変身 (角川文庫)

  • KADOKAWA
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本棚登録 : 2206
レビュー : 178
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042083061

作品紹介・あらすじ

平凡なセールスマンのグレゴール・ザムザは、気がかりな夢からさめたある朝、一匹の巨大な褐色の毒虫へと変わった自分を発見する。理由もなければ原因もない。その日から家族との奇妙な生活が始まった-。非現実的な悪夢をきわめてリアルに描き、現代人の不安と孤独をあらわにした最高傑作。読むものに無限の深遠を感じさせる名訳でおくる。カフカ的エッセンスが凝縮された名作「ある戦いの描写」を同時収録。

感想・レビュー・書評

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  • いやー、何故か『変身』挫折→『審判』挫折→もう一度『変身』に挑戦してやっと読みきれた。前は何だか自分に置き換えて想像すると苦しくなって、止まってしまった思い出。

    カフカの怒涛の長台詞、好き。
    最近引っ越したばかりで、手持ちぶさたでどうしても寂しくなりがちだったけど、巻末のカフカの人生について「カフカは孤独にならないと執筆出来ないと考えていたから、結婚するのを躊躇した」的なことが書かれていて、何だか勇気をもらえたよ。孤独と向き合おうじゃないか。

    そういえば、本の表紙で虫の絵が描かれようとしてたけど、カフカは断固拒否したらしい。大賛成。

  • 冒頭だけ教科書で読んでいて、結末は知らなかった。なんだか、意識ははっきりしているのに病気のせいでコミュニケーションが取れなくなった人に対してのあり方を描いてるように思えた。否定したり、受け止めようと努力したり、それでも愛は残っていたり。家族を取り巻く状況も変化して、いろんな変化に苛まれた結果がこれなのかな…
    かつては大切な、今はどうにもならない存在と離れられて、肩の荷が下りたラストが切ない。

  • この虫は一体何なのだろうと感じた。「老い」「病気」「障害」の象徴なのだろうか。

    最初は気を使ったり、気を使われていた家族の心がだんだんと離れていくのが現実的。

  • ある日突然虫になったグレゴール・ザムザ。とても冷静に周囲も自らも観察し淡々と物語が進む。不慮の事故や病気で誰かに助けてもらわなければならなくなった状況を考えると身近に感じる。家族のために働いてきたグレゴールだが、虫になった事で家族から敬遠されてしまう。それまでの関係性が浮き彫りになる瞬間なのだろう。これは誰にでも起きる可能性のある不条理なのかなと思いながら読んだ。

  • 久々に有名どころの古典を。
    起きたら虫になっていたという設定が飛びすぎて驚きますが、当時の著者の心境を表していたのでしょうか。言いたいことも伝えることが出来なくなってしまうし、これまで家族のために働いてきたのに、そんな家族からは邪魔者扱いされてしまう。もしかしたら当時の自分と重ね合わせていたのかもしれません。特に妹の演奏の場面や、食事を食べなくなる場面、絵画を守ろうとする場面なんかは、
    主人公の伝えられないもどかしさと、それが逆効果になっていることに、意思疎通とは姿かたちによるものなのかと考えさせられてしまいます。最後には衰弱した主人公の暗い結末とは裏腹に、何だか清々しい感じで旅に出る家族の描写が、人間の繋がりの儚さを物語っているように感じました。

  • リアルっていうから、主人公である芋虫の描写がリアルなのかと思って、ドキドキしながら読んだけれども。
    このリアルは人間関係の描写がリアルってお話だったのです。
    ぁんまりにも人間らしすぎて目をそむけて鼻で笑ってしまいそうになりました。
    だけど、現代でも学者がカフカを長年にわたり議論し合う理由がここにありました。
    カフカ思想、父親へのぎゃくしゅう説の根本か、引き寄せられるようにどんどんと読んでしまいました。

    一度は読むことをお勧めする、カフカ作品です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「人間関係の描写がリアル」
      介護に疲れるように、息子を受け入れなくなってしまう。本当にリアルです。
      「鼻で笑ってしまいそうになりました」
      笑...
      「人間関係の描写がリアル」
      介護に疲れるように、息子を受け入れなくなってしまう。本当にリアルです。
      「鼻で笑ってしまいそうになりました」
      笑ったら、カフカも照れ臭そうに笑うでしょうね。皆悲観的過ぎるよって、、、
      2012/09/03
  • 独特のリズムや雰囲気があり、この一冊により他のカフカの作品も読みたくなった。
    読んでいる最中は、薄暗い霧の中を歩いているような陰鬱さを感じ、読後も晴れることは無かったが癖になる世界観。
    今までにないテイストだったので私は個人的には好きでしたが、読む人を選ぶと思いました。

  • 率直に一言で言うなら「変な話だな」と。
    残酷な話のようであり、でもどこか滑稽さも感じさせるような。

    主人公のグレーゴルがなぜいきなり巨大な虫になったのか、またそれはどんな姿の虫なのか、という肝心な所がずっと謎に包まれたまま話が進んでいきますが、どういう視点から切り取ろうとしても「悲しい/楽しい」「明るい/暗い」というような単純な分け方は出来ないとても不思議な物語だと思います。

  • 仕事に遅刻をする事に罪悪感が強い時代だったのか、いや、そのせいかはわからないけど、主人公は毒虫になる。

    途中からは、オチが楽しみで仕方なかった。

    彼はどうやって人に戻るのだろう。

    それを考察しながら読み進めたから、このオチには参ったな。

    いやぁ、面白い。

  • 「不条理」とは何か

    ✏︎ある朝起きると自分が巨大な虫になっている物語。

    ✏︎その後、自らの異形によって、愛する家族との関係が崩壊し、苦しみ続ける物語。

    ✏︎自らの非はないにも関わらず、急遽自身に起こった奇怪な出来事により、ただただ苦しみ続けるという、不条理さしかない作品でした。

    ✏︎皆さんのご意見を伺い、自分でもさらに解釈をしてみたいです。

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著者プロフィール

1883〜1924。チェコのプラハ生まれ。プラハ大学で法学を専攻。ジョイス、プルーストとならぶ現代世界文学の最も重要な作家。著書に「失踪者」「城」「審判」など。

「2013年 『ミレナへの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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