変身 (角川文庫)

制作 : Franz Kafka  中井 正文 
  • 角川書店
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レビュー : 115
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042083061

感想・レビュー・書評

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  • 愛する人の姿が変わり果ててしまったら、それでも愛しつづけることはできるだろうか。

    人間はいつ人でなくなるのか。
    人の姿を失ったときだろうか、有様が他者の期待からひどく逸脱したときだろうか、他者に死んだものとされたときだろうか、命が潰えたときだろうか。

    人は見た目じゃない。そんな綺麗事を容赦なく一蹴する生生しさが描かれている。

  • 『変身』…奇想天外な発想とリアリティが同居する不気味さがあった。
    『ある戦いの描写』…難解なり。

  • 「変身」は主人公が毒虫になることによって周りが「変身」する様が描かれている。
    最後は・・・ハッピーなの?主人公アレなんだけど。

    「ある戦いの描写」は・・・よくわからなかった。なので事実上、「変身」だけの評価。

  • 別に不気味でも怖くもなかった。漫画の読み過ぎなのかしらないけど。
    設定がおもしろいし、淡々とした主人公がすてき。
    ひたすら次はどうなるのかが気になって一気に読了。
    予測では蛾どか蝶になって人間界と別れを告げる、と思っていたらあっさり死んだ。
    ひたすら主人公のいざというときの潔さがいっそすがすがしくて。
    でも「なんで?」「なんで?」の連続。これが不条理か。
    新しいジャンルに出会えて感動。

    解説曰く「なんだか胸の奥がひりひりするような寂しさにかられない読者があったら、かなり健全すぎる神経の持ち主」らしいが、じゃあ私は健全すぎるそうだ。

  • 朝目覚めると一匹の巨大な毒虫と変わっていた、という衝撃的な設定のカフカの「変身」。この本の存在を知らない人は少ないのではないでしょうか?

    私も、子供心(といっても10代半ばだった)に衝撃でした。当時の私にとっては内容が大人過ぎて理解できなかったことを差し引いても、文章が固くて面白くない、という印象が強く、名作、とも思わずスルーしていました。

    さて、ここに角川文庫で中井正文さん翻訳の「変身」があります。今回は、文体が軽妙に感じて、するりと、物語の中に吸い込まれました。実は翻訳者の中井正文さん自身、直木賞候補にもなった小説も描いている方だそうで(まだ読んでいませんスミマセン)、翻訳の力が大きい気がしました。加えて、あとがき、解説もしっかりしていて、不遇の作家カフカの人生を知ることができ、物語や作家への興味ろ理解を深めるのに大変役立ちました。ので、角川版、オススメです。

    「変身」って、企業でいうと異動の多い、今の時期から5月にかけて読むといいかな~。

    "毒虫"になったという設定ですが、こう読んでみるとどうでしょう?

    これまで家族のために無理を重ねて、毎日毎日たいして好きでもない仕事を、上司や仲間に気持ちを踏みつけられながら、ただ収入のため、家族を養うため、結果として自分が社会適応していくために続けていた。けれども、実はそこから逃げ出したくて仕方がない。ある朝自分の中のそうしたネガティブな気持ちが"毒虫"というかたちで顕在化した。

    とすると、この物語の主人公は、もしかして、「あなた自身」ではないですか?

    自分のこととして読みだすと、とても深い。泣けてくる人もいるだろうな。

  • 昨日まで働いていた息子が突然ニートになったら。
    一家の大黒柱だった父に介護が必要になったら。
    働き盛りの夫が事故で寝たきりになったら。
    専業主婦だった妻が鬱になったら。

    誰もがグレーゴルになる可能性がある。
    その時、親は、子は、妻や夫は虫になった大切な人を理解してあげられるか?虫にしたまま見殺しにしてしまうのか?

  • 【突飛な物語だろうか?】
    初めて読んだ時、「これが介護だったら」と思ったのを覚えている。
    身内が虫になることはないが、身内に介護が必要になることはある。会話もできない、身なりを整える力もない、下の世話も必要、そんな姿になったら?


    今、自分の身内がそんな状態だ。
    数ヶ月は関われていたが
    今の私は、その人から逃げている。
    会いに行かないし、当然世話もしていない。

    また読まねばならぬと、強く思っている。

  • 初めて読んだのは学生の時、大学の講義で取り扱った。そのあと自分でも何度か読んでみた。最初は難解に感じていたが、介護が必要な家族を抱えた家族に置き換えて読むこともできたし、ザムザの側に立って考えることもできた。

  • 再読(前回とは訳が違うけど)。それにしてもこれ、実はハッピーエンドだったんだなぁ、と。前回よりは楽しめた気がする。おまけの1編はあまりよろしくない。

  • ある朝目覚めると虫になっている有名な話。

    大学時代に読み、古典作品および外国作品が好きになったきっかけの一冊。

    人生の不条理感を象徴的に表した作品だが、それよりも人間の他者理解の容貌の描写がリアルで辛い。

    読み込ませる構成と話を結論まで持っていける技量は多くの小説家がいるが、その中でも優れていると思う。

    古典として残る作品の凄さを改めて実感させる作品。

著者プロフィール

1883〜1924。チェコのプラハ生まれ。プラハ大学で法学を専攻。ジョイス、プルーストとならぶ現代世界文学の最も重要な作家。著書に「失踪者」「城」「審判」など。

「2013年 『ミレナへの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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