怪談・奇談 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042120018

作品紹介・あらすじ

庶民詩人ハーンは、日本の珍書奇籍をあさって、陰惨な幽霊物語に新しい生命を注入した。盲目の一琵琶法師のいたましいエピソードを浮き彫りにした絶品『耳なし芳一のはなし』等、芸術味豊かな四十二編。

感想・レビュー・書評

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  • 小泉八雲という名前と「耳なし芳一」で知られている。原著作はKwaidanという綴り。いろいろとりどり作品がある。耳なし法市の典拠は一夕散人「臥遊奇談」第二巻「琵琶秘曲泣幽霊」との節あり。本作品後も研究が進んでいるらしい。海外から来た人の日本文化の吸収の仕方に学ぶところがあるかも。第26回名古屋de朝活読書会で取り上げられたので記録。

  • 怪談ではあるがホラーな感じはしない。
    淡々と語られつつもロマンチックであったり、哀感にしたったりする。
    カバー絵は天野喜孝

  • 昔は夏になると民放でハーンの怪談ドラマやってましたね。。。都市伝説モノより情緒があっていいんだけどな。今年(2010)の夏はNHKで百物語やったけど、語りだけでは子供は見ないかな。。。
    翻訳ということで外国人のフィルタがかかると民話としてどうなのか、とか、古典ではないし、と思っていたけど立派な古典。今更ながら読んでおくべき一冊と痛感。ナツイチ。

  • 今までリライトされたものしか読んでなかったハーンの作品ですが、実際読んでみるとその美しさに心打たれました。怖がらそうとしていないからこそ、その透明さが際立ち静かに情景が広がります。そこに作者が見る日本の生死観が加わり、独特の世界観を為しています。
    実はこの本を買おうとした切っ掛けのひとつは、天野喜孝による表紙絵なんです。こういうのも縁だと思いますし、読んでみると実に映像的で絵との相乗効果のようなものがありました。これもまた本の持つ面白さですな。

  • 普通に怖いんですけど。のっぺらぼうでさえ怖いんですけど。

  • 若いころから何度も繰り返して読んでいます。もう何回読み返しているか、わかりませんが、読むたびに新鮮で全く飽きません。ハーンの怪談って怖いだけではないのですよね。なんというか怖い話でも作者の感じ方が優しく、何度も読み返したくなります。稲川さんの怪談にも通じるものがあるかもしれません。
    ハーンというといわゆる「怪談(kwaidan)」が有名ですが、他にも「影」「骨董」「日本雑録」など怖い話が収録されている作品がたくさんあります。この角川文庫版は、そんな作品群からたくさんの怪談が収録されています。

  • 小泉八雲の名でも知られる著者による、怪談の短編集。
    耳なし芳一、雪女などが収録されている。

  • 耳なし芳一、ろくろ首、ゆき女、屏風の女、魂よく一日に千里を往く、重くなる赤ん坊…聞いたことがあるけど、読んだことのない話ばかり。改めて日本に息づく伝統の怪談、昔話(しかも有名なものばかり)を読めてよかった。
    「翻案」と言っているけど、小泉八雲を通してきくと、そのまなざしの暖かさ、そして時折挟まれる客観的な注釈が入ると、温故知新というか懐かしく温かく、そして新鮮さを感じる。江戸の名残が色濃く残る明治の時代にこういう怪談を人の口から聞き、収集して記述する、そういうフィールドワークって大切なんだろうな。魂の生まれ変わり、死んだ女の嫉妬の話と恋わずらいの話が多い。死と恋ってそういう不思議なものを生み出す素地が大きいのかもしれない。

    「さて、日本には古くから、「なぞらえる」という動詞で、はっきりとではないにしろ、とにかく、それとなく示されている或る精神作用の魔術的な効力にたいして、奇妙な信仰がある。」
    「魂を呑み込んだらどんな結果になりそうであるか、読者みずから解決されたほうがよいと思う。」
    「「しかし、それは女の考えかたではありません。…」友人の言うことは、正しかった。」

  • 過去分

  • 小泉八雲作の怪談15篇、奇談27篇。多くは勧善懲悪だが、全く理不尽な話もある。日本の名作の一つです。

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著者プロフィール

原作:ラフカディオ・ハーン
一八五〇年、ギリシャ生まれの英国人。アメリカで新聞記者として活動したのち、一八九〇年、日本文化への憧れから、島根県の松江中学に英語教師として赴任。松江出身の小泉セツと結婚ののち帰化し、小泉八雲を名乗る。熊本五高・東京帝国大学などで教鞭をとりつつ、日本研究を海外に向け紹介した。著書に『知られぬ日本の面影』『心』『怪談』など。

「2019年 『BL古典セレクション③ 怪談 奇談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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