鏡の国のアリス (角川文庫)

  • 角川書店 (2010年2月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784042118046

作品紹介・あらすじ

映画「不思議の国でアリスと Dive in Wonderland」原作

【アリスは“不思議の国”だけじゃない! “鏡の国”で立派な女王になるアリスを見届けよう! 原文の言葉あそびの楽しさそのままを「新訳」で!!】

●ここがポイント
(1)さすが新訳!!
前作に引きつづき、今に息づく、美しい日本語でアリスが読めます。
難解で読みづらいなんてこと一切なし! そしてくずれた日本語でもありません。
アリスの上品かつかわいらしい台詞を楽しめます。

(2)アリスが女王になる!? チェスについての詳細な解説
物語の肝(きも)はなんといっても「アリスが女王になる」こと。
“不思議の国”はトランプの国でしたが、“鏡の国”はチェスの国。(将棋とちがってチェスはコマが鏡合わせに置かれます)
つまりこの物語ではアリスはチェスの女王(クイーン)に「成る」のです。
物語はチェスの棋譜にそって展開しており、訳者あとがきでそれが詳細に解説されていて、それがめちゃくちゃ面白いです!

(3)アリスの面白さはライム(韻)
本作は、とくに詩の韻を重視して訳出されています。ラストに掲載される美しい詩をもとにご説明しましょう。

  [な]つ 七月の 空【青く】、
  [つ]れだって船で遊べば、夢【多く】。
  [の]んびり川に流れる追【憶】――
  [ひ]っそりと身をよせあ《いて》、
  [ノ]ンセンスのお話、夢中で聴《いて》。
  [あ]きもせぬ三人の子が《相手》――

※【 】《 》で韻がふまれています。[ ]はつなげて読むことができます。
ちなみにこの詩の訳文がすごいのは、脚韻がふまれているだけでなく、行頭の文字をつなげるとある一文がみえてきます。
近年ネットではやっている“タテ読み”を、百年以上も前のルイス・キャロルはすでにやっていたんですね。
「なつのひノあ」……。このあとどんな言葉が続くでしょう。本文でぜひお読み下さい。

(4)詳細な解説付き&詩の楽譜も!
訳者あとがきでは、ほかにも物語が生まれたいきさつや、作品に関する詳しい解説・裏話が読めます。
・この本が出版されたころ、アリスのモデルである、実在のアリス・リドルが大恋愛していた相手とは?
・アリスが大人になるのを見まもる白の老騎士は、だれのカリカチュア?
・意味不明すぎるジャバーウォッキーの詩の「ぬなやか」は何と何の合成語?(ほかにもこの詩の用語に関する詳細な説明も掲載)
アリスファンならニヤリとしてしまうこと、まちがいなし!
おまけに、それぞれの詩の楽譜もついています。
「鏡の国のアリスです♪」を楽譜にあわせて歌いましょう!

みんなの感想まとめ

テーマは、アリスが鏡の国で成長し、女王になる過程を描いた魅力的な物語です。新訳によって、原文の言葉遊びや韻の楽しさが見事に表現されており、難解さを感じさせない美しい日本語で楽しむことができます。アリス...

感想・レビュー・書評

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  • 「不思議の国のアリス」から半年後のお話。
    子ネコのキティとおしゃべりをするアリスは、暖炉の上の鏡をくぐり抜けて、鏡の国の部屋にかろやかに跳び降りてしまいます。
    鏡の国では文字がさかさま。
    赤と白のキングやクイーン、しゃべるお花たちや、卵のハンプティ・ダンプティに出会います。
    小さな丘から見た田園は、大きなチェス盤みたいに仕切られていました。
    次々と起こる不思議な出来事に想像力をかき立てられ、訳者のあとがきによって、この物語がより鮮やかものになりました。

    「不思議の国」は、子どもの頃何度も繰り返し読んでいたのですが、「鏡の国」は初めて読みました。
    もし子どもの頃にこの本に出会っていても、きっと今のようにに楽しめていなかったかもしれません。
    韻を踏んだ詩の訳が、とても素晴らしく、挿絵も素敵です。

  • 鏡の国のアリス は、ハンプティダンプティが
    おなじみなのかな??
    アリスは実在の人物なのは皆さんご存知と
    思うのですが、アリスの豊かな感性に
    ルイス・キャロルの言葉遊びなどが織り込まれて
    いるので、本当なら原文で読んだ方がアリスの
    世界観がつたわるのだけれども、河合さんの
    翻訳は、日本語訳でも言葉遊びの面白さを
    伝えているので、大人が読んでじゅうぶん楽しめる
    作品になってますよ♪

    鏡の国のアリスは、ルイス・キャロルがアリスの
    母親から、『アリスには会わないで』 と言われ、
    会えなくなった寂しさからの思いも伝わって
    くるので、そうしたルイス・キャロルの
    心情の変化も楽しめる♪

    いつどんな時に読んでも、新しいアリスの
    世界観が広がって、楽しめます♪

  • 10冊目『鏡の国のアリス』(ルイス・キャロル 著、河合祥一郎 訳、2010年2月、角川書店)
    1865年に刊行された児童文学『不思議の国のアリス』の続編。初刊行は1871年。前作以上にナンセンスな内容だが、物語全体を通して一つのチェスのゲームになっているという構成は驚異的かつ狂気的。訳者の解説が真実であるならば、ルイス・キャロルのロリコンっぷりにはちょっと引く。優れた芸術家というのは多かれ少なかれ特殊な性癖というものを有しているのかも知れないが…。
    「あなたは、どっちの夢だったと思いますか?」

  • 『鏡の国のアリス』は、イギリスの数学者チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン(1832~1898年)が、ルイス・キャロルのペンネームで発表した『不思議の国のアリス』の続篇ともいえる作品である。
    『不思議の国』は、キャロルが、オックスフォード大学在学中に所属していた学寮の学寮長の娘であるアリス・リドルのために即興でつくって聞かせた物語(1862年、アリスが10歳のとき)をもとに、1865年に書籍化されたが、本作品はその後に書かれ、1871年に出版された(アリスは19歳)。
    アリスが、見る見るうちにあどけない少女から、大人の女性に成長していく中で、本作品はもはや実在のアリスのためにというより、自分の心の中にいる小さなアリスのために書かれた、思い出の世界、夢の世界の出来事であったといえ、それは、『不思議の国』ではどんなにサイズが変わってもアリスが少女であることは変わらなかったのに対して、『鏡の国』ではアリスが少女(ポーン)から大人(白のクイーン)へと変貌し、いつの間にかキャロル(アリスをエスコートする白のナイト)に別れを告げてアリス自身の人生を歩み出すというストーリーに、象徴的に表現されている。
    本シリーズは、聖書やシェイクスピアに次ぐ数の言語に翻訳された、世界で最も読まれた児童小説とも言われており、『不思議の国』の白ウサギやチェシャー・ネコ、『鏡の国』の赤のクイーン(「ここではね、同じ場所にとどまるためには、思いっきり走らなければならないの」という赤のクイーンの言葉は、「生物の種は絶えず進化していなければ絶滅する」という進化に関する仮説の比喩に使われ、それは「赤の女王仮説」、「赤の女王効果」などと呼ばれている)や、「トゥイードルダムとトゥイードルディー」、「ハンプティ・ダンプティ」などのマザー・グースからの引用は、あまりにも有名である。
    また、この角川文庫の挿絵は、出版当初の、当時風刺漫画で有名だったジョン・テニエル(1820~1914年)によるものであるが、1907年に英国で作品の著作権が切れて以降、アーサー・ラッカムなど、世界中の挿絵画家によるものが出ている。
    本シリーズは、松岡正剛氏が有名書評「千夜千冊」(1598夜/2016年1月)で取り上げているのだが、この作品自体の評価はなかなか難しい。松岡氏は、「ルイス・キャロルには、むろん何か格別に天才じみたところがあったにちがいありませんが、この人は全体としてはもともと変な子であり、長じても変な大人だったと思います。まずは、そう思ったほうがいいでしょう。・・・案の定、へんてこ世界のアリスを誕生させた。」と書いているのだが、このシリーズは、大人の理屈を持ち込んで読むのではなく、子どもが子どもの感性で楽しむ世界なのだろう。
    また、『鏡の国』については、上述のような、キャロルが、どんどん成長して自分から遠ざかっていく実在のアリスを思いながら執筆したという背景を知ると、大人にとっては、少し異なった印象を与える作品になるのかもしれない。
    (2021年2月了)

  • 『不思議の国のアリス』

    ディズニーが掛けた魔法に頭が少し侵されていたのかもしれない。

  •  子どもの頃に簡略化された絵本を読んだだけだったので、ちゃんと読むのは今回が初めて。実写映画に出てきたジャバウォックなどは、こちらに登場してたのか。
     解説にて、白のナイト=キャロルで大人になっていくアリスを見送るシーンとあり、彼の想いが込められた物語という側面があることを知った。一見とりとめのない物語のようで、全体的にチェスのゲームになっている構成に度肝を抜かれた。
     テニエルのアリスは生き生きとしていて、想像とベストマッチ。


  • ノスタルジーをナンセンスで隠した作品。
    実世界のアリス・プレザンス・リドルとの関係性を知ったうえで読むと、より楽しく読めるように思えました。
    そもそもアリスのためだけに作られた『地下の国のアリス』から派生したもの。というのはかなり有名な話ですが、子供から大人になっていってしまうどうしようもなさ、遠い存在になっていくアリスとの距離感を思うと、かなりノスタルジックな内容のように思えてきます。冒頭の詩や最後の言葉遊びも含め、本の形式をとった手紙のようです。
    ルイス・キャロル、ロリコン説、非ロリコン説は色々と言われていますが、アリスとの関係なしにこの作品を語ることはできない、作家にとっても、パーソナルな物語だと思いました。

  • 不思議の国からたった半年後のお話だけど、アリスに成長が感じられる。子どもにとっての半年は、濃厚で常に新しい刺激に満ちている。
    ‪大人になった私は捉え方も変化して、子ども時代の自由で純粋な自分に容易にアクセスできなくなった。でも本を開けば、永遠の少女はいつもその中に眠っているということを、思い出すことができる。‬

  • 『不思議の国のアリス』の方が好きかも知れない。
    理由はチェスよりトランプの方が馴染があるからだ。
    アリスがキティを赤の女王だと見立てて遊んでいたのがきっかけとなり、夢に反映されたと言う意味合いがあるのは興味深い。
    猫好きなので、猫で始まって猫で終わっている現実世界はとても和んだ。
    鏡が嫌いな私にとっては複雑な物語だが、神秘的なイメージを持ってはいるので世界観に惹かれる所もある。
    そして解説を読んで作者が”少女の”アリスに幻想を抱いていたと知って少なからず狼狽した。
    正直子供にアリスと名付けるのは可哀想だし気色が悪いと思ってしまった。
    アリスにして見れば20歳差だと小父さんの様な存在にしか思えなかったのではないか。

  • ★3.5
    前作「不思議の国のアリス」以上に言葉遊びが止め処ない!韻を踏む詩に加えて、ちょっとした駄洒落があちらこちらに登場。その楽しさは勿論、見事な翻訳にただただ感心してしまう。そして、アリスが迷い込む“鏡の国”は、“不思議の国”に負けず劣らずの奇想天外っぷり。それなのに、私にチェスの知識がまるでなく、実際の盤上の動きを上手く想像できないのが残念。それでも、テニエルのイラストが相変わらず素敵でうっとり。ただ、訳者あとがきでキャロルの喪失感やアリスとの距離感を知ったことで、少し物悲しい夢のお話に思える。

  • 白騎士がアリスに見送りを頼むシーンが素晴らしくて大好き。
    「あの岡を下り、あの小川を越えれば、そなたは女王になるんじゃ。が、ここで拙者をまず見送ってくれるであろうな?」「長くはかかるまい。ここで待っておって、拙者があの曲がり角についたら、ハンカチを振るのじゃ。すれば拙者も元気づくじゃろうからな」

  • いつの間にか階段とか庭で走ったりしてたら浮いちゃってたってのが夢って感じ

    53ページ最後の方こんだけ言われたら私だったら怖気付くけどアリス強いな

    最後、ただの夢オチじゃなくてキティがクイーンだったみたいなのが可愛いなって思った

    あとがきを読んでルイスのアリスへの尋常ではない愛を感じた

  • 不思議の国のアリスは馴染みがあるけれど、鏡の方はあまり知らなかったので読んでみた。ここであの双子が出てきてオイスターの話が出てくるのか!感じたことは、詩の訳し方がうますぎる。韻をしっかり踏んでいるし、1つは見たこともない形の詩になってて驚いた。また、チェスが話の中で大きく占めていたので、読みにくいところもあった。最後の解説でルイス・キャロルの背景も知ることでアリスの世界がまた別の視点から見れるようになりました!


  • 実写化された映画などを見ているせいでファンタスティックな世界観をイメージしやすいですが、本の中にはそこまでの詳しい描写はありません。
    しかしながら、アリスや出てくる登場人物のセリフ、快いテンポ感からそれらを感じされる名著です。
    また、翻訳者の意地と言いますか、日本語の韻に世界観を壊さずに当てはめた凄さも堪能できます。

  • 読了失敗

    不思議の国の方でもダメだったので、こちらも多分読めないだろうと思ったが一応読んでみた

    やはりこの文章には慣れないし、状況も内容もサッパリ
    それがこの世界観なのかもしれないけど…

    読み進めることが不可能と判断
    初めて挫折した

    読み方にコツが有れば誰か教えてください

    『なんでもない日おめでとう』はこの作品の『非誕生日』が元になったことは発見だった

  • 不思議の国のアリスから続いて読了。原文を見たことないが、日本語と英語は文法からして異なるものであって。言葉遊びは英語だから成り立つものもあるのかもしれない。それをうまく日本語でも表現するのは、相当大変なのでは?と思いつつ、その言葉遊びを楽しく読んでいた。チェスなどのボードゲームはどうしてもルールがよく覚えられず、実際のチェスのルールに則り、とあったが、そこが分からなかったのが自分自身の落ち度としてガッカリであった。

  • 大人になっちゃったのかなぁ……チェスがわからないからなのかなぁ……、もう少し楽しみたかった。とはいえ、型破りな世界でも明るく勇敢に前進し馴染んでいくアリスは勇敢でかわいい。実在のアリスは成長し疎遠になりつつも、ルイスは子供の頃の彼女を楽しませたい気持ちに溢れているところが、同じく子供の感受性を持ち続けられない私をノスタルジックな気持ちにさせる。そこはいいなぁ。挿絵も良い。映像でも観たいし、ほかの翻訳でも読んで味わってみたい。まずは『不思議の国のアリス』から英語で読んでみよう!

  • チェスの知識があれば、もっと楽しめるのかなと思う。

  • 不思議の国のアリスから半年後の話。挿絵もはいっていてページも少ない方だと思うので読みやすいと思う。

  • 鏡の国のアリス(角川文庫)

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著者プロフィール

ルイス・キャロル (Lewis Carroll, 1832-98)
イギリスの作家。本名Charles Lutwidge Dodgson(チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン)。チェシャー州の牧師の家に生まれ、オックスフォード大学クライスト チャーチ学寮に学び、卒業後、同大学の数学講師となる。『不思議の国のアリス』(1865)、『鏡の国のアリス』(1872)の作者として最もよく知られているが、本来の数学者・論理学者としての、また最初期のアマチュア写真家としての功績も高く評価されている。

「2021年 『鏡の国のアリス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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