白夜 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042087021

感想・レビュー・書評

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  • 最後まで名前のない青年の未来に、幸せのあることを祈りたくなる話だった。
    丁寧に心の動きが書かれ、2人きりの会話から感情がほとばしる様子は非常に瑞々しい。無垢で無邪気で純粋な愛に満ちていることが羨ましく思えてくる。
    青年を苦しめるナースチェンカの発言や、行動の一つ一つに切なくなった。けがれのない青年の心を余すことなく表現されていて、感情移入せずにはいられない。

  • 一度昔の映画を見て本を手に取った。
    映画でのこのヒロインは勝ってな女性だなーと
    呆気に取られたのを覚えている。
    実際小説でも、純粋で夢想家の青年を無邪気に
    振り回している様に感じる。
    若い男女の恋愛の温度差が、最後のオチに
    皮肉に繋がっている。

  • 最後、こうなるだろうなあと思いながら読んでたらその通りになって、ホッとすると同時に自分の性格の悪さが嫌になる。その落ちを期待していたから……。
    ドストエフスキーの時代でもこういう雰囲気の人って変わらないんだなあってしみじみ思う。絶妙な気持ち悪さが描くの上手い。けれど空想家の話は自分にも思い当たる節があるから共感しながら読んでた。多分読書家なら皆あの部分は共感するものなんじゃないかなあ。
    ナースチェンカも大概だけれど。女友達に絶対なりたくないタイプ。
    冒頭の家に話しかけたりするシーンや空想家の話、「自閉症だったわたしへ」で読んだのと全く同じ雰囲気で、もしかして自閉症……?それともこういうの描くのが上手いだけかなあって考えてる。

  • こじらせ恋愛

  • ちゃんと「序・破・急」でした。

    恋をした少女ナースチェンカは、盲の老婆と暮らすが、いつも洋服通しをピンで止めて暮らしている。
    老婆は自分の介護者の居場所を知るためにそんなことまでする。
    そらいやになるわな。

    「急」は予想通りでしたが、わがまますぎるやろ。逆に夢みがちな青年は現実を直視できるやろな。
    この少女の方が夢想家に見える。

  • 出だしはうじうじした男の戯れ言がつらつら綴られていて退屈だったけど、彼女と出会ってからは割りとスムーズに読めた。
    よくある純愛小説で、結末も予想した通りだった。若い娘特有のズルさに翻弄された彼だけど‥‥まあ、いい夢見れたんじゃないかな。

  • Kindle版

  • ドストエフスキーの作品はどうしても受け付けないものがあり、彼を嫌いになりかけるのだがその時にいつでも思い浮かべてしまうのがこれ。抒情詩人としてのドストエフスキー、これがあるので嫌いになりきれない。愛すべき宝石のような小品。

  • ナースチェンカ!ってつい言いたくなる
    読了後なぜか谷崎潤一郎の痴人の愛が読みたくなった…(笑)

  • 薄いので再読。ロシア文学にはどうも「登場人物の名前が覚えられない」という苦手意識があってほとんど長編には手を出せていないのだけれど、さすがにこれくらいの短さで登場人物二人だけならセーフ。

    しかしよく喋る主人公だなあ(笑)そこは心の中で独白にしておきなよ、ということまでペラペラ口にしちゃうのだけど、典型的な、友達いないのだけど喋り出すと止まらないタイプ・・・というか、いるよね、現代日本にもこういう人、結構たくさん。そういう意味ではドストエフスキーのキャラ造形ってすごい。

    一方ナースチェンカのほうは、主人公には天使のように純真に見えてるのだろうけど、客観的に見ればたいした小悪魔(苦笑)

    若いころに読んだときは、それなりにロマンチックなラブストーリーのように思った気がするのだけど、今読むと主人公のキャラの「痛さ」の印象のほうが強く残ってしまう。いつか幸せな恋ができるといいね(同情)

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著者プロフィール

(Fyodor Mikhaylovich Dostoevskiy)1821年モスクワ生まれ。19世紀ロシアを代表する作家。主な長篇に『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』『未成年』があり、『白痴』とともに5大小説とされる。ほかに『地下室の手記』『死の家の記録』など。

「2010年 『白痴 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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