罪と罰 下 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2008年11月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (560ページ) / ISBN・EAN: 9784042087182

作品紹介・あらすじ

その年、ペテルブルグの夏は暑かった。大学を辞めた、ぎりぎりの貧乏暮らしの青年に郷里の家族の期待が重くのしかかる。この境遇から脱出しようと、彼はある計画を決行するが……。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

人間の罪と再生を深く掘り下げた物語は、主人公ラスコーリニコフの苦悩と内面的葛藤を通じて展開します。彼の選択とその結果がもたらす心理的影響は、単なる犯罪の物語を超え、愛と赦しの重要性を浮き彫りにします。...

感想・レビュー・書評

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  • やっと読み終わった〜
    現代文学に慣れた自分にはかなり読みづらい。
    演劇の脚本かと思うような言い回しは良いとしても、ラスコーリニコフが選民思想を持っていることが上巻の後半に出てくるなんて分かりにくすぎる。コレが分かってないと単なる金目当ての殺人犯としか理解できない気がするが…
    ロシアでも葬式の後に精進落としをやるんだぁ、などが知れたのは面白かった。
    しかし、本書を高校生の時に読んで大きな影響を受けた、という方々とは何が違うのだろう?などとどうでも良いことで人と比べてしまったり…

    殺人者の心理、殺したのは悪魔で僕じゃない,僕は自分を殺したんだ、永久に自分を殺してしまったんだ

  • 現在はパブリックドメインで青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/cards/000363/card56656.html )にも載っている米川正夫訳で一気読み。〈ちょっ、〉という発話が出る度にツボる。スヴィドリガイロフの死の前の幻惑している場面が印象に残る。ラスコーリニコフは罪について、明確な反省をみせない。彼の傲慢と自意識の強さが全体の要かも。〈これからどんなに限りない愛をもって彼女のいっさいの苦痛をあがなうかを、自分で知っていた〉と終盤で書かれる。色々な考察を参照しなければと思う。

  • 貧しい大学生ラスコーリニコフが高利貸しの老婆アリョーナを殺害し、その後判事のポルフィーリーに追い詰められながらソーニャの優しい心に触れることで自首することとなる。殺害の理由としては選ばれた非凡人は凡人のための規約は踏み越えられるという個人主義や貧困から抜け出すための資金を得るために行われた。ロシアでは関係性によって人の呼び方が変わるので同一人物でも名前が違うことがあり読んでてわかりにくくかった。最初の方のマルメラードフと主人公の会話はほんとにわかりにくい。

  • 癇癪持ちだったという作者の反映なのか、登場人物全員情緒不安定&短気すぎてまともな奴がいない。理解できる行動をする登場人物がおらずイライラしてくる。ラスコーリニコフの「理論」は作中で議論が深まっていくのかと思っていたらそうでもなく、「道理はいいが犯行の際の過失で天秤が狂って、さてあらためて善とは……」というふうに議論がされていくのかと期待したけどただめちゃくちゃになっただけだった。殺人どうこうの前に最初から最後まで周りに迷惑かけすぎだろ。最後なんか救われた感じになってるけど納得いかねえぞ。罪に罰はあったが謝意がなかろうよ。個人的ハイライトは上巻ラスコーリニコフの馬に関する悪夢と下巻カテリーナの錯乱場面。壮絶な描写は精神的ブラクラで、暗澹たる気持ちにさせてくれた。ロシア文学の人名呼称の複雑さや晦渋な訳で読み通すのがしんどかったが、世界的名作を読破したという経験の価値を踏まえてこの評価点。

  • ラスコーリニコフのバカヤロー。

  • 裁かれたのは罪だけではなかった。――ラスコーリニコフはついに犯行を告白し流刑の地シベリアへ送られる。だがそこで彼を待っていたのは罰よりも「再生」だった。愛するソーニャの献身が凍てついた心に光をともす。理性の正義に溺れた青年が苦しみを通して初めて人の温かさを知る。ドストエフスキー『罪と罰・下』は語る。救いとは法の外にあるもの――赦しとは他者の涙を見つめる勇気なのだと。

  • 青空文庫にて。

    読むのにかなりかかったけど思ったより面白かった。
    序盤〜中盤は殺人の動機がよくわからず本当にただの気狂いなだけでは?と思ってた。でも、金はないのに慈善的なこともするし躁鬱病的なものかなと。

    終盤あたりでナポレオンなどの非凡な人間は殺人を正当化できる(自分もそうである)と信じての行動だったけど、凡人のように気に病んでしまった。だけど、それを認めることができなくて悩んでた。と理解できた。それが「罪」の意識。

    で、最後には「罰」を受け入れることでソーニャの愛に救われる。ソーニャが聖女すぎる。

    それぞれのキャラクターも何のために出てきてるか中盤まではよくわからなかったけど、終盤にはちゃんと役割が確立してた。

    長いしよくわからないところもあり、ちょっとめげそうになったけど最後まで読んで良かった。

  • ずっと長いこと名作と呼ばれている作品を読まなきゃと思いつつも、放置してしまっている。年末の休みを利用して罪と罰を読破しようと思った。
    のだけれど、思ったよりも長かった。

    とにかく長かった。ずっと何ページにもわたって一人の人が喋り続けている。わりと重大なことかと思ったらそうでもなかったりする。とにかく描写が細かく、長く感じた。読んでて辛い気持ちになるエピソードもあって(マルメラードフ関連のエピソードが辛すぎた…)なかなか思ったよりスピードが出なかった。

    以下、章ごとのメモ。

    ・第1篇〜第2篇
    うんざりするような暗澹たる描写が続く。
    とくに自分をうんざりさせたのは、弱った牝馬を群衆たちが寄ってたかって蹴り殺す場面だった。なんだってこんな酷い場面を描写したのだろうと暗い気持ちになった。
    そもそも、好感の持てる人物はここまでで出てこなく、人間の嫌な面ばかり描写され、そして、一人一人の話が長い。大して興味が持てないか、もしくは聞きたくもない話をずっと聞かされ続けられている、そんな気分になってくる。そういうことって現実でもある。

    ・第3篇~第4篇
    ラスコーリニコフの母と妹、妹の婚約者がペテルブルクに到着し、さらに友人たちも現れて、役者が揃ってくる。が、やはり彼らのエピソードに興味が持てない。興味が持てず、なかなか読むスピードが上がらず、集中力が保たなかった。

    とにかく長い。主人公の妹のドゥーニャの結婚のエピソードが差し挟まれ、その間に人事不省になってふらふら出掛けたり、ヒロインであるソーニャと出会ったりして、個人的に好感の持てる人物でもなかったので、ひたすら退屈だった。

    わりとすぐに精神状態が悪化してふらふらあっちに行ったりこっちに行ったりする。

    まったく好感の持てない人物ばかり出てくるドストエフスキーのなかでも、ラズーミヒンだけはいい奴で癒やしになっている。いつも主人公を気にかけて、色々と世話を焼いてくれる。青春モノの作品にありがちな気のいい友人ポジションだ。

    「ナポレオンのような非凡な人間は人を殺しても咎められないので自分だって人を殺したっていいじゃないか」というのが、主人公の軸となる主張なのだけれど、、、その一方で、我が国では前首相が殺され、その結果としてこれまで隠されていたことが明らかになった。世界に目を向けてみれば、それこそロシアとウクライナが戦争をしている。たくさんの死がそこにはある。人殺しそれ自体は良くないことだが、そうでもしないと動かない物事であったり、自分自身や家族、大切な人を守るために人殺しをしなければならない人もいたりする。

    そしてこんなことも思い出した。宮台真司を襲った犯人も、今こうして、この物語の主人公のように怯えて暮らしていたりするのだろうか。

    ・第5~6篇

    とくに興味が持てずにここまでやってきてしまったが、第6篇のスヴィドリガイロフとドゥーニャの対決のシーンがすごく面白くてびっくりした。ここだけ別の小説を読んでいるのではないかと思うほどだった。このシーンのためにスヴィドリガイロフがとても好きな悪役となった。悪いこともしているが、それでも、人を助けるような善きこともし、そして、非業な死を遂げる。好き。

    このシーンが読めただけでもこの小説を読んだ価値があった気がする。

    ・まとめ
    ずっと「退屈」だとか「興味が持てない」みたいなことを書いてしまったが、結果としては読んでよかったし、満足感もあった。

    かつて、「カラマーゾフの兄弟」を読んだことがあるのだけれど、その際は、文字が滑ってしまって「ただ目を通してページをめくった」だけだったのだけれど、今回の罪と罰は、話の筋が理解できたし、それなりに楽しく読むことができた。

    確かに人間の描写はすごく上手かった。キャラクター描写としても上手いし、そこにホンモノの人間らしさも表現されている。会話劇だけで盛り上がりを見せるのもすごく上手かった。

    これだけ長い作品なので陰鬱としたエピソードもあるし、笑えるようなエピソードもあったり、笑ってたら大変なことになるエピソードもあったり、起伏があって面白かった。

    確かに文学史に残る名作だろうし、影響を受けるアーティストの多さも分かった気がした。

    長いから大変ではあるけど、青春モノとして読むと一級品であることは間違いない。読み通すことができてよかった。



    冬休み。
    罪と罰を読破した。(恥ずかしながらずっと未読だった…)
    とにかく思っていたよりも長くて冬休み中ずっとこれにかかりっきりになってしまった…
    長い小説だったけど、青春小説として、とても面白かった。
    (カラマーゾフの兄弟はずっと意味が分からなかったけど罪と罰は、それより遥かに分かりやすかった)

  • 米川正夫訳で再読。米川訳についてですが、なめらかかつ、重厚感があるので密度の濃い内容も読みづらさを感じさせない良さがあります。ただ、台詞や独白は多少古臭く感じるかも。個人的には好きな翻訳です。

    むかし読んだときと同じくラスコーリニコフには全く感情移入できませんでしたが、それでも読ませる筆力は流石。緻密な構成、展開の巧みさは素晴らしいです。ただし読む側の精神性によって評価が大きく変わる作品だと思います。また社会の二極化や過渡期による価値観の転換など、現代にシンクロするテーマは長く読み継がれている要因なのだと再認識しました。

  • 今のこの年で読むことができてよかったと思う。
    もっと前に、高校生や大学生のときに読んでいれば、またちがった世界や、色彩や、考え方が見えていたかもしれないけれども、今のこの知識と、これまでの人生経験から、ドストエフスキーのことを考えることができてうれしく思う。

    ドストエフスキーのエピローグと、役者のあとがきも素晴らしく、心地のよい余韻に浸ることができた。米川正夫訳を選んでよかったと思う。

  • 下巻を読了。

    ルージン、そしてスヴィドリガイロフ。共に俗物で悪漢。この二人の俗悪ぶりをコッテリ読まされる。顧みてふと思う。ラスコーリニコフの方が( 刑法犯罪を犯しはしたが )人間として信用できる人物に思えて来るのであった。

    また、予審判事ポルフィーリィにしてもラスコーリニコフに対して一種の敬意を抱いている。
    斯様な具合で、ラスコーリニコフの殺人に関して、本作では明確に「罪」として断じていない。多義的であるというか、多様な解釈がありうる。

    ラスコーリニコフ自身も、シベリアに収監されてなお、自身の殺人を悔い改めてはいない。悔いるのは、自身が打ち立てた理論と思考に対して、自分の精神が持ち堪えられなかった弱さである。

    ( ( 因みに )ラスコーリニコフはシベリアの監獄で他の徒刑囚から軽蔑される。「 お前は旦那衆だ 」とか「神を信じていない」と罵倒される。言わば、血の通わない人殺し、と忌避されるのだ。人殺しにも五分の魂があるべきだ、と言わんばかりだ。)

    中高生の読書感想文なら、ラスコーリニコフの殺人について、例えば「 身勝手でエゴイスティックな思考と行為は許せない 」なんて評するかもしれない。だが、今回の再読では、上述のようにより複雑な割り切れない感想を抱いている。

    そして、やはりソーニャの存在の重みである。
    前回の読了以降は、終章でソーニャがシベリアの監獄まで随伴して来た姿に胸を打たれた。ずっと心に残っていた。

    だが今回の再読で思い至る。ソーニャは全巻を通じて大きな意味を持って存在しているのである。
    ソーニャは他者に献身する滅私な生き方の、善なる存在。あたかも聖女の如きである。
    ラスコーリニコフは、シラミのような無価値の人間は踏み台にし犠牲にして構わぬ、という考えを持ち続けた。一方でソーニャは虐げられし女。社会的には言わばシラミのような人間の一人である。

    だがシラミのような人間であっても、ソーニャは他者を愛する。そしてシベリアでも多くの徒刑囚に愛される。シラミのような人間であったとしても、その愛と善によって価値のある人間である。

    エピローグ、シベリアの監獄で、ラスコーリニコフはソーニャの姿に影響を受け心が動き始める。そして改めて自分のソーニャへの愛に気づく。ラスコーリニコフの思考と心に変化の兆しが示される。

    それから、親友ラズーミヒンの友情の厚さに胸を打たれる。ラスコーリニコフの母と妹を支えるばかりか、ラスコーリニコフの流刑地近くに居を構え、友を支え続けることを決意するのだ。
    また予審判事ポルフィーリィの言葉も温かい。ラスコーリニコフに対して、( 思考だけに生きるのでなく )生活しなさい、しっかり生きなさい。生活が君の人生を立て直してゆくはずだ。と語りかける。「 尋問」に近い状況での対話にも関わらず、斯様な励ましの言葉を送るのであった。

    ドストエフスキーの描く登場人物には幾つかの類型があると言われる。前述の俗物や悪漢も然り。また貧しく虐げられし女もそうである。そしてもう一つの類型が「夢想家」である。夢想家の青年である。ラスコーリニコフはこの「夢想家」類型の人物で、いびつで未成熟な思考に突き動かされる青年である。それゆえに、未完成な「夢想家」を支え導く周囲の人間達の温かみと優しさもまた印象に残るのであった。

  • 重いつわり中、救いを求めて手に取った本。
    たぶん学生以来のドストエフスキー様。
    これを読み終えたらつわりも軽くなるかもしれない…と朦朧としながら、ラスコーリニコフの気の重さに自分の気持ち悪さを重ねて読んだ。
    読了しても気分はさっぱり良くならなかったけど、若い時より楽しめたような。
    昔は理解できなかったソーニャに少し寄り添えた気がする。

    それと表紙がロシアっぽくてよい。
    ロシア旅行中この表紙に似たポストカードを買って手紙を出したのを思い出した。

  • 上下巻 #読了
    話の展開は追えたし、登場人物もおおむね理解して読んでいたのですが、難解でした。
    読んで魅了された!といった感想を読むたび、なぜ私にはピンとこないのだろうと考えてします。もちろん、同じ本を読んでも、感じ方は違っていて当然ですから気にすることはないのですが。
    100分de名著の「罪と罰」や、江川卓さんの「謎とき『罪と罰』」も読んでみたいと思っています。

  • 2020.12.18
    想像していたよりずっとおもしろかったです。翻訳本特有の言い回しにはじめの100頁で慣れれば、あとは集中して読めます。伏線回収がすごい。

  • 終盤はかなりテンポよく読めたが、それまで非常に重厚感たっぷりで時間がかかった。
    ラスコーリニコフの傲慢な心理描写が面白い。
    こういう偏屈な人間はなぜ人を惹きつけるんだろう。
    けど決して感情移入はできない。

  • 2018/09/24

  • とても面白く読めた。ラストは感動した。現代日本にはこの物語の主人公のような利己主義の塊みたいな人が多いと感じる。作者の”信仰”という結論に納得行かない人は多いだろうが、現代でも一読の価値があると思う。

  • 最後50ページくらいで怒涛の展開。逆に言うと、それまでがえらく長かった。必要だったんだろうとは思うけど。
    でもその最後の50ページがすごく面白かったし、これは名作なんだなあと納得。読み返したらまた面白そう。でもしばらくはいいかな。疲れるね。

  • 米川正夫訳のすげー古いやつ

  • 保有状況:&購入日:&購入金額:

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著者プロフィール

ロシアの小説家、思想家。トルストイやチェーホフとともに19世紀後半のロシア文学を代表する文豪。

「2008年 『罪と罰 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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