キリマンジャロの雪 改版 (角川文庫 赤 ヘ 4-1)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042135043

感想・レビュー・書評

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  • 表題作のほか12の短編を集めたもの。こないだ見た『武器よさらば』に通じるお話もいくつか。『キリマンジャロの雪』はヘミングウェイの遺書みたいでした。

    あたしは『フランシス・マコンバーの短い幸福な生涯』にやられました。まぁ読むの3度目なのにほぼ全忘れという……。あらすじざっと書いちゃうと、アフリカのサバンナで猟に出た白人がライオンにビビって逃げちゃったっていうお話。その様子を妻に見られるわ、醜態を口外しないでってお世話してくれるプロのハンターに懇願しちゃうわ、まぁカッコ悪い男の見本市みたいな話。

    『フレンチアルプスで起きたこと』っていう映画(あたし大好きなんですが皆さんの評価は低いね)に通じるわ。あれはリゾートホテルに泊まる家族の目の前で雪崩が起き(て雪煙だけ大袈裟にくる)るんだけど夫が妻と子をまったく守ることなく逃げちゃうっていうお話でね、妻はそれ以降ずーっと夫を白い目でみるという。

    こういうカッコ悪い男にはなりたくないなと思うあたしではあるんですが、しかしこの3年半の新コロ騒ぎで少しだけ思ったのは、いくぶんカッコ悪くても自分の直感に従って逃げるのは「あり」なんじゃね? ってこと。「科学を信じられない陰謀論好きバカ」ってそれこそ白い目で見られたけれどね。ヘミングウェイだってフランシスに最後ナイス・チャンスあたえてるじゃん! まぁそれをひっくり返す強烈な結末がまっているんだけどさ。

  • ヘミングウェイの短編集です。表題は聞いたことはあるのですが読んだのは初めて。そう言われてみるとあまり作品数は読んだことなかったかなあと思いました。
    老人の海と…ぐらい?ちょっと自分でびっくりしました。
    映画化されている作品が多いのでストーリーを知っている物は多いのですが。

    表題作よりも「二つの心臓を持つ大川」が好きでした。それにしてもこの題名。直訳だし他の訳仕方も難しそうですが何かカッコ悪いなあ。大自然の中に一人気ままに過ごすことの大きな大きな喜び。マスと人との一対一の原始的な戦いに人としての誇りとなぜか優しさを感じました。豚肉とインゲン豆もカンヅメってのはポークアンドビーンズの缶でしょう。けして美味しかった代物ではないと思うのですがとても美味しそうに感じました。実際体験するよりも、映像で見るよりも確実に美味しそうだなあ。

    他の短編もどれも面白かったです。出来れば原書で読んでみたいな、と思いました。それにしてもマコンバーのお話は奥さんの行動は故意ともそうでないとも取れる行為ですね。個人的には意識下にそう言う想いがあったにせよ事故だったと考えると面白いな、と思いました。それにしても何の罪もない動物を食べる訳でもないのに狩猟するのはそれほど楽しいことなのだろうか、と思ったりしました。

  • 英語で読んだものである。

  •  
    ── ヘミングウェイ/龍口 直太郎・訳《キリマンジャロの雪 19691201 角川文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4042135048
     
    ── ヘミングウェイ/谷口 隆男・訳《キリマンジャロの雪 1936 1952》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=19640220 集英社14-183
     
     Hemingway, Ernest 18990721 America 19610702 61 /猟銃自殺/作家
    ── 《The Snows of Kilimanjaro 19520818 America 19530122 Japan》
    http://crest-inter.co.jp/kilimanjaronoyuki/
     
    …… キリマンジャロ地区は、タンザニア国内でも有数の高品質コーヒー
    豆の生産地であるが、必ずしも世界的に人気がある銘柄とは言えない。
    日本でキリマンジャロがブランドとして認識されるようになったのは、
    ヘミングウェイ原作の『キリマンジャロの雪』(1953年日本公開)が
    きっかけであると言われている。その結果日本はドイツに次いで、
    タンザニア産のコーヒー豆を輸入するようになった。現在[いつ?]、モカ、
    ブルーマウンテンにつぐ人気を誇る銘柄に成長した。かつてはブルー
    マウンテン同様「英国王室御用達」という売り文句で販売されていた。
    (Wikipedia)
     
    …… (Blue Mountain)とは、ジャマイカにあるブルーマウンテン山脈
    の標高800から1200mの限られた地域で栽培されるコーヒー豆のブランド。
     
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=19690727
     雨の日の客 Charm Open
    https://tx696ditjpdl.blog.fc2.com/blog-entry-2728.html
     
     ブルマン vs キリマン ~ Blue Mountain vs Kilimanjaro ~
    https://q.hatena.ne.jp/1618659949#a1277009(No.4 20210418 11:08:55)
     
    (20210418)
     

  • ロマンだな。
    力強さと喪失さを感じる。

  • いやいやいや....。
    面白くないでしょ、これ。

    原文なら、文章が素晴らしい
    なんか褒めようがあるのかも知れんが、
    話自体はクソ面白くない。
    つーか物語すらなってねーし。

    古き時代の、中身がない純文学って感じっすかねー。

  • キリマンジャロの山頂の美しい景色を見て、あぁ、俺はここに来るべき運命だったんだと感じて死んでいくのは正直羨ましい。
    美しい景色を見たら世の中のことやちっぽけな自分のことなんてどうでもよくなる。

  • 作者の短編は登場人物が生き生きとしてる。うまく描かれている。『老人と海』を想起する。アフリカ最高峰のキリマンジャロが「海」、主人公もしかり。もっとページ読んでいたかったのが読了感であった。

  • ヘミングウェイの短編集。
    本当に短い話は、たったの3ページのものもある。
    多くが男女の話で、おもしろかったが、男女の話ではない、「二つの心臓をもつ大川」(Big Two-Hearted River) が良かった。
    釣り人の話で、川のそばでキャンプをしながら、マスを釣るのだが、その描写がすばらしい。
    エサのバッタを釣り鉤に取り付けるときのバッタの様子、糸を投げてエサのバッタが水面を泳いだり水に隠れたりする様子、魚が食いついて糸が引っ張られる様子など、釣りの描写もすばらしいが、釣り場に着くまでの主人公の様子や、テントを張るときの説明もすばらしい。その場面が頭の中にはっきりと想像できるような描写がされている。
    訳もとても良かったが、原文にも触れてみたいと思った。

  • 表題作が読んでみたくて購入。いくつかの短編も良かったけれど、トータルでは今ひとつ入り込めなかったのが正直なところ。男性なら共感できるのかな。

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