オリバー・ツイスト(下) (角川文庫)

  • 角川書店 (2006年1月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784042110170

作品紹介・あらすじ

手に入れた幸せもつかの間、凶悪な盗賊団のもとにひきもどされたオリバー。次々と課せられる苦難、そして大切な人の死――19世紀のイギリス社会の暗部が、少年の良心を通して鋭く風刺された物語、感動の結末編。

みんなの感想まとめ

物語は、主人公オリバーが厳しい社会の中で純真さを保ちながら成長していく姿を描いています。彼は幼少期から数々の苦難に直面しながらも、希望を失わずに生き抜く姿に感動を覚えます。特に、彼を取り巻く小悪人たち...

感想・レビュー・書評

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  • 少々周りクドさはあったし、ストーリー展開が主人公に都合良くなってるものの、全体的に面白かった。特に小悪人達のキャラが憎みきれず味わいがあった。

  • 主人公は、人間の土台となる幼少期に、社会の制度や、人々からの虐待、悪の組織からの利用など、何度も何度も辛い経験をしたにもかかわらず、純真な心を持ち生き抜いていく。読み進めていくのが辛いほど可愛そうだったが、幸せになれた時の穏やかな時間の描写にホッとする。最後には、主人公だけでなく悪人も含めた登場人物のその後が描かれており、それぞれの人物に想いを巡らせてしまった。当時のイギリスの社会や物、人々の気持ちなど、描写がすばらしく、想像力をかきたてられた。

  • 文体が難解すぎて感情移入しにくいものの、物語はドラマチックで残虐でもある。
    何世紀も前の物語と思えば、それが今の時代にまで読まれている事はすごい事だと思う。
    人間の質が生まれた境遇によって決定的になる悲惨な貧困時代。恐ろしいです。

  • 上巻と合わせて読了。

     この物語の主人公はもちろん少年オリバー・ツイストなのですが、この物語で描き出されているのはオリバーをとりまく社会の姿・・・そして、オリバー自身を含め、社会に翻弄される人々の姿ではないでしょうか。

     やはり印象に残るのは、ナンシーの壮絶な最期。ぼくは、感動のために人を死なせるような小説は好きではありませんが、彼女は自らの生き方を変えることができないまま死んでしまった・・・その意味で、彼女は死ぬ運命にあったのだと思います。このことは下でもちょっと書いてます。

     あと、全く関係ないことですが、ブラウンロー氏とグリムウィグ氏の奇妙な関係(口論になったかと思えば握手で仲直り)もお気に入りですね。なんだこの人たち。

    ・・・以下、自分用メモ・・・

     時は19世紀、オリバーは「救貧院」という貧民収容施設で育つわけですが、「貧」民を「救」うとは名ばかり、貧民に厳しい労働をさせる施設のようです。当時の社会では、働けるのに働いていない貧民は「怠け者」だと考えられていたことが分かります。これは、救貧院バンブルの発言に明確に表れています(といいつつ、どこだったかなあ、^^;;)。

     貧民のオリバーを怠け者、忌まわしい存在としてみる人々。悲痛なオリバーの境遇と、皮肉のこもった描写には笑うしかありません。一方で、オリバーの生い立ちに同情し、救いを与える人々も現れます。

     この点、「結局ご都合主義じゃないか」という人もいるようです。その通りだと思います。事実、似たような境遇にあったディックは死んでしまいました。オリバーと同じように救いの手が差し向けられたナンシーも死んでしまいました。

     彼らとオリバーは何が違ったのでしょうか。とりわけ、ナンシーの死は衝撃的で、考えさせられるところです。ナンシーは、自ら救いの手を拒んでしまいます。人の生き方はそう簡単に変えられるものではないものですね・・・。「あたしはいままでの生活に鎖でしばりつけられているんです。あたしはその生活を、いまはきらい、憎んでます。でも、すてられないもんです。深入りしすぎて、もう戻れなくなってるんでしょう――(p.251)」。

     人には、「そういう生き方しかできない」ということがあるのだと考えずにはいられません。それは、世間から卑しい存在としてみられているうちに、自分自身も自分が卑しいのだと考えてしまう。そして、自ら闇の人生を選び取ってしまう。

     この点では、オリバーに親しげに接し、泥棒仲間に仕立て上げようとするフェイギンの言葉が印象的です。「自分が盗人だという考えで頭がいっぱいになったら、やつはおれたちのもんだ!(上巻, p.266)」。

     では、結局のところフェイギンがすべて悪いのか?というとそうでもない。むしろ、フェイギンは真の悪人というよりは生き生きとした人物として描かれていますね。なんといっても、フェイギン(と、ペテン師くん!)に出会わなかったらオリバーは餓死していたかもしれないのです。

    (まとめ)
     オリバーがいかに人と出会い、翻弄されてゆくかを描き出しながら、それぞれの人物もまた人々のなかで翻弄されていること、そして貧困対策という社会問題・・・この物語は、いろいろな問題を含んでいます・・・。

  • 感想は基本、上巻と同じ。

    シェークスピア的な演劇調の書き回しもむしろ新鮮で、
    映画で結論は知っていながらも、最後まで気持ちを込めて読めました。

    ディケンズの他の本も読んでみようかな。

  • オリバーの存在感がうすい!
    ナンシーのことはすごく考えさせられる。

    とりあえずハッピーエンドでよかった。

  • やっぱりイギリスはいいですね。
    っても、本の内容は牧歌的ではさらさらないんですがねw
    オリバーがこの不衛生な環境でよく性根を曲げず、
    ラストまで行けたってのが奇跡です。
    どんなに強い人間でも、環境に恵まれなかったらと思うと。。。
    健康で文化的な生活を万人に、ということは難しいのだと考えさせられます。

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著者プロフィール

Charles Dickens 1812-70
イギリスの国民的作家。24歳のときに書いた最初の長編小説『ピクウィック・クラブ』が大成功を収め、一躍流行作家になる。月刊分冊または月刊誌・週刊誌への連載で15編の長編小説を執筆する傍ら、雑誌の経営・編集、慈善事業への参加、アマチュア演劇の上演、自作の公開朗読など多面的・精力的に活動した。代表作に『オリヴァー・トゥイスト』、『クリスマス・キャロル』、『デイヴィッド・コパフィールド』、『荒涼館』、『二都物語』、『大いなる遺産』など。

「2019年 『ドクター・マリゴールド 朗読小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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