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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784042103134
作品紹介・あらすじ
ロシアの貧しい青年アンドレイは、清純な妻と幸福な家庭を築くが、ドイツ侵攻に出征後、捕虜生活から脱走してみると妻と子供達は皆空襲で死んでいた。絶望の底で流浪の人生を送る彼は一人の孤児に出会う……。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
戦争によって奪われたものと、人間の絆を描いた短編集は、深いヒューマニズムに満ちています。主人公アンドレイは、愛する家族と幸福な生活を築いていましたが、戦争の中で全てを失い、絶望の淵に立たされます。流浪...
感想・レビュー・書評
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著者、ショーロホフは、本書刊行時の情報によると、次のような方です。
---引用開始
1905-1984。ロシアを代表する作家。南ロシアのドン地方の商人家庭に生まれる。中学生時代にロシア革命が起こり、のちに赤衛軍の食糧徴発部隊員として働く。1922年にはモスクワに出て肉体労働に従事。24年「ほくろ」で文壇デビュー後、短編集『ドン物語』『るり色の曠野』を刊行。その後帰郷し、そこで執筆を続けた。ロシア文学の最高傑作・大長編『静かなドン』でスターリン賞受賞。65年にノーベル文学賞受賞。
---引用終了
で、本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。
---引用開始
ロシアの孤児アンドレイは、貧しくも愛する家族と幸福を築いていたが、第2次世界大戦に出征中にドイツ軍の捕虜となり、長く過酷な収容生活を送る。そして脱出後に知った妻と子供達の死。全てを失い深い絶望の中で流浪のトラック運転士となった彼は、ある日1人の幼い戦争孤児に出会い…。1人の人間の小さな幸福、戦争による絶望、それを救う大きな人間を描いた表題作他、ノーベル文学賞作家による短編5編。
---引用終了
本書を知ったきっかけは、『新・人間革命第20巻』。
p256に書かれている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ロシアのノーベル文学賞受賞作家による短編集。表題作は戦争の悲惨さを描きつつもヒューマニズムに溢れた感動作。一方で「子持ちの男」はかなり救いようのない、トラウマになるような作品。一冊の本の中に光と闇が混在してるよう。
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短編集。5編ともに、戦争で何かを失った人間の悲劇を描いている。男性による問わず語り形式という点が特徴的で、小説として奇をてらうところは無い。
命を助けた負傷兵に、戦争で死んだ息子の名をつけて養子に迎える話「他人の血」と、表題作が印象に残る。
「夫の二人いる女」は体制賛美的で鼻白んだ。 -
せつない短編が5編収録されている。ドン河の描写が美しい。
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過去を克服するためには未来が必要なのではないか。アンドレイは愛する妻や子を失い、自身も捕虜としてドイツ軍に従事することで、人間として尊厳を徐々に失っていく。「p50しばらくの間、習慣で頭をすくめたものだ。殴られはしないか、とでも思うようにね。つまりドイツの収容所が、そんなくせをつけたわけさ…」過去に捉われた彼が出会った戦争孤児の少年。この少年がアンドレイにくっついて離れようとしないのもまた、彼もまた心に傷を負っているが故だろう。アンドレイも少年も、お互いがお互いに未来を見ていたのかもしれない。
アンドレイは妻に対して辛くあたることもある。けれども心の奥底では妻を愛しく思う、この二面性。他の作品、『子持ちの男』(止むに止まれず息子を殺す父親)や『るり色のステップ』(孫が目の前で犠牲になった過去を語る老人)でも、描かれるのは妻や息子など肉親に対する激しい暴力性と、それとは真逆の優しさだ。戦争という非常事態でこそ、この二面性が強く現れるのだろうか。それともこの二面性こそが、ロシア人の本質を表しているのだろうか。
ところで所々に出てくる「仕えただから」とか「飲むといいだ」とかは、方言を表しているのだろうか?(というか、田舎といったら何故東北っぽい言葉を使う?)原文は分からないが、仮に田舎であることが分かるような書かれ方だとしても、こんな言い回しは却って不自然でなんだかイマイチ。 -
『ぼくらの頭脳の鍛え方』
書斎の本棚から百冊(佐藤優選)70
文学についての知識で、想像力、構想力を豊かにする
国家や政府に頼ることはできず、信用できるのは具体的な人間だけだというロシア人の人生観をよくあらわしている。 -
非常に感傷的で大きな優しさと、冷酷なまでに過激な暴力性、誰しも持ちえる二面性な気もするけど、ロシア人はそれがより剥き出しになっている感じかしら。。
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これは嬉しい文庫の新版です。初版が1960年ですから、約50年ぶりと言うことになりますね。
ナショナリズムとの関連で語られることの多いショーロホフ(旧ソ連の文豪。ノーベル文学賞受賞)ですが、社会科学と違って、文学には、流派はともあれ、人間そのものを見つめる姿勢があることを本短編集から感じました。
共産主義や原理主義的宗教にありがちな人間に優越するイデオロギーは、微塵も感じられませんし、もちろん「断罪」もありません。決して繊細ではありませんが、ロシア文学に通底するごつごつとして素朴な人間像がそこにはあります。あのソビエトでよくぞこのような文章が書け、また、大衆や党執行部が受け入れたとしみじみ思います。
人間は悪にも正義にもなりうること。良心の呵責はどこまでも背負わなければならないこと。決して読みやすい小説ではありませんが、体当たりする価値のある作品集だと思います。 -
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ノーベル文学賞作家、ショーロホフによる短編5編。
(ちなみに「静かなるドン」とか書いてる作家。残念なことに初めて聞きましたが)
この本に行きつくきっかけは、
「ぼくらの頭脳の鍛え方」 (文春新書)/立花 隆・佐藤 優
で、佐藤優氏の推薦により。
表題の「人間の運命」、
「夫の二人いる女」
「子持ちの男」
「るり色のステップ」
「他人の血」の5編。
すべてがすべて、ハッピーエンドなわけじゃない。
基本的に、きれいな描写でもない。
でも、すべて読み終わった後に、きれいな爽快感。
・・・・爽快感というより、「うん。」ってうなずける、すっと入ってくる。
中でも、「子持ちの男」が1番好きです。
ロシアという国や、共産党といった特殊性は正直、わかりません。
でも、この小説では、
その土地を愛すること、
何が自分にとって譲れないものなのかを、
疑似体験とまではいかなくても、のぞくことはできることはできると思います。
米川正夫氏、漆原隆子氏の訳も素敵です。
無人島に、1冊持っていくなら、この本かもしれません。 -
短編集。最後の「他人の血」なんかが特に読みにくいと思った。
ホントにロシアの人はウォッカ好きだな 笑 -
『人間の運命』以外は読みづらいと感じた。
ロシア文学は素晴らしい作品ばかりですね。 -
佐藤優さんの解説の一部、「無法をもって法とする」という言葉が印象的過ぎてまさにこの本を、というかロシアという国を的確にとらえてると思った。(佐藤優さん自身の言葉では無いけど)
戦争ってのがこんな身近な国なんかい。
と思うほど戦争が入る。そして身内の暴力がある。
しかし、子を養おう・女性を救おうとする優しさもある。相反するような性質が同居している。
とんでもない国が隣にあるんだなぁと思う反面、ちと美しいとでも思ってしまった。もちろん暴力はもってのほかだ。やるのはお話の中だけにしてくれ。でもなんでこんな引き込まれるんかね。。。 -
人間の運命…アンドレイと少年、この先幸せであってほしい。
他人の血…寂しい終わり方だけど、心に沁みる。 -
ロシア革命と大祖国戦争によって翻弄されるソビエト国民の人情と悲哀を描いた短編集。
収録されている作品に出てくる登場人物は土臭く素朴で、悲しいまでに情が深い。
ショーロホフはソビエト政権のお抱え作家のイメージだったので、白衛軍側の人々を中立的に描いているのは意外だった。
解説で佐藤優氏が述べている通り、<正義感の強さと無法をもって法とするロシアの二面性>がよく理解できる作品であり、だからこそ自分はロシアに惹かれたのだと改めて気付かされる。
風景描写も秀逸で、以前ロシアで見たどんよりした冬空と果てしなく続く夏の平原を思い出し、懐かしさを覚えた。
やはりロシア文学は最高だ! -
他のロシア文学と少し感じが違う、優しく人間愛にあふれた短編集。あんまりクズなオヤジが出てこず、優しい気持ちになれる。ロシアの歴史が全然わかってないのと、ショーロホフが敵味方包み込み、断罪することなく包み込んで書くので、共産党と何が対峙していて、どちらが負けて、人々が何を守ろうとしてるのか、追いきれなかった。ショーロホフ自身はソ連体制の御用作家と言われていたらしい。
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角川文庫創刊60周年記念企画で、12月の編集長になった
佐藤優氏が、「編集長が選ぶ おすすめの角川文庫6冊」に
挙げている一冊。
共産党政府に敵対した人達が主人公の、問わず語り形式
の短編小説集。
「ロシア人を知るために読んだらよい小説を一冊だけ紹介
してください」と尋ねられると、氏はこの『人間の運命』を
紹介しているのだそう。
ワタシはモスクワに一度行ったことがあるだけなので、
ロシアとロシア人についてあまり先入観なく、この本を
読んだ。
果たして、ここに出てくるロシア人達は、そこはかとない
愛情と、それとはまるで正反対の執拗なまでの残虐性を
持ち合わせている人間として描かれていた。
どちらが強く印象に残ったかというと、ワタシにはその
残虐性の方がインパクトが強く、プーチン首相の顔を思い
出してしまった次第。
(別にプーチンさんが悪いと言っているのではなくて、
彼が冷酷悪役顔だということにすぎません。)
佐藤氏は、巻末の「新解説」の中で、「絶対的に悪い人間は
存在しない」というショーロホフのメッセージが伝わってくる、
と書いている。
言われてみれば、確かにこの小説の中では、共産党政府に
抗う登場人物たちは、政治的には否定されるはずなんだ
けれど、一切断罪されていない。
けれど、予想外の残虐性が飛び出してきたおかげで、読んで
いる間はこの点にはほとんど気づかなかった。 -
意味や思いを感じない文章だと思った。
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我厌恶战争!我投票不要的战争!迈克尔(ミカエル・ショーロホフ)著作「静静的(憧・冬・冻)(河・江・川)」=doh river,新田龙雄著作「静静的首领」ww。翻译家是・・
漆原隆子の作品
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