ラスト・タイクーン (角川文庫)

制作 : 大貫 三郎 
  • 角川書店
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042155058

感想・レビュー・書評

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  • フィッツジェラルドの最後となる作品。
    未完の作品を読むということは、そこで書いた人間の試行錯誤の跡を辿ることができる。いかに彼の小説ができあがっているのか、その軌跡に触れられる。
    こうして読んでみると、彼はどれほど演出に気を遣っていたのか、そんな姿が見えてくる。映画のまだ編集の途中か、まだ未編集の生のフィルム。それをじっと眺めて、どのようにつないでいくのか、あるいは撮り直しが必要なのか、思案しているそんな少し気難しそうな彼の背中が見える。つながりが断続的であったり、あるいはするすると息をするかのように流れていたり、そんな場所が随所に見られる。
    彼がもつ独特の哀愁というか、力なく笑うような諦めは、丹念に練られた構成、カメラワーク、行動の裏にある伏線、そういった緻密な思考が生みだす、ひとつの映画であると、改めて思う。このひとの作品は、いつも映像というか印象が先行している。
    物語の結末や叙述の仕方がどのように展開していくのかなんて本人以外の誰にもわからないし、もしかしたら、彼自身この作品自体を公開しなかったかもしれない。それでも、彼が残した原稿と台本から、彼の姿を辿ることは十分可能である。物語云々ではなく、フィッツジェラルドという映画監督の、そのワークスタイルが漂ってくる、そんなオフショットであると思う。

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著者プロフィール

1896年ミネソタ生まれ。「失われた世代」の作家として知られる。大学在学中から小説を書きはじめ、『華麗なるギャツビー』を刊行後、一躍時代の寵児に。激しい恋の末、美貌のゼルダと結婚、贅をつくした生活を送るが、やがて転落の道を辿る。1940年心臓発作で逝去。

「2008年 『夜はやさし(上)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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