鏡の国のアリス (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042118046

感想・レビュー・書評

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  • 今、めっちゃ読み込んでますよ(^_^;)。

    ハイ…現在2016年秋。8月下旬から取り組み始めた鏡の国のアリス…。この本を手にいれてから、おそらく6年目…。基本積読状態…でしたが、たまに開くとしてももっぱら読むのは訳者あとがき、ばかりでした。よって内容をほとんど分かっていなかった鏡の国でした。

    不思議の国のアリスの次作品である、鏡の国のアリス。しかし、不思議の国のアリスが書かれた頃から月日は流れ、状況は変わっていました。それはモデルである実在のアリスの成長でした。無邪気な少女アリスは数年の年月の間に大人の女性へとなりつつありました。

    訳者あとがきでも、不思議の国のアリスではサイズこそ変われども、少女であることには変わらなかったのに、鏡の国のアリスでは、アリスは女王(大人の女性)に変貌してしまう…というようなことが書かれています。

    しかし、今回、鏡の国のアリスを読んでみて、感じたのは…少なくとも本の世界で描かれているアリスは少女のままではないか…ということ、でした。確かに現実のアリスは王子とのロマンスが噂され、キャロルからは離れてしまっていたでしょう。そして、キャロル自身もアリスへの訣別の意思をこめて、7章のキャロル自身だとされる騎士に、私を見送って欲しい…と言わしめたのだと思います。

    しかし、鏡の国から帰還したアリスは愛猫たちと仲良く戯れる少女のままです。キャロルは現実のアリスの成長を受け止めつつ、だからこそ自分の作品の中のアリスは永遠の少女…として話を結んだのだと思いました。

  • 不思議の国のアリスの続編、なんでしょうか?
    そもそもこのアリスは前作と同一なのかな?
    前作と同様、不条理な出来事や会話が次々と繰り広げられますが、どこか小さく収まっているというか、想像の域をでないというか。
    もっとぶっとんだ内容を期待していたので、少し期待はずれでしたね。
    登場人物のなかでは騎士が印象に残りましたが、ここも大人しいコントだったかな……
    なにより残念だったのは、ジャバウォックとバンダースナッチの出番が少なかった、というかほぼ皆無だったこと!
    まあこれは皆川亮次のARMSから、勝手に活躍するものと想像していた自分が無学なせいです。でもやっぱり残念。
    ちなみに、図書館で借りた非常に古い版だったせいか、訳がおもしろかった。ナイト(桂馬)。なるほどなあ。

  • 「不思議の国のアリス」から半年後の物語である。アリスは7歳から8歳へと変わり、言葉遊びに幅広さを感じ、語彙も広がるといった成長を感じられる。チェスになぞられた話も多々登場するが、いまいち頭に入らず、改めて頭が凝り固まっていると感じてしまった。柔軟な発想ができれば、すっと頭に入っていくのかなと感じた。鏡の国でアリスはそれまでの言葉遊びに加え、チェスも真っ直ぐと進んでいくが、子供から大人へと変わっていくアリスからも鏡は夢から現実へ戻るのを写しているかのようだ。白うさぎとの再会は良かった。

  • 2016.5.31読了。考えるんじゃない感じるんだ!っていうかのように話が突飛で正直理解が追いつかない。あとがきを読んであぁそういう意味があるのかとようやく納得した。きっとチェスが身近にあってマザーグースを幼い頃から童話として聞いて育たないとこれは真に楽しめない物語なのだなと思う。特に詩は訳されてはいるけど韻がどうしても不自然に思えるからな。そしてモデルとなったアリスが美女へと成長しロマンスにも恵まれ写真が残っていることに驚いた。アリスは色んな題材やモチーフに使われているけど、いったいどれだけの人がアリスには実在のモデルがいると知っているだろう?彼女の認知度が低いのはやはりディズニーの影響が強いのだと私は思う。

  • 不思議の国のアリスではトランプを、鏡の国のアリスではチェスを題材にしてることを初めて知った。たびたび使われる言葉遊び。訳者あとがきを読み、キャロルの気持ちを想像してみたりした。英語でも読んでみたい。

  • 鏡の向こう側

  • 「鏡の国」は思い出の世界、
    夢の国の世界なのです。

    不思議の国のアリスは、少女のまま。
    でも、鏡の国のアリスは、
    少女から女王へと変わっていきます。

    ルイスキャロルの願望が詰まった物語となっています。

    アリスはアリスだけど、
    アリスが自分の思うがままに動く「不思議の国」と、
    ルイスキャロルが動かし、後にアリスが自分自身の人生を歩もうとする「鏡の国」
    どちらも好きです。

  • 不思議の国の冒険から半年。鏡の国にそんな簡単に入っていいの? 言葉遊びがふんだんに。ストーリーよりはナンセンスさを楽しむお話。原文で読んだら、一層、引用や韻を踏む面白さが分かりそうです。著者が可愛がっていた少女は、少女のまま物語世界で生き続けているんですね。

  • アリス=児童向け幻想文学というイメージは強いが、それはあくまで一側面。巧みな言葉遊びと明晰な論理性を反転させたナンセンスな会話、ヴィクトリア朝の文化やマザー・グースといった大衆文化を換骨奪胎してパロディ化する諧謔精神もまた、アリスらしさの一部なのだ。本作はファンタジー要素が控えめな分、知性的なのに痴呆的な、多数の引用や論理性、己の抒情性すらも木端微塵に笑い飛ばしてしまうノンセンス―無意味さに溢れている。遊び心と詩的さを巧みに日本語に置き換えた翻訳が素晴らしい。一期は夢よ、ただ狂える(cruel)のみ。

  • この年でアリスを読むのは笑われるかもしれない。どんな話か知りたかったのである。おとぎ話だから、バカバカしい内容であった。それに意味もない詩で理解に苦しんだ。チェス形式で話が進んだ物語である。

  • 今読んでもよくわからないことがたくさんあるけれど、
    夢の中だし、大人の目線で読んではいけない本ですね。相変わらずアリスが色んな人と巻き込まれながら女王になろうと進んでいくんですが言葉遊びが凄いですね、ちょっと真似したくなります。普段もちょっとそういう遊びを考えたりしたくなりますね。

  • せっかくのシャレもよくわからないところが
    あったりしたから、自分が読むにはまだ早いのかな…なんて思ったりしたのでもうちょっとオトナになってからまた読む。

  • 英文を読む際の参照に。
    不思議の国が、即興で作られたのに対して、鏡の国はキャロルによって緻密に作られていることがよくわかる。
    チェスゲームの作りもそうだが、無意識や夢、言語ゲームなど、うまく散りばめられている。
    また、この作品では同時に、移ろう時を懐かしむような寂しさが、まるでそれを押し隠すかのように語られており、あとがきにもあるが、アリスの成長を寂しく見守る作者の影がいたるところに見られ、不思議の国とは違ったものが感じられた。アリスは、やはりこの二作品を合わせることではじめてその魅力が浮かび上がるものなのだと思う。

  • ハンプティダンプティとかジャバウォッキー出てきた。
    不思議の国のアリスと混同してる部分が結構あった。

    ナンセンスな文章で、不思議で不気味で良かった。


    しかし訳者後書き読むとちょっと複雑。
    ロリコンか・・・・。

  • チェスのルールを全く知らないので理解できないところがいっぱい…。表紙の装丁は可愛くて好き。翻訳が悪いのかただ単に合わないだけなのかキャロルとは相性が悪い気がする…。2010/105

  • 前作よりも論理とか言葉遊びの要素が多い。そして、よりナンセンス。
    アリスと同じように、場面や人が何の前触れもなく変わったりする事に慣れてしまえば、結構世界観を楽しめる気がします。

  • 「ね、雪が窓に当たる音、聞こえる?キティ。すてきなやわらかい音!まるでだれかが外から窓じゅうにキスしてるみたい。あんなにやさしくキスするなんて、雪って、木々や野原が大好きなんじゃないかしら?だから、気持ちいい白いふかふかのお布団であたり一面ふんわりおおってしまうんだわ。」

    というくだりが可愛いなと思ったけど、途中でうっかりリアルに想像したらストーカーみたいだなと思ってちょっと恐ろしくなった。

    という私のようなリアリスト(?)にはちょっと合わないお話。
    言葉遊びが大好きな人はとても楽しいと思います。言葉遊びだらけです。
    私は、訳者は凄いなあと思うけれど、特に好みではないかな。

  • アリスであります。しかも鏡の国でございます。不思議の国ではございません。まだ拝読していない不思議の国ではないのです。内容はございません。すべてはあべこべでございます。意味なんてございません。意味なしアリスなのでございます。

    さて、本書に関しまして知人が日本語では言葉遊びの妙が伝わらないと嘆いておりましたが、これがまた実に的を得ておりましてまるで鳥の入っていない親子丼のようなと申しましょうか。このような言葉遊びの妙につきましては、ワタクシが正直なところいつ読んだのかすら思い出せないということからご推察いただければと存じます。

  • 諸悪の根源、again。ロリータコンプレックスな人には垂涎なんでしょうか?面白いけどね

  • 鏡の国のアリスです。

    明確な筋道とか関係なく展開されるファンタジーな世界観がいいです。

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著者プロフィール

ルイス・キャロル (Lewis Carroll, 1832-98)
イギリスの作家。本名Charles Lutwidge Dodgson(チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン)。チェシャー州の牧師の家に生まれ、オックスフォード大学クライスト チャーチ学寮に学び、卒業後、同大学の数学講師となる。『不思議の国のアリス』(1865)、『鏡の国のアリス』(1872)の作者として最もよく知られているが、本来の数学者・論理学者としての、また最初期のアマチュア写真家としての功績も高く評価されている。

「2021年 『鏡の国のアリス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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