「城」「審判」など。

「2013年 『ミレナへの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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