変身 (角川文庫)

制作 : Franz Kafka  中井 正文 
  • 角川書店 (2007年6月1日発売)
3.58
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  • レビュー :100
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042083061

作品紹介

平凡なセールスマンのグレゴール・ザムザは、気がかりな夢からさめたある朝、一匹の巨大な褐色の毒虫へと変わった自分を発見する。理由もなければ原因もない。その日から家族との奇妙な生活が始まった-。非現実的な悪夢をきわめてリアルに描き、現代人の不安と孤独をあらわにした最高傑作。読むものに無限の深遠を感じさせる名訳でおくる。カフカ的エッセンスが凝縮された名作「ある戦いの描写」を同時収録。

変身 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • リアルっていうから、主人公である芋虫の描写がリアルなのかと思って、ドキドキしながら読んだけれども。
    このリアルは人間関係の描写がリアルってお話だったのです。
    ぁんまりにも人間らしすぎて目をそむけて鼻で笑ってしまいそうになりました。
    だけど、現代でも学者がカフカを長年にわたり議論し合う理由がここにありました。
    カフカ思想、父親へのぎゃくしゅう説の根本か、引き寄せられるようにどんどんと読んでしまいました。

    一度は読むことをお勧めする、カフカ作品です。

  • 「変身」と「ある戦いの描写」の2作品。
    フランツ・カフカ。
    これまで実は読んだことがなく、初のフランツ・カフカ。
    虫になってしまった主人公の「変身」は、家族の在り方、自分の在り方を問うているのでしょうが……。
    なんともいえない奇妙は気持ち悪さが残る作品です。

  • 【変身】
    中島敦「山月記」の授業をしてから変身譚を読みたいと思っていて手を取った作品。

    「山月記」と比較して、主人公があまりに冷静なのに読み始めは違和感があったのですが、李徴がギャーギャー言い過ぎなのかとも思うようになりました。

    虫になって驚く、ではなく、虫になって仕事の心配をするなんて、リアルすぎではありませんこと?Surréalisme!!!!

    ラストシーンは「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を思いながら読みました。

    無音の文章の美しさ極まれり。




    【ある戦いの描写】
    最初は全く意味が分からなくて挫折しそうになったものの、読み進めているうちになんだか楽しい気分になってきて、最後まで読み進めました。

    途中から妄想妄言の話なのかなと思いつつ読んでいましたが、色々な解説を見る限り、それが一般的な解釈なのですね。

    こちらも超現実で、気持ちがよかったです。

  • 変身は読めば読むほど、暗くなってしまいました。
    しかし、今の自分と少し重なるところもあり共感も少し覚えました。

    私自身、虫になったことがないのですが
    様々な描写もリアルで、自分に置き換えて
    想像するのも面白かったです。

  • 以下引用。

    「(略)――まあ、考えてごらんなさいよ。ひとりぼっちで、自分のベッドへはいって寝るわけですからな。あの掛け蒲団のやつが、どのくらいたくさんの幸福な思いをおしつぶしてしまうことでしょうねえ。しかも、反対に、あいつは悲しい夢だけはいくらでも暖めてくれるんですからね」(ある戦いの描写、p.106)

     「もちろん、行きますとも……」そう私は言って、ひとりで立ちあがったのだが、ひどい苦痛を感じた。(中略)ところで、月が私をも照らしてくれるとは、まったく嬉しいじゃないか。たが、月が地上の万物を照らすのはあたりまえのことだ、と思いついた。謙虚な気持ちになって、あの橋の塔のアーチの下へ身をおこうとしたときに……すると、嬉しくなって私は両腕をすっかりひろげ、思いきり月光を楽しんだものだ。その腕をなげやりに動かして水泳ぎの所作をくりかえすと、私はべつに苦痛もなく骨折りもせずにやすやすと前へ進むことができた。そんなことをいままで一度も試してみたことがなかったとは! 私の頭は冷たい空気のなかへ浮かびあがり、右の膝が格別に飛翔の役に立った。その膝をたたいて私はほめてやったものだ。(p.118)

  • 私の記念すべきカフカデビュー作品。
    シュールな現状とリアルな息苦しさ、残酷な解放が負のテンポを刻む名作だと思う。
    現実ってこんなもんだ。

  • いろいろとなんとかこの本の解釈をしようと試みました。レポート(ノンフィクション)を読んでいるような感じがして、虫がすきじゃないので作品自体は好きではありませんが、一生心に残っている良い作品だと思います。

  • 人間というものの汚い部分を浮き彫りにする作品のような。ひとつも救いがない…

  • 「ある朝、自分がとてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がついた。」
    姿かたちが変わっても心はグレゴールのまま。ただしそれを知らない家族には気持ちが伝わらない。一家の長男としての責任や、妹の将来を心配するやさしい気持ちをどうしても伝えることのできないもどかしさ。
    やがて、グレゴールの存在を忘れて再生していく家族。それは人間の強さでもあり、寂しさでもあります。

  • 『変身』…奇想天外な発想とリアリティが同居する不気味さがあった。
    『ある戦いの描写』…難解なり。

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