変身 (角川文庫)

制作 : Franz Kafka  中井 正文 
  • 角川書店
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本棚登録 : 982
レビュー : 114
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042083061

感想・レビュー・書評

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  • 人は他者との関わりの中で自分を確立していく生き物です。健全な社会生活を送っていた者が、近しい人に突然毒虫として厄介がられるこの苦悩は耐え難いですね。何らかの事情で現代版の毒虫となった方も沢山いると思うので凄く考えさせられました。

  • 4

  • 昨日まで働いていた息子が突然ニートになったら。
    一家の大黒柱だった父に介護が必要になったら。
    働き盛りの夫が事故で寝たきりになったら。
    専業主婦だった妻が鬱になったら。

    誰もがグレーゴルになる可能性がある。
    その時、親は、子は、妻や夫は虫になった大切な人を理解してあげられるか?虫にしたまま見殺しにしてしまうのか?

  • 【突飛な物語だろうか?】
    初めて読んだ時、「これが介護だったら」と思ったのを覚えている。
    身内が虫になることはないが、身内に介護が必要になることはある。会話もできない、身なりを整える力もない、下の世話も必要、そんな姿になったら?


    今、自分の身内がそんな状態だ。
    数ヶ月は関われていたが
    今の私は、その人から逃げている。
    会いに行かないし、当然世話もしていない。

    また読まねばならぬと、強く思っている。

  • カフカは名前だけは知っていたのですが初めて手に取りました。
    表題作「変身」はあまりにも有名な作品ですが、ある日虫に変身してしまった主人公の結末までの中で
    今迄ある意味では保険をかけて生きてきた家族が
    この変身を機に、家族の在り方や生活など苦悩していき
    最後には己の力で生きる覚悟を身に付けたように思えました。
    そういった意味で、結末は後味が悪いと評価されがちですが
    作中でも主人公が妹の進学や家族の財産を心配し「自分が居なくては」と必死でもがく中で、彼のいない世界で立ち上がる姿を見せた家族には希望が残された結末であると個人的には感じました。
    「ある戦いの描写」についても難解とされていますが、
    私個人の解釈としては、他人や世間に映る分身の自分と本来の自分の心の奥底での苦悩や葛藤が感じ取られ、
    自分自身で自分を認めなければ透明な存在にだってなり得る人間の心の危うさと儚さを描いていると思いました。

  • 2008年11月23日~24日。
     読み返して感じたのは、そんなに難解じゃなかったなぁということ。初めて読んだ時は「ん?」と思った記憶があるのだが。
    「ある戦いの描写」が同時収録されているが、こちらの方が「ん?」。心地の良い甘味な「ん?」である。

  • 最初は設定のあまりの不気味さ、描写の気持ち悪さになかなか進まず・・・という感じでしたが、半分読んだぐらいからは急速に物語に引き込まれ最後まで一気に読みました。
    物語の最後、グレゴールの死に触れた家族の反応を白状と思うか、それまでグレゴールがいるために受けた苦しみを思えば仕方ないことだと思うか・・・とても難しい問題だなと感じました。
    自分の家族が毒虫に変身することはありえないですが、認知症などで性格が変わり意志疎通も難しくなることはあるわけで、その時どのように接するのがベストなのか。
    色々と考えさせられる話であったことは確かです。

  • 初めて読んだのは学生の時、大学の講義で取り扱った。そのあと自分でも何度か読んでみた。最初は難解に感じていたが、介護が必要な家族を抱えた家族に置き換えて読むこともできたし、ザムザの側に立って考えることもできた。

  • 人間は外見が変わるだけで、中身も変わってしまう。

  • 両親や妹を養うためにセールスマンとして日々働いていた主人公、グレゴール・ザ厶ザがある朝目覚めると、足のたくさんある毒虫に変身してしまうお話。

    グレゴールは家族の話を理解することができるが、彼の家族はもう彼の言葉を理解することができない。醜い姿を目にした家族は、恐怖し、忌み嫌う。
    一方、家族を怖がらせないように自分の部屋に閉じこもったグレゴールは、妹が少しずつもってきてくれる食事を食べて生き延びながら人間の心を失わずに、家族の動向に耳を澄ませている。
    自分が働かなくては家族が食べていけぬ、との焦りから、虫となった自分を受け入れ、諦め、そしてついには死んでいく。
    グレゴールが人間だった時には彼を愛していた家族は、その死を知って、重荷がとれ、うきうきと郊外に出かけていくのだ。

    安部公房が書く悪夢にも似たストーリーだが、とても重苦しく、後味の悪いエンディングが印象的だ。

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著者プロフィール

1883〜1924。チェコのプラハ生まれ。プラハ大学で法学を専攻。ジョイス、プルーストとならぶ現代世界文学の最も重要な作家。著書に「失踪者」「城」「審判」など。

「2013年 『ミレナへの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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