キリマンジャロの雪 (角川文庫)

  • 角川書店 (1969年12月2日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784042135043

作品紹介・あらすじ

アフリカで病気にかかった作家ハリーは悪夢のごとく去来する過去の回想に耽り、ついに息を引きとる。愛と死の問題に深くふれた表題作他、「ミシガン湖畔」「エリオット夫婦」「異国にて」等収録の代表的短編集。

みんなの感想まとめ

愛と死、そして人間の誇りをテーマにした短編集は、登場人物たちの生き生きとした描写が印象的です。表題作では、キリマンジャロの美しい景色を背景に、主人公が運命を感じながら死を迎える瞬間が描かれ、読者に深い...

感想・レビュー・書評

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  • 表題作のほか12の短編を集めたもの。こないだ見た『武器よさらば』に通じるお話もいくつか。『キリマンジャロの雪』はヘミングウェイの遺書みたいでした。

    あたしは『フランシス・マコンバーの短い幸福な生涯』にやられました。まぁ読むの3度目なのにほぼ全忘れという……。あらすじざっと書いちゃうと、アフリカのサバンナで猟に出た白人がライオンにビビって逃げちゃったっていうお話。その様子を妻に見られるわ、醜態を口外しないでってお世話してくれるプロのハンターに懇願しちゃうわ、まぁカッコ悪い男の見本市みたいな話。

    『フレンチアルプスで起きたこと』っていう映画(あたし大好きなんですが皆さんの評価は低いね)に通じるわ。あれはリゾートホテルに泊まる家族の目の前で雪崩が起き(て雪煙だけ大袈裟にくる)るんだけど夫が妻と子をまったく守ることなく逃げちゃうっていうお話でね、妻はそれ以降ずーっと夫を白い目でみるという。

    こういうカッコ悪い男にはなりたくないなと思うあたしではあるんですが、しかしこの3年半の新コロ騒ぎで少しだけ思ったのは、いくぶんカッコ悪くても自分の直感に従って逃げるのは「あり」なんじゃね? ってこと。「科学を信じられない陰謀論好きバカ」ってそれこそ白い目で見られたけれどね。ヘミングウェイだってフランシスに最後ナイス・チャンスあたえてるじゃん! まぁそれをひっくり返す強烈な結末がまっているんだけどさ。

  • ヘミングウェイの短編集です。表題は聞いたことはあるのですが読んだのは初めて。そう言われてみるとあまり作品数は読んだことなかったかなあと思いました。
    老人の海と…ぐらい?ちょっと自分でびっくりしました。
    映画化されている作品が多いのでストーリーを知っている物は多いのですが。

    表題作よりも「二つの心臓を持つ大川」が好きでした。それにしてもこの題名。直訳だし他の訳仕方も難しそうですが何かカッコ悪いなあ。大自然の中に一人気ままに過ごすことの大きな大きな喜び。マスと人との一対一の原始的な戦いに人としての誇りとなぜか優しさを感じました。豚肉とインゲン豆もカンヅメってのはポークアンドビーンズの缶でしょう。けして美味しかった代物ではないと思うのですがとても美味しそうに感じました。実際体験するよりも、映像で見るよりも確実に美味しそうだなあ。

    他の短編もどれも面白かったです。出来れば原書で読んでみたいな、と思いました。それにしてもマコンバーのお話は奥さんの行動は故意ともそうでないとも取れる行為ですね。個人的には意識下にそう言う想いがあったにせよ事故だったと考えると面白いな、と思いました。それにしても何の罪もない動物を食べる訳でもないのに狩猟するのはそれほど楽しいことなのだろうか、と思ったりしました。

  • 英語で読んだものである。

  •  
    ── ヘミングウェイ/龍口 直太郎・訳《キリマンジャロの雪 19691201 角川文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4042135048
     
    ── ヘミングウェイ/谷口 隆男・訳《キリマンジャロの雪 1936 1952》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=19640220 集英社14-183
     
     Hemingway, Ernest 18990721 America 19610702 61 /猟銃自殺/作家
    ── 《The Snows of Kilimanjaro 19520818 America 19530122 Japan》
    http://crest-inter.co.jp/kilimanjaronoyuki/
     
    …… キリマンジャロ地区は、タンザニア国内でも有数の高品質コーヒー
    豆の生産地であるが、必ずしも世界的に人気がある銘柄とは言えない。
    日本でキリマンジャロがブランドとして認識されるようになったのは、
    ヘミングウェイ原作の『キリマンジャロの雪』(1953年日本公開)が
    きっかけであると言われている。その結果日本はドイツに次いで、
    タンザニア産のコーヒー豆を輸入するようになった。現在[いつ?]、モカ、
    ブルーマウンテンにつぐ人気を誇る銘柄に成長した。かつてはブルー
    マウンテン同様「英国王室御用達」という売り文句で販売されていた。
    (Wikipedia)
     
    …… (Blue Mountain)とは、ジャマイカにあるブルーマウンテン山脈
    の標高800から1200mの限られた地域で栽培されるコーヒー豆のブランド。
     
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=19690727
     雨の日の客 Charm Open
    https://tx696ditjpdl.blog.fc2.com/blog-entry-2728.html
     
     ブルマン vs キリマン ~ Blue Mountain vs Kilimanjaro ~
    https://q.hatena.ne.jp/1618659949#a1277009(No.4 20210418 11:08:55)
     
    (20210418)
     

  • ロマンだな。
    力強さと喪失さを感じる。

  • いやいやいや....。
    面白くないでしょ、これ。

    原文なら、文章が素晴らしい
    なんか褒めようがあるのかも知れんが、
    話自体はクソ面白くない。
    つーか物語すらなってねーし。

    古き時代の、中身がない純文学って感じっすかねー。

  • キリマンジャロの山頂の美しい景色を見て、あぁ、俺はここに来るべき運命だったんだと感じて死んでいくのは正直羨ましい。
    美しい景色を見たら世の中のことやちっぽけな自分のことなんてどうでもよくなる。

  • 作者の短編は登場人物が生き生きとしてる。うまく描かれている。『老人と海』を想起する。アフリカ最高峰のキリマンジャロが「海」、主人公もしかり。もっとページ読んでいたかったのが読了感であった。

  • ヘミングウェイの短編集。
    本当に短い話は、たったの3ページのものもある。
    多くが男女の話で、おもしろかったが、男女の話ではない、「二つの心臓をもつ大川」(Big Two-Hearted River) が良かった。
    釣り人の話で、川のそばでキャンプをしながら、マスを釣るのだが、その描写がすばらしい。
    エサのバッタを釣り鉤に取り付けるときのバッタの様子、糸を投げてエサのバッタが水面を泳いだり水に隠れたりする様子、魚が食いついて糸が引っ張られる様子など、釣りの描写もすばらしいが、釣り場に着くまでの主人公の様子や、テントを張るときの説明もすばらしい。その場面が頭の中にはっきりと想像できるような描写がされている。
    訳もとても良かったが、原文にも触れてみたいと思った。

  • 表題作が読んでみたくて購入。いくつかの短編も良かったけれど、トータルでは今ひとつ入り込めなかったのが正直なところ。男性なら共感できるのかな。

  • ● お気に入りは「二つの心臓を持つ大川」。多少ありきたりな釣行記と言えなくもない第二部より第一部、とりわけテントを設営して食事を準備するシーンが好き。微分するかのような解像度で昂ぶることなく淡々と行動を描写しておいて、やがて旧友に想いを馳せるニックの記憶の記述へと転換していくところが秀逸。一人で自然と対峙しながら行動する時の、感覚が研ぎ澄まされていく緊張感と、人心地ついて、ふと記憶の断片に心委ねる瞬間を追体験できる。ソロキャンプとマス釣りを愛好する者として、この短編を読むことはフィールドで過ごすことに継ぐ至福のひと時と言えよう。
    ● いくつかの短編で死への恐怖とその克服がテーマかなと感じた。

  • ヘミングウェイ著「キリマンジャロの雪」角川文庫(1969)
    久しぶりに読んだ小説だった。それもヘミングウェイ。インドに向かう機上で一気によんでしまった。「武器よさらば」「陽はまた昇る」「誰がために鐘はなる」彼の多くの作品はすでに読んでいる。もちろん一番すきな彼の作品は「老人と海」だ。かれのハードボイルドさが随所にでてくる。アメリカでノーベル文学賞をとった作家の中で最も自分が大好きな作家がヘミングウェイだ。なぜならかれの文体、そして人生においても魅力を感じさせてくれるからだ。今回のこの本は、彼の短編集。「キリマンジャロの雪」を含む合計13篇の短編が載せられている。このキリマンジャロの雪は数あるかれの短編の中でも、最高傑作と誉れが高い作品だ。短編であるが、キリマンジャロの頂に壮絶な死を遂げた男の苦悩の一日を描いている。たまには小説も良いなあと身にしみた一冊となった。

  • 喪失感と焦燥感と

  • キーウエスト、アメリカなどを舞台とした作品です。

  • 風と土の匂いがしてくる短編小説。ニールヤングなんか聴きながら読むと気持ち良いだろうなぁ。

  • 1166夜

  • この本の冒頭にはコミック「BANANA FISH」の名シーンに出てくる一節がある。

    キリマンジャロは標高6007メートル、雪に覆われた山で、アフリカの最高峰といわれている。その西の山頂には、マサイ語で”ヌガイエ・ヌガイ”神の家と呼ばれているが、その近くに、干からびて凍りついた、一頭の豹(ヒョウ)の屍が横たわっている。それほど高いところで、豹が何を求めていたのか、説明し得たものは一人もいない。

    主人公アッシュが死について考える時この一節を思うと語る。

    「ヤツの死体はどんなだったろう?戻ろうといていたのか、それとももっと高みを目指していたのか・・・いずれにせよヤツもう二度と戻れないことを知っていたに違いない」

    無二の友英二はそんな彼に対して

    「人間は運命を帰ることが出来る、豹にない知恵を持って。そして君は豹じゃない。そうだろ?」

    と返す。

    マンハッタン島を背景にしたこの二人の会話、すごく印象深かったです。

    だから原作を読んでみたり(^^;)

  • ヘミングウェイで一番好きな作品。深い。

  • ヘミングウェイ13の代表的短編の厳選集

  •  ヘミングウェイはとても巧みな文章です。ただ巧みだから訳が難しいんだろうな、というところもちらほら見えた。「キリマンジャロの雪」とか「フランシス・マコンバーの短く幸福な人生」とか有名どころもいいんですが、個人的には「世の光」と「清潔な明るい場所」がよかったです。
     ヘミングウェイは言いたいことが、明確に書かれないのに非常に明らかに伝わってくるところがすごい。なんか面白くなさそうと敬遠していたことを反省します。

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著者プロフィール

Ernest Hemingway
1899年、シカゴ近郊オークパークで生まれる。高校で執筆活動に勤しみ、学内新聞に多くの記事を書き、学内文芸誌には3本の短編小説が掲載された。卒業後に職を得た新聞社を退職し、傷病兵運搬車の運転手として赴いたイタリア戦線で被弾し、肉体だけでなく精神にも深い傷を負って、生の向こうに常に死を意識するようになる。新聞記者として文章鍛錬を受けたため、文体は基本的には単文で短く簡潔なのを特徴とする。希土戦争、スペインでの闘牛見物、アフリカでのサファリ体験、スペイン内戦、第二次世界大戦、彼が好んで出かけたところには絶えず激烈な死があった。長編小説、『日はまた昇る』、『武器よさらば』、『誰がために鐘は鳴る』といった傑作も、背後に不穏な死の気配が漂っている。彼の才能は、長編より短編小説でこそ発揮されたと評価する向きがある。とくにアフリカとスペイン内戦を舞台にした1930年代に発表した中・短編小説は、死を扱う短編作家として円熟の域にまで達しており、読み応えがある。1945年度のノーベル文学賞の受賞対象になった『老人と海』では死は遠ざけられ、人間の究極的な生き方そのものに焦点が当てられ、ヘミングウェイの作品群のなかでは異色の作品といえる。1961年7月2日、ケチャムの自宅で猟銃による非業の最期を遂げた。

「2023年 『挿し絵入り版 老人と海』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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