オセロ 改版 (角川文庫クラシックス シ 1-4)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042106098

作品紹介・あらすじ

美しい妻デズデモーナを愛するムーア人の勇敢な将軍オセロ。トルコ艦隊を打ち破り、今や順風満帆な彼の人生は、副官に任命されなかったことを不服に思う部下イアーゴの冷酷で緻密な陰謀により、影が差し始める。イアーゴはデズデモーナが不義を働いているとオセロにささやき続けたのだ。そしてついにオセロはみずからを破滅に追い込んでしまう…。人間の抱える普遍的な愛情の葛藤を、冷静に鋭く描いた、傑作悲劇。

感想・レビュー・書評

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  •  シェイクスピアの作品は『台詞回しが非常に特徴的』と言う評する人は多いと思うが本作もその一つ。登場人物の心情を表す台詞を徹底的にもったいぶって、また劇的なまでに書き起こしている事がよく判る。

     内容は悪い部下の偽の諫言により歴戦の将軍が妻に不倫疑惑を抱くようになり、破滅していく様を描いているといえばそれだけだが、この作品にはそんなあらすじだけでは収まらない激しさと悲しさが存在している。オセロの誠実な愛、デズデモーナの献身的な愛、イアーゴの執拗なる計略。この三つが複雑に絡み合い、物語を構成していく。だが、物語を読んでいくうちに忘れそうになるのはイアーゴの謀略の動機はただオセロの人員配置に不満を持っただけなということ。殆どの読者にはそこまでするほどの動機とは思えないだろうが、どうしてそこまでというほどにイアーゴは奔走する。解説でも述べられているようにイアーゴとは、オセロとデズデモーナの破滅を誘発するスイッチの役割を忠実に演じているだけなのかもしれない。

  • 所有

  • 常識として。

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著者プロフィール

イングランドの劇作家、詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、最も優れた英文学の作家とも言われている。また彼ののこした膨大な著作は、初期近代英語の実態を知る上での貴重な言語学的資料ともなっている。
出生地はストラトフォード・アポン・エイヴォンで、1585年前後にロンドンに進出し、1592年には新進の劇作家として活躍した。1612年ごろに引退するまでの約20年間に、四大悲劇「ハムレット」、「マクベス」、「オセロ」、「リア王」をはじめ、「ロミオとジュリエット」、「ヴェニスの商人」、「夏の夜の夢」、「ジュリアス・シーザー」など多くの傑作を残した。「ヴィーナスとアドーニス」のような物語詩もあり、特に「ソネット集」は今日でも最高の詩編の一つと見なされている。

「2016年 『マクベス MACBETH』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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