新訳 ハムレット (角川文庫)

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本棚登録 : 536
レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042106142

作品紹介・あらすじ

「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。-」王子ハムレットは父王を毒殺された。犯人である叔父は、現在王位につき、殺人を共謀した母は、その妻におさまった。ハムレットは父の亡霊に導かれ、復讐をとげるため、気の触れたふりをしてその時をうかがうが…。四大悲劇のひとつである、シェイクスピアの不朽の名作。ハムレット研究の若き気鋭が、古典の持つリズムと日本語にこだわり抜いた、読み易く、かつ格調高い、画期的新訳完全版。

感想・レビュー・書評

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  • 野村萬斎氏が演じるにあたり、発声した日本語の美しさを熟慮して依頼した新訳。
    私は初読みですが、従来訳に比べてわかりやすいのではないかと想像できます。
    長年研究されている作品なので身構えていましたが、思ったよりシンプルというか下品というか(笑)。ひっかかる場所ではないのだろうけれど、下ネタ満載のセリフになんだかなーでした^^;
    少女コミックなどでもハムレットの舞台を演じる場面があったりして、あのセリフはこのシーンだったのかぁと思ったり。
    オフィーリアの立ち位置がイメージと違っていたことも面白かったです。
    ト書きなのですぐに読めました。
    機会があれば再読するかも…読み手の状況によっても捉え方が様々に変化しそう。やはり名作なのでしょうね。

    • だいさん
      >下ネタ満載のセリフ
      これがわかるように訳した人もスゴイ!
      >下ネタ満載のセリフ
      これがわかるように訳した人もスゴイ!
      2015/02/28
    • はこちゃんさん
      リア王もなかなかですね┐(´ー`)┌
      シェイクスピアのイメージが変わりました。
      リア王もなかなかですね┐(´ー`)┌
      シェイクスピアのイメージが変わりました。
      2015/02/28
  • 私の人生で一番読み返した作品。
    切れ味が鋭い皮肉やユーモア、深い考察、気持のよい韻律。
    何もかもが素晴らしい、人生の一冊。
    河合さんとシェイクスピアは偉大な方です。

  • 2021/2/16

    ハムレットが父殺しの復讐に逡巡することを予見するかのように、劇前半にはどっちつかずのセリフが散りばめられている。

    例えば…
    「片目に笑みを輝かせ、片目に涙を濡らし、葬儀には陽気な調べを、婚礼には挽歌を奏で、嬉しさと悲しさを等しく秤にかけつつ、妻に迎えたのだ。」

    「葬儀用に焼いたパイが、冷めたらそのまま婚礼の食卓を飾るのだ。」

    「何かよからぬことがあるぞ。夜が待ち遠しい。」

    「美しいが、すぐ萎む。」

    「天の霊気か、地獄の毒気か、() 祟りか、救いか。」

    などなど。

    ところが、クローディアスを殺すことを思い止まった後は、この二項対立が解消する。ハムレットの意思が固まったことを暗示しているのか。ここは情動>理性からその逆に転換し、自身の狂気を客観視し始めたのか。

    彼は復讐という大きな大義ができたことで英雄ヘラクレスの運命を辿ろうとするが、復讐失敗後はその厳しさを思い知らされてからは人間の限界、無常観に至る。アレクサンドロス大王も臭気を放つ骨になるのが関の山だ。この考えは極めて理性的。

    このように二項対立の要素は多々あるが、『ハムレット』を貫く最も大きなテーマは情動と理性だと思う。悲劇は人間の本質を映すと言われるが、その本質たる情動と理性の絶え間ない動きを示してくれる意味において『ハムレット』は普遍的な悲劇だという所以がよくわかる。

  • 人生初のシェイクスピア
    古典はどうも苦手意識があったけど
    こちらの角川文庫新訳はとても読み易く
    そして、シェイクスピア、面白い!!!
    他も読みたくなった

    訳者あとがき
    野村萬斎氏が主演する「ハムレット」公演のために、萬斎氏より委託されて訳し下ろしたもの

    第四独白
    To be,or not to be
    生きるべきか、死ぬべきか、それか問題だ。

    ───死んだら夢は見ないと思う

    優れた人物が耐え忍ぶ
    くだらぬ奴らの言いたい放題

    ───人間って、遥か昔からそうなのね…

    戯曲
    演劇の上演のために執筆された脚本や、上演台本のかたちで執筆された文学作品。 戯曲を書く者のことを劇作家と呼ぶ。

  • こういう終わり方はあんまり好きじゃないなぁ。
    ハッピーエンドなヴェニスの商人がなんだかんだ好きだった。
    ハムレットは優柔不断か?いや、そんなことはない、これが優柔不断なら、誰だって優柔不断なんだ。とても普通なんだ。そして、ハムレットには、ハムレットを唆す女性の姿がなかった。妻の後押しさえなければ、マクベスだってハムレットのように思いとどまっただろう。あったのは、亡霊という頼りない存在だけだ。
    (このあたりの感想は今日の感覚で女性蔑視ととらず、当時の時代背景を前提にしている。そういう意味ではシェイクスピアには女性への偏見が多分に含まれている。でも、それはそういう時代の価値観なので、今日の価値観で否定するのは正しくない、という当たり前のことを前提に。)
    若くまだ何も得てないハムレット、成熟しまさに昇り詰めようとしているマクベス、老いて全てを得ていたリア王、と、それぞれの世代ごとになっているのも面白い。
    そのうえで、この一番ダラダラしてるとも言える作品が、最も代表的な作品のひとつという評価を得ているのも面白い。
    生きるべきか死ぬべきか、なんて、カミュのシーシュポスの神話の冒頭みたいだ。そしてカミュが反抗的人間でいう躊躇い、それもハムレットにある。いざ、ことをなそうとしたそのとき、祈る姿をみておこした躊躇いの気持ちは、ハムレット本人の言い訳よりも、カミュの躊躇いのほうがよく説明できる。
    ママンが死んだ、じゃなくて、パパが死んだ、から始まり、躊躇う暇がないときにやっとことを成就する。まるで太陽のせいだ。

    ・人は、微笑んで、微笑んで、しかも悪党たりうる

    ・誰だって分相応に扱われたら、みな鞭打ちの刑を免れない

    ・生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。
    どちらが気高い心にふさわしいのか。

    ・考えなどというものは、四分の一は知恵かもしれぬが、四分の三は臆病にすぎぬ

    ・人生など一つと数えるあいだのことだからな

  • 私は戯曲を読む時は舞台を想像しながら読むようにしている。最初からそれをコンセプトとしたこの訳は台詞、訳注ともに大変その助けとなり読みやすかった。本書の底本でありシェイクスピア当時に上演されていたというフォリオ版と、クォート版の違いについてもページ下部に配置された訳注でその都度触れられていて分かりやすい。

  • 2017/10/11

  •  世界で最も有名な作家・シェイクスピアの作品の中で最も有名な作品である「ハムレット」。

     「ハムレット」はいろいろな出版社から発売されていますが、僕はこの角川文庫の新訳版が一番読みやすいと思いました。

     詳しくはブログで。
    http://blog.livedoor.jp/masaathlon/archives/14518746.html

  •  野村萬斎が芸術監督を務める世田谷のパブリック・シアターで上演に際し、新しい翻訳を河合祥一郎氏に依頼したものだという。演出家も英国から招聘し、英文学の翻訳劇ではなく、日本語戯曲音読劇をやりたかったのだそうだ。

     そのため訳出に当たり、2人は頭を突き合わせ、実際に声に出して読みながら舞台にふさわしい音になるよう工夫しながら翻訳を進めていったという。

     実際の舞台映像を見ると、この翻訳がシェークスピアのハムレットを翻訳したというより、野村萬斎らの脚本として翻訳されたということがわかる。途中若干詰める所があるものの、ほとんどは脚本通りに進められていた。野村萬斎のこだわりが見えたように思われた。

     野村萬斎は以前からEテレの子ども番組にも出演しており、小さい子どもたちにも馴染みが深い。古い伝統だけに縛られず,新しい分野にもぜひ挑戦して、役者の幅を広げてもらいたい。

  • 学生時代、受験勉強として著名な書籍と作者を覚えるということをした。大変無駄な労力であり、わずかしかない記憶のための脳スペースをこのようなことに使うのはもったいないのではないか、とか、ブツブツ思いながら暗記した。

    時を経て。
    あの頃暗記したおかげで有名な書籍の書名は知っているので、ちょっとした会話に不自由はないが、しかしそんな表面的なことだけで内容を知らずにこのまま人生を終えていいのだろうかと…時々思っていたのだ。

    あらすじだけ集めたものを読もうかと思ったこともあったし、実際、手に取ったこともある。だけどあらすじだけを読んだところで、読書の楽しみは得られず、それでは受験勉強と同じだし、すぐに忘れる。

    そんなところに最近よくある「新訳」本を入手。訳が現代文なので読みやすい。

    しかもこれは狂言の野村萬斎氏が舞台で上演するために訳を依頼し、舞台セリフとして何度も声に出し読み、磨きをかけたそうで。確かにスイスイ音が頭に入ってくる。
    さらに解説もついているのでわかりやすい。

    えぇと戯曲としては楽しいのでしょうね。
    しかしこのハムレットがこれほどまでに人類に愛され、読み継がれる理由までは、、、私には分からなかった…かな。タハハ。

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著者プロフィール

1564年ストラトフォード・オン・エイボンに生まれる。20歳頃から役者として活動した後、座付作家に。「四大悲劇」など約37編の劇作を創作。現在でも、世界でもっとも著名な文学者のひとり。1616年没。

「2021年 『真訳シェイクスピア四大悲劇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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